イティハーサ 6 (ハヤカワ文庫 JA ミ 8-6)

著者 :
  • 早川書房 (2000年10月1日発売)
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150306496

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  • 不二に向かう途中、鬼幽のじゅうしたちは桂・火夷・たみあの一団に遭遇し襲撃。その瞬間、津波が来て、桂達は間一髪助かる。これは海の獣と通じている真魔那・たみあが起こしたもので、たみあはそのまま海の民となる。

    鷹野は空子都からあすかとむうという二つの大陸の対立や遺伝子についての秘密を聞く。しかし、よく理解できない。中性的な空子都に誘惑される鷹野。

    鬼幽は透祜に天音の秘密を解き明かすため、幻霧の森に向かうように命じる。透祜は鷹野に会えるならと森に向かうが、そこには空子都に暗示をかけられ、集まってきた威神を殺しまくる鷹野がいた。しかも鷹野は透祜の記憶を消されていた。

    青比古は狂じが奪ってきた古い真言告を唱えたところ、トリップして”遠いところ”を幻視する。それは透祜が以前、いたところだった。

    透祜は陰石の力を使い、殺人の快楽から逃れられない自分を解放することに成功する。一方、不二近郊では最終決戦が始まり、天音は鬼幽に殺され、鷹野は海に落ちる。その姿を幻視する透祜。

    いよいよクライマックスに向けてのスパート。物語は重層的に織りなされながらテンポよく進む。幻霧の森で鷹野が恐ろしい化け物に変身するが、それは透祜が自らの内に潜ませている恐ろしい欲望、というくだりがインパクトがあった。善と悪がすぱっと割り切れないのが人間の性、ということなのだろう。

    たまたまこの作品を読んでいる今、遠いところで殺戮が行われている。攻撃的な威神と平和を好み受け身をしいられる亞神という設定は、まるでそのまんま現実をなぞっているかのよう。道理が欲望を超えてほしいという理念と、強いものが弱いものを従えていく力の論理。人間は長い歴史の中で、常にこの二つの極を揺れ動いてきたし、これからも惑い続けていくのだろう。

  • 愛憎渦巻く波乱の6巻。
    青比古と桂、鷹野と透祜。せっかくの再会を果たすも望んだ形ではなかった。
    空子都が一番、人間らしい人間なのだと思います。知恵や知識というものは欲を生むんだなあと感じました。まして孤独だっただけに、同じ真魔那というルーツを持つ鷹野は、空子都自身も無自覚な寂しさを埋めてくれる存在になってしまったんだろうけれども業の深さに気が重くなります。
    解説は菅浩江さん。

  • 【要約】


    【ノート】

  • 昔、読んだときは、単純な物語しか理解していなくて、鷹野の桂に対する思いとかは、全然理解していなかったなぁと思います。
    弟ではなくて、並んで立つ者になりたかったんだとやっと気づきました。
    そして、その想いの元は、ずっと前に見た桂の後ろ姿からきていて、本当に、シーンに1つも無駄がないマンガだったのだと思い知らされます。

    そういえば、なんで、こんなに執着しあいながら、最後に結ばれるのが、鷹野とトウコではなくて、ヤチオウとトウコであったりするのかがとかいうのは、やっぱり、ずっと理解できなくて、理解できなかった故に、ずっと、心の中にトゲとして刺さっていたのでした。

    今回、読み返してみて、「イティハーサ」は、水樹版「百億の昼と千億の夜」なんだなぁと、そういう読み方をしてはじめて、スーッと理解が通ったところがたくさんあります。

  • 学生時代に、母親が持っていた単行本を読んでハマり、このハヤカワ文庫版を自費で購入するにあたりました。

    神とはなにか、人とはなにか、名の持つ意味、目に見えるもの、目に見えないもの、本当に大切なものは?など、とても考えさせられた物語。
    壮大なスケールで、いまだに読み返す本の一冊です。
    セリフの一つ一つが印象的です。

    今の自分を構成していると言えるくらい影響を受けました。
    単なる少女マンガとは一線を画してます。

    その第六巻。

  • 是非、読んでみてほしい。

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