象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307684

感想・レビュー・書評

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  • 数年ぶり再読。飛浩隆の80~90年代に書かれた中編集。『象られた力』は好きすぎて絶対に映像化してほしくない小説の一つ。ちょっとした描写すら美しすぎて途中からずっと泣き笑い状態。この可能性を映像なんて形に収斂させちまうのはもう犯罪ですよ。後の『グラン・ヴァカンス』にも使われるモチーフも時折見えて、ファンとしては「あれの原型はこれかあ」って遡ってみる読み方もできて嬉しい。『デュオ』のホラーテイストもいいし『呪界のほとり』もわくわくするし『夜と泥の』の雰囲気も浸れるんだけど、やっぱり表題作ががんと抜き出ている。

  • 読後の満足感が大きいです。非常に面白かった。

  • SF中短編集。「デュオ」では感応をめぐる幻想を、「呪界のほとり」ではメタフィクション的な諧謔を、「夜と泥の」では記憶に馳せる思いを、「象られた力」ではかたちに対する欲望を、ひしひしと訴えかけていた。
    作者の提示する世界観や情景はあまりにも豊潤すぎて、私の想像力では到底追いついていけないほど。
    この美しく力に満ちたモノに、どうにかして触れたい――まさしく、そのような欲求に駆られる作品だった。
    単純に完成度で見たら、少し荒削りにも感じられる。

  • よくよく考えてみると、SFって実はあんまり読んだことないなー。ついていけるかなー、大丈夫かなー。と思っていたのですが、なにやらエレクトロニクス的な難しい単語が飛び交ったりだとかそんなことはなく、どちらからというとファンタジー要素の強い作品だったので読みやすく、そしてなんだか懐かしい気持ちになりました。
    小学生の頃、土曜日の昼下がり、ドラクエ3で友達の名前のキャラクターを作って世界を冒険していた時のことを思い出してしまうような、そんな感じ。ちょっと違うかもしれないけどまあ、大体そう。いつだって僕らは何かを懐かしんでいる。というか主にドラクエを懐かしんでいる。

    「デュオ」という、結合双生児が天才ピアニストという話と、「呪界のほとり」という、ドラゴンと一緒に宇宙を旅する男の話が面白かったです。でも、「呪界のほとり」は、「俺たちの旅はこれからだ!」的な終わり方になってしまうのが残念でした。
    シリーズ物にしたかったけど、結局できなかったとのこと。そんなー。私財を投げ打ってでも続編を買う覚悟は出来ていたのに。

  • 表題作と『夜と泥の』がお気に入り。

    小さい頃はよく、文章を読んでは掻き立てられた想像力のままに絵を描き散らかしていたのですが、
    読了後、久しぶりにそんな気分になっている自分に驚かされました。

  • 『廃園の天使』シリーズが良かったのでこちらも購入した。
    8〜90年代、『SFマガジン』に発表された中短篇集。映像的な文章はこの頃から変わっていないようだ。
    音楽ものの『デュオ』、この本の中ではホラーテイストが濃い目の『夜と泥の』が好み。

  • おもしろかった。表題作より「デュオ」の方がいい。

  • なんとも五官を刺激する二次元存在である。表題作が一番好きだ。

  • この本に出会えて幸せです。
    最高の一冊。

  • 超寡作とはいえ、表現力といい文章力といい最高。

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著者プロフィール

1960年島根県生まれ。島根大学卒。第1回三省堂SFストーリーコンテスト入選。『象られた力』で第26回日本SF大賞、『自生の夢』で第38回同賞を受賞。著書に『グラン・ヴァカンス』『ラギッド・ガール』。

「2019年 『自生の夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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