リライブ (ハヤカワ文庫 JA ホ 1-4)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 342
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311896

作品紹介・あらすじ

転生し続ける女・国枝小霧(くにえださぎり)。2013年春、彼女の結婚式に寄せられた一通の祝辞が、1992年夏から続く“時を巡る物語”の真実を告げる

感想・レビュー・書評

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  • 『リライト』から始まったこの四部作、なんとか読み切りました(疲れた………)。

    「シキ」とか「カケル」とかの文字遊びみたいなのは好きだったんだけど、全体を通して物語が進むごとに難解になっていき、ストーリーを楽しむことより、構造を理解することに頭を割いて、気づいたら物語が終わってしまった印象。

    なので、この作品を100%堪能したとはいえないかも。作品全体を通した評価も難しいところ。
    ただ、個人的にはこういうギミックのある小説群は好きなのです。

    北村薫さんの本もいつか読みたい!

  •  小説巻末の解説者も明らかに全部理解できてなくてウケる。
     作者あとがきでフローチャートをプロットにしたとあるが、完全に腹落ちしてるのは作者だけなんだろうと思う。

     だが、「史上最悪のタイムパラドックス」の帯通りに、実験的な小説だった。
     起こってしまったことは、起こる。
     それを無理やり改変しようとするとどうなるか。
     時空の果てにぶっ飛ばされるか、
     時間のループに閉じ込められるか、
     単純に時のルールに殺されるか。

     どうあがいても未来を見れない。
     生きて死んでの繰り返しに陥る、生まれるたびにつけられる「小霧」が最終巻の主人公。
     
     小霧がどうしてこんな運命になってしまったのか。
     保彦自身による解答と、彼女への贖罪を。

  •  ハチャメチャに面白い『リライト』から続く全4作のシリーズの最終巻。正直3作目の『リアクト』でほぼオチが着いてたのでどうなるかと思ったら、ここに来て新キャラが主人公。しかも「転生」という新要素が追加され、話のややこしさに拍車がかかって解説の佐々木敦も理解を諦めていた。SFというよりファンタジーな部分があったし。
     評価の微妙さは話のややこしさのせいだと思うので、うまいこと映像化されれば見直されるかもしれない。

  • 最後まで、読めませんでした。
    70ページの途中まで頑張ったんだけど…。

    完結編だしと読み始めたものの、のっけから同じようなフレーズの繰り返しで、たちまちげんなりしてきてしまった。内容も相変わらず訳がわからない方向に行きそうな感じがしたし、ひとつのことを長々と引き伸ばして書いているような感じもしたし、読んでいるうちに苦痛を感じてきたのでもうやめてしまった。

    読むの諦めるってほとんど経験ないんだけど!

    パラパラ見たら、
    『それだけで、僕にはわかる(ライブ)。
    見る(ビジョン)だけで、すべてが繋がる(アクト)。
    さあ、行こう。あの物語の続き(ライト)を読むために。』
    という文があった。カッコの中の文字はルビで。

    なんか、ここの部分を読んだら、すごくこじつけて結末を迎えたのかなという気がして、やっぱり読まなくてよかったかと思ってしまった。

    あらすじは4部作どれも面白そうに思えるのになー。ショートショートくらいにまとめてくれた方が楽しめたかもしれない。

  • もうややこしすぎて、自分の中で整合性が取れなくなってくると、途端につまらなくなる。
    これは読者のせいか?
    読解力がないせいか?

    春だの夏だの秋だの冬だの、冗長な表現や言葉遊び、過剰な改行にもイライラしてくる。
    最終巻に至っても指示語や伏字が多いのもイライラ。

    『リライト』は複雑な時間SFだったが、今ではご都合ファンタジーとしか思えない。
    「あったこと」を「なかったこと」にはできないというルールが提示されているが、霞の消滅とか、破られていることが多い。
    時空に干渉しすぎると人類が消滅してしまうみたいな記述もあったが、それってあったことがなかったことになっているじゃないか。
    都合のいいように解釈して、都合の悪いところは隠してしまっているようにしか見えない。

    時間移動だけではなくて、未来に干渉する力が受け継がれるだのと、唐突なファンタジーが気に食わない。

    保彦の本来の目的が、最終巻になって初めて出てくるのも納得いかない。
    これまでに伏線があって、最後に明らかになるというのならいいが、一番のキーとなる妹が最終巻で初登場というのは……。

    ひぐらしのなく頃にの解答編を思い出した。

    ラノベ作家が分不相応なプロット組んじゃった、という感じ。

  • 「リライト」から続く、不条理タイムリープシリーズの完結編。前作の「リアクト」もかなり複雑ではあったが、本作もそれに負けるとも劣らない難解さである。前作、前前作を読んでいてもいまいち読解が追いつかず、一読で完全に把握できないのはやや惜しむ部分であるとは言える。ただこの複雑さはある種のメタ的な意味も多分に含まれており、著者の得意とする「不条理さ」を現しているとも言えるので一概には否定出来ない。時のルールは絶対で、一度狂えば全て狂い、無限拡張していくという、ある種の当たり前を煮詰めに煮詰めた作品であるともいえよう。情報の複雑さを除けば、結婚式を間近に控えた、輪廻転生するたびに記憶を保持し続けた盲目の女という設定は非常に上手いと思ったし、あらゆる人間を犠牲にしてでも全ては妹のこの日のために捧げた兄のヤスヒコという関係性もシリーズの総括としては申し分ない。輪廻転生とタイムリープを絡めたアイディアは斬新ではあるし、結局は個人の物語に収束することにより、親しい個人を目的としたタイムリープは、その他大勢の人間の運命を狂わせるという、タイムリープものの負の側面をしっかり断罪しているので個人的にはそこそこお気に入りです。最終章としてのまとまりもいい。

  • 忘れてたけど実はこうで、暗示が解けて思い出したとか、あり?
    リライトは、無くても良かったてこと?
    保彦が最低の自分勝手男だっていいたいだけのラストのような。

  • 2018年76冊目。シリーズ最終巻。全てがスッキリとはいかないものの、最後は感動的。ただ唐突な展開にはやや置いていかれた感がある。

  • 冒頭。今回の主人公がさぎりさんというそうですが、正直どちらさまですかね、という状態。
    4冊目の今回でフィナーレを迎えるのですが、一番最初にリライトを読んだ時の衝撃が一番すごくかったので、最終話まで読んでは見たけど後付け感がぬぐえなくて、ああうんよかったねえ、しか感想が残らなかったです。
    ただ4冊かけた春夏秋冬や名前の使い方の表現なんかは詩的ですごく好みです。

  • リ、シリーズ4作通して一気読みし、タイムパラドクスもののSFとして楽しかったが、シリーズが進むにつれて次々と真相が新しい様相を見せる上に、時間軸が過去-現在-未来にぽんぽんと跳ぶので、最終的なオチが理解できていないのが残念…作者が作ったという時間旅行のチャート表を付録でつけてくれたら良かったと思う。

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著者プロフィール

1982年、静岡県生まれ。『バイロケーション』で第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。

「2010年 『バイロケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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