折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (ハヤカワ文庫 SF リ 5-5)

制作 : ケン リュウ 
  • 早川書房
4.10
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本棚登録 : 842
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150122539

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの読書だったからなのか、中国の固有名詞が多かったからなのか、少し難しくてかなり時間をかけて読んでしまった。日本のファンタジーとも少し違う、AIや現代ならではの不思議な世界観。読書ってこんな感じだったな。これが私の積読をなくしていくきっかけになればいいな

  • 金色昔日が良かったので、こちらも読みました。
    タイトルになっている、折りたたみ北京が良いです。中国の近未来は、まさにここに描かれているように想いを巡らせました。
    中国大陸、敦煌、シルクロードに憧れていた中学生時代の感覚が蘇りました。

  • 久しぶりの読む価値のあるアンソロジー

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/781907

  • 「沙嘴の花」「童童の夏」「折りたたみ北京」「円」

  • 挙げられた中国のSFは全体的に、ハードSFというよりも、レイ・ブラッドベリの叙情系?という趣きの作品が多く、アジアの装いを一皮剥くと、ヨーロッパ由来の機械文明が顔をのぞかす印象で、それはそれで好み。

  • ギョッとしたのは鼠年。Black mirrorでコンタクトレンズ着けてる兵士の話を思い出した。
    絵が壮大だと思ったのは折りたたみ北京。インセプションの世界観に、魔女の宅急便のニシンのパイの感じ。
    沈黙都市はオーウェルの世界観。
    神様の介護係はもはや超高齢化社会において、SFじゃない感じで染みる。

  • BRUTUSの読書特集で何度か取り上げられていた中国SFアンソロジー。北京に行くことになったからと積読から取り出して出張のお供にしたけれど、アンソロジーなので、実際に北京が舞台になっているお話はごく一部。もっと早く読めばよかった。
    中国語から英語に翻訳された中国SFを更に日本語に翻訳したというもの。この話ってこの国でそのままだとやばいんじゃないのって思うのもあるけれど、それぞれ翻訳される過程でちょっとずつモディファイされているのかな。
    舞台になっている街をイメージできる話もあったり、巻末に紹介されている中国語の原典も読んでみたいなと思ったりしたけれど、俺の語学力だと無理だろうな。

  • 『折り畳み北京』
    マクロ経済学に基づいた巨大なシステムが、都市の形をして実行されているが、都市を認識するさまざまなカメラワークによって、私たちはその形をリアルに想像できる。
    物語は基本、一貫して老刀と同じ視点で進むが、重要な局面で、突き放したように、他者の視点に切り替わる。
    老刀がはじめて「何もないむきだしの世界を見た」時点で、北京を外から眺めるトラック運転手たちの視点が入るのだけど、新しく老刀が認識した光景を他者の視点から写すことで、より立体的、俯瞰的に世界を認識できる。
    一方で、老刀が第三セクターに帰る時にもみくちゃになる傍ら挟まる権力者の視点は、蟻を踏み潰す像のようで、コミカルで滑稽で悲しい。
    「派手なネオンに彩られた夜の街を歩くたび、残飯でできた虹の下を歩いているようだと老刀は思う」という一節が、生きることを目的に生きる老刀の生に時折ちらちらと差し込む、詩的な切なさをはらんだ光のようで、胸が締め付けられた。
    本作、経済システムを軸足にしたSFなのが私には新鮮だった。ハイテク産業集中地域に暮らす従業員の心境が「減少していくばかりの部族の生き残り」のようだというのも、効率的、経済的という言葉の前に失われる雇用が最大の問題であることも、生々しい事実として感じられるのに、結局「知ったとて何の意味があろう」に帰結してしまう。ハードSFで感じられる、物理学や宇宙法則の前の圧倒的な無力感に等しい感覚が、日頃の生活の中にも見出されるものなのだと知る。故に経済の構造は、まるで地上にある宇宙のようだなと思った。

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