怨讐星域Ⅱ ニューエデン (ハヤカワ文庫 JA カ 2-15)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150311933

作品紹介・あらすじ

滅びの地球から脱出した、2つの人類。その1つは宇宙船ノアズ・アーク内で、結婚して子を産み育てながら172光年先を目指していた。いま1つの人類も、星間転移で到達した約束の地・エデンにて世代を重ねながら、新たな文明社会を築いていた。最初の転移者から数えて第5世代のタツローは、入植を祝う降誕祭の準備に奔走する日々。彼はやがて、歳月を超えて受け継がれたノアズ・アークへの憤怒と憎悪に直面するが…。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2作目

    約束の地もノアズ・アークも世代交代が進んで、1作目よりも何代か後のお話

    約束の地のジャンプ後4~5世代後
    ある程度の科学的な文明が復活してきた頃
    初めて約束の地に降り立った日を記念するお祭り、降誕祭
    地球を懐かしむイベントでもあるけれども、一番の目的とは?


    ノアズ・アークの中でも順風満帆とは言えず
    機関室で起こった事故とその影響
    約束の地まで半分のところまで来たものの、逆向きの推進に移行できない可能性が出てきたとか

    その後、路程の半分を越した後の世代の結婚事情とか船内の怪異とか
    宇宙に行っても「筋肉は全てを解決する」「寺生まれのTさん」並の解決力が見られるとは面白い


    約束の地でもノアズ・アークの観測をやっていて、どうやら近づいていると思われる兆候が
    近づいているノアズ・アークを発見するエデンの人たちの選択とは?

    約束の地へと近づき、移住の準備をする人たちの行動



    エデンの方はここまで文明が戻ってくると、船に乗れなくてよかったと思うんじゃないかね
    ま、その世代はもういないんだけどね

    一方ノアズ・アークの方はそんなにいい生活には思えない
    でも、この人達は生まれたときから死ぬまでそんな生活なので、ここまで不満が募るかどうかも疑問かな


    果たして、この2つの勢力はどうなるのか
    3巻を読むのが楽しみだ

  • 大河SF第2弾 
    転送装置組は、順調に文明化され、ある意味安定期に入る。 
    世代間宇宙船組は、漂流の危機を脱し、「約束の地」へあと10年で到達できる位置までやってくる。 
    今回は、過渡期のエピソードを連作集的な書き方でまとめています。 
    やはり、「七十六分の少女」が一番良いかな? 
    さて、勢いで最終巻「約束の地」へ突入します。 

  • いくつかの視点から物語が続きで進んで行くと勘違いしていた。連作短編集なのか。(今更気付く!)この第2巻は、幕間劇の様な印象。エデンが急に発展していて拍子抜けするし、ノアズ・アーク号も章が変わるたびに世代が変わっていて、置いてけぼり感を感じる。イースト校の演劇とか、大伯父のために卵を取りに行くとか、全体的に良い話ばかりで、ちょっと期待はずれ。とは言え、ニューエデンの人々とノアズ・アーク号の人々がどう出会うのか3巻も楽しみではある。

  • 怨讐星域? ニューエデン (ハヤカワ文庫JA)

  • めっちゃ発展している
    石油がみつかるのが早かったのがよかったんだろうな
    文明の灯火が消える前に、新しい大地に科学が根を下ろせたのがよかった
    はーしかし正義がぶつかりそうだ
    どうなることやら

  • 相変わらず連作短編集として面白く読める。
    あの人の子孫がこうなったのか、とか。

    約束の地でノアズ・アークに復讐をと望む声と、そんな事は露知らず人類を継ぐことに心血を注ぐ人達、今後どうなるのかやっぱり気になってしまう。

    アダムス小屋の卵は結局食べたのか、ガズ一族の部屋を見たくて堪らないだとか。
    ミユキちゃんはちゃんと会えたのかとか。
    上手く着地して欲しい話が多かった。

  • 三部作の第二部。早く結末が知りたい思いで一気に読みました。登場人物も世代交代が進んでかなりわからなくなってきたけど第三部に向けての伏線があったりする?とにかく次読もう。

  • どう着地させるんだろう。あの二人はまた巡り合えていたらいいなあ。

  • 大きな時間の流れがある作品ですが短編として読んでも楽しめる。人と人とが様々な形で繋がっているんだなぁとほっこり。もうノアズ・アークは約束の地につかずにローダンみたいにずっと続けてても良いのではなかろうか?と思いつつ着地も気になるのでⅢに突入だ。
    しかしここまで読むと…やっぱり相関図作りたくなるよね。あの人とこの人が血縁関係で祖父と孫で、誰と誰が結婚してこの子が産まれてとか。こういう作品は再読が楽しみなんだ。

  • 怨讐星域シリーズの2作目。ニューエデンにジャンプした人類も宇宙船ノアズ・アークで新しい地球に向かう人類も数世代の世代交代を経て当初の様子を経験したことがない世代が文明の維持をしている。本作品ではどのようにサバイブするのかよりも、そこで生活する人々の行動そのものが物語の主役となっている。今の現実とまったく異なる世界というのが根底にはあり、人間はどのような生活をするのか、一種の思考実験のように読める。特殊な状況のラブストーリーや宇宙船の危機を救うアクション、青春小説など何種類かのエンタテインメントが詰め込まれている。

    このシリーズでは、きっとニューエデンへジャンプした人間と宇宙船ノアズ・アークで航宙してきた人間が出会うことになると思う。本作品で紹介されたエピソードはその伏線になっているのではないかと期待している。

    どのようにまとめられるのだろうか。作者は大変だろうなと思いつつ。続篇も楽しもうと思う。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。「美亜へ贈る真珠」でデビュー。代表作に『地球はプレイン・ヨーグルト』『怨讐星域』「あしびきデイドリーム」(星雲賞)『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞)『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、そして映画化した『黄泉がえり』や、舞台・映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』など。

「2022年 『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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