- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150124434
感想・レビュー・書評
-
SF初心者の私。ワケわからん!と思いつつも、この物語の世界にどっぷり浸かっていた。
上巻を読むのになぜだかすごく時間がかかってしまったけれど、下巻は面白くて一気読みでした。
第3部も楽しみに待ちます。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代を舞台に、三体艦隊が地球に侵略するまであと400年とした上巻から、羅輯(ルオジー)がコールドスリープに入って目覚めた200年後が舞台となる。
基本物理学の発展は阻害されているものの、驚くほどの技術発展を遂げた地球人たちは、自らの居場所を地下に宇宙にと発展させている。
三体艦隊との戦闘に関する研究も進み、勝利の可能性、勝利への自信で地球があふれかえっている。
そんな中、三体艦隊から放たれたほんのトラック一台ほどの大きさの探査機と思われる物体が一足早く地球に近づくのだが・・・というところから物語がスタートする。
物語前半における勝利への過剰なまでの自信がものの見事に瞬壊するのはお約束もお約束。機関車トーマスしか観たことない幼児ですら予測できる展開。
地球は絶望、宇宙艦隊は半壊、愉快痛快三体艦隊。
この物語の面白さはその後にある。
まず、上巻と同じように、社会シミュレーションが緻密に記述される。
宇宙艦隊に取り残された人類が体験する感情。そして社会的な反応。
同じように希望を打ち砕かれた地球上の人類に生じるであろう当然の反応。
「しかし地球人は決して希望を捨てなかった」的なご都合主義に依らないことで、物語にリアリティと厚みが出る。
そして本作品の核をなす、SF的ギミック。
想像力の限りを尽くした突飛とも思えるようなSF的問題解決案を、「あー、それならありえそうだよね」って思える科学的な論理で記述し
「そうか。すげえ、その手があったか。」と読者に膝を打たせる。
この納得感がただの「エンターテインメント」ではなく骨太の「SFエンターテインメント」に仕上げてくれている。
あとはもう、話自体の面白さ。これはもう間違いない。
上巻含め、前半にちりばめられた伏線はほぼすべて回収される。それもびっくりするくらいわかりやすく、そして笑っちゃうくらい意外な方向で。
あと、前作にも感じたことであるが、作者自身がこの物語を書くことを心から楽しんでいるのが伝わってくる。
SFが大好きなのだろう。とりわけ舞台が宇宙になってから、様々なSF作品へのオマージュがみてとれる。
クラークはもちろん、銀英伝っぽさが入ったり、宇宙艦隊の艦長達が目線だけで会話するくだりはアルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ」へのオマージュっぽい。
(三体艦隊が宇宙艦隊に与して「ヤック・デカルチャー」とか言い出すかと思ったけどさすがにそれはなかった。)
ともあれそんなSF愛が随所にちりばめられ、それが意識的にしろ無意識的にしろ私たちにも伝わるのでこちらも楽しくなってくる。
ながながと述べたけど、要するにものすごく面白い。めちゃくちゃ面白い。
読みやすさと読み応えが同居した結果、猛烈な満足感を与えてくれる。
上下合わせて1000ページ弱。あっという間に読めるけど、ものすごい満足感よ。
みなさんにも是非この「うわー、そうなったかー」を感じて欲しい。 -
「三体」続編。
前作よりもエンターテインメント要素は更に上がった印象。クライマックスには派手なバトルもあるし、最後のどんでん返しも爽快。上下巻のボリュームも気にならずイ一気に読ませる楽しさは確かにある。
ラストは三体人が人類とは異なる冷静さと知性を持つ存在で良かった。これが相手も人間のような思考であれば、死なばもろともで三体人と人類共に絶滅エンドでもおかしくない。
細かいこといえば、現代パートでコールドスリープがしれっと実用化されていて何の説明もないのが気になった。 -
IIを読み始めた時には一気に時代が変わっており、慣れるのに少し時間がかかったけど、宇宙戦争という大スペクタルに途中からすっぽりハマって夢中で読み終えました。
みんな誰に感情移入しながらどの立場で読み進めるんだろうな、とも思います。
三体人の生き方も理解できるし、地球人の抵抗も理解できる。IIIがこれからどう展開していくのか楽しみです。 -
面白かった。1巻目の「三体」は正直、さほど面白いとは思わなかったのですが(少し期待が過ぎたのもあって)。しかし、IIは引き込まれました。この分量ながら、久しぶりに「ページをめくる行為を意識しない/覚えていない」モードで読み進めてしまいました。
-
面壁者登場!知能戦や宇宙戦争やらで、SF小説としてとても充実していた内容。
評判通りの面白さだった。 -
本巻で三体人が表に出てくるも,地球人と同様,人間賛歌というか他者との関わりの中で個体の存在意義がある,という思想が通底しているというラストは,三体人が地球人の時間的空間的延長線上の存在であることを強く印象づけ,三体人対応のための地球内での争いと地球人と三体人との争いがフラクタル構造のように印象づけられる.生命体の究極の精神的発達は物質的発達には追いつかない思想は,クラークの頃から変わらない考え方なのかも知れない.
-
読まないと損しかしない。