消えた少年 (ハヤカワ文庫 JA ア 3-4)

著者 :
  • 早川書房
3.76
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本棚登録 : 890
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150306014

感想・レビュー・書評

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  • 探偵だって恋をする。

    これまでとテイストが違って、事件の質も背景も陰惨なものがあるのでちょっと戸惑いがあるかも。それでもシリーズの本質は変わらず、”俺”が周囲を巻き込みながら頑張っているので楽しめる。今回は桐原の意外な一面もあり、そうした脇役の味付けも本シリーズの魅力の一つ。春子の今後の活躍に期待。

  • 元上司が貸してくれた。

    小説なので、一息に読めたが、
    内容的に読後感が悪かった。

    確かに主人公のキャラクターなどは面白いので、
    第一作から読むと印象が変わるのかもしれないが、
    話の内容は好みではなかった。

    [more]
    内容(「BOOK」データベースより)
    学校では問題児扱いだが映画が大好きな中学生、翔一と知り合い意気投合した(俺)。ところが、翔一の親友が惨殺死体で発見され、一緒にいたはずの彼も行方不明となってしまった。変質者による誘拐か?暴力団がらみなのか?それとも、学校をも巻きこんだ障害者施設反対運動に関係があるのか?担任の教師、春子に翔一の捜索を依頼された(俺)は、彼の姿を探してススキノを疾走する!新感覚ハードボイルド長篇第三作。

  • しばらく疎遠だった「探偵はバーにいる」シリーズを再開。この第4弾、いまのところ最高傑作!先週末、ハイボール片手に一気読み。あまりのスピードで読んだため(あと酔ってたため)、今一度ざっと反芻して現在に至ります。探偵モノというよりホラーに近い。「俺」の沸点の低さとアクションシーンの疾走感に大喜びするとともに、ヤクザ桐原、刑事種谷、教師春子と、脇役の存在感の凄さに感心。これは早く次作が読みたいぞ!家に置いてあったかなあ。。。

  • ススキノの<探偵>シリーズの魅力は、もう語るところがないほど語りつくされている。

    <探偵>と言ってはいるが、私立探偵でもなんでもない。

    うさんくさいモメごとやトラブルを、依頼があれば片付ける便利屋のようなものだ(その中には麻の葉っぱを売る商売なんてものも入っている)。

    自堕落ではあるが、いざ事件に顔を突っ込むと、俄然、頭の回転が速くなる。

    そして、強さもハンパない。

    盟友の高田とともに、チンピラだろうが、ヤクザだろうが相手にして、大立ち回りを繰り広げる。

    この作品では、最後の最後の暗闘で、かなりボコボコにされてしまったのだが。

    この作家さんの作品(探偵、畝原シリーズでもそうだが)では、得体のしれない人間や、さまざまな欲が顔に張り付いているような輩がよく登場する。

    その所業は何とも気持ち悪く、不気味だ。

    だからこそ、スリリングな展開がより引き立つのだろう。

    この男、自堕落ではあるが、それなりに生きることの矜持を持つ。

    例えば、ボコボコにされながらも、「ここで諦めたら、俺は、世界中の全ての人間に、顔向けができない男になる。他人がどう思おうと関係ないが、俺は俺なりにきちんと生きてきた。ここで諦めたら、俺はもう、死ぬまできちんと生きられない」と、立ち上がっていく。

    これがこの男の魅力のひとつになっている。

    そして、もう一つの魅力が、猥雑で剣呑なススキノの裏社会だ。

    東京ならば、新宿が思い浮かぶが、ススキノは独特の匂いがする。

    ススキノの<探偵>には名前がない。

    <俺>の一人称で物語は展開していく。

    このシリーズを読むといつも、ビル・プロンジーニの「名無しの探偵」シリーズを思い出す。

    アレも大好きだなぁ。

    もう一度、読んでみようか。

  • 学校では問題児扱いだが映画が大好きな中学生、翔一と知り合い意気投合した(俺)。ところが、翔一の親友が惨殺死体で発見され、一緒にいたはずの彼も行方不明となってしまった。変質者による誘拐か?暴力団がらみなのか?それとも、学校をも巻きこんだ障害者施設反対運動に関係があるのか?担任の教師、春子に翔一の捜索を依頼された(俺)は、彼の姿を探してススキノを疾走する!

  • 久し振りに傑作に出会えた。一気読みした。

  • 2015/06/25

  • 読了日20140729 一般20冊目

  • 図書館で。暫くこのシリーズ予約が殺到していたので借りられなかったのですがようやく番が回ってきました。
    それにしても今回の犯人超怖い。殺し方もだけど変貌っぷりが物凄い怖い。
    という訳でネタバレですが。

    別にかばう訳じゃないけど男性が書くとどちらかというと美人は善人で不美人が性格も悪いという風に書かれがちかなあ~とか思いました。個人的には春子さんは結構苦手なタイプです。ああいう自分で何とかしようとするより周囲の男性の好意にすがっちゃうタイプ結構苦手。手に負えないなら手を出すな、周囲を巻き込むな、と言いたい。不美人の負け惜しみと言われればそれまでのような気もしないではないですが。
    そして今どきの中学生なら福祉施設とか反対派の方に回りそうとか思いちょっと寂しくなったりしました。それにしても作者さんは中学校教諭が嫌いなんですね(笑)ホント、碌なヤツ出てこない(笑)。

  • (444P)

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著者プロフィール

一九五六年札幌生まれ。本郷幼稚園中退、本郷小学校卒、東白石中学校卒、札幌東高等学校卒、小樽商科大学中退、北海道大学文学部哲学科中退。
現場作業員、ポスター貼り、調査員、ガードマン、トラック助手、編集者、広告営業、コピーライター、受刑者など諸職を転々。
一九九二年『探偵はバーにいる』(早川書房)で小説家としてデビュー。同作は、一九九三年『怪の会』激賞新人賞受賞。
二〇〇一年『残光』(角川春樹事務所)で日本推理作家協会賞受賞。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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