僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 192
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312336

感想・レビュー・書評

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  • 2024.1.17 ☆9.3/10.0




    "「99%の幸せが、残り1%の不幸で出来てるとしたら・・・私たち、どうすればいいんだろうね。幸せなままでいいのかな」

    「・・・・分からないけど、幸せになってしまった以上は、幸せであるべきだと思う。そうでないと、1%の不幸も報われない.....って、これはきっと僕たちが幸せだからこそ言えることなんだろうね」

    1%の不幸が、99%の幸せをどう思うのか。

    「でもやっぱり、僕たちは開き直ってでも幸せであるべきだ。そして次の幸せに繋げないといけない、と思う。1%の不幸を踏みにじるんじゃなくて、踏み台にして」

    「踏み台にして良いの?」

    「良いも悪いもない。僕たちはもうそこに立ってるんだから。あらゆる可能性の上に立って、そこで生きていくしかないんだ」




    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    『君を愛したひとりの僕へ』
    『僕を愛したすべての僕へ』
    両作を読み終えて

    セットかつ、どちらから読むかで印象が変わるという両作を読み終えましたが、非常に新しい、面白い読書体験を提供してくれました。
    両作の単品の印象と、関連作として見た時の印象の変わりようにも驚かされました。


    二つの作品はまるで空気感が違うだけでなく、パラレルシフトに関して主体的か受動的か、自分が掴みに行くのか、掴んだものを大切にするのか、つまりあらゆる可能性の中の最愛の1を探すのか、可能性全てを愛そうとするのか、スタンスもまるで違います。





    一人だけに人生を捧げた俺。君を愛したひとりの僕へ、大切な人との約束を託して。

    可能性ごとすべて愛する僕。僕が愛したすべての君へ、この僕の幸せを伝えたい。



    「どうか君と、君の愛する人が、世界のどこかで幸せでありますように。」





    静かな感動に包まれる、穏やかで優しい涙が溢れました
    ぜひとも手にとってほしい、良作です。

  • とても面白かったです!
    知らない言葉が沢山出て来て、それを説明していてることで、知らない言葉を知れるのが良かったです!

  • オカルトな話かと思いきや、素敵でリアルで、最後にはほっこりする内容。自分という人間と人生、世界を振り返ってみると、本当にいろいろと気付かされます。気付かせてくれたこの本は文句なし星5つ!

  • 同時刊行のどちらから読むか悩み、本屋で立ち読みしたところ面白そうだったのでこちらの方を先に購入。パラレルワールドが科学的に証明され当たり前にある世界。そんな世界設定でもう面白いのに、素敵な恋愛小説になっている。ライトノベル出身作家なので読みやすさは抜群。新しい技術が世に浸透していく様もわくわくしたし、パラレルワールドのあり方にもなるほどと思った。次も早く読もう。

  • 『君愛』からの『僕愛』。油断して読み始めたところ、冒頭の年齢設定にまず驚かされる。て第一章が始まって暦の引取先を読み、もう一度『君愛』の記述を確認。そして、和音の立ち位置に三度驚く。いや表紙イラストをよく見なさいって。『君愛』の世界線と『僕愛』の世界線が裏表になっているのかなという予想は外れ。それはそうか。『君愛』の暦はラストでやっとのことで適切な世界線を見つけたのだから。テーマは縦軸と横軸みたいに別の角度から切り取った物語になっていた。読む順番は『君愛』→『僕愛』の順で良かったように思う。逆順に読んで『君愛』のラストだったら悲しいよね。映画も観てみたいな。監督も制作会社も別で同時公開ってすごい。

  • 素敵だなぁって思う
    私はこっちから読んだ

  • 読みやすく幸せな物語でとてもよかった。「君を愛したひとりの僕へ」も早く読みたい〜‼︎

  • 友人が君愛→僕愛の順で読んでたから
    私はこちらから先に読んだ。

    【僕愛だけ読んだ感想】

    ・並行世界の自分は自分なのか。

    ・並行世界はこの世界で選ばなかった”未来への可能性”

    さっきまでここにあったのにと思うことが私も多々ある。私たちは並行世界を常に行き来しているという概念が非現実的だけど、それもあり得るのかもって思えて面白かった。

    「君を愛したひとりの君へ」を読むのが楽しみ!

    この作品は2冊読んで1つのお話だと思うので
    もう一つの方にちゃんとした感想を書こうかな。

    【追記】
    私的にはこっちから読んだ方が面白いんじゃないかなって思った。記憶を消して逆からも読んでみたいな。

  • 君を愛したひとりの僕へ
    → 僕が愛したすべての君へ
    の順に読了(audible)。評価は二冊セット。(一冊だけ読む人いるのかな。)
    タイムパラドックスとか、そういう頭がこんがらがるお話大好物の自分にはグサッと刺さる作品でした。二種類の異なるラブストーリーそれぞれ切なくて、こちらも良かった。
    読後感はこちらの順の方がいいのでは、と思うけど、逆の順に読んだ、並行世界の自分と感想を交換してみたい!

  • サイエンスフィクションで、個人的にはなかなか読まないジャンルだったが面白かったし、読みやすかった。
    ど忘れに思えるようなことも、実は並行世界を行き来しているから起きることという着眼点が面白かった。
    その世界では悩みの種があり、別の世界にいる自分は自分なのか?目の前にいる相手は自分が信頼している相手なのか?というようなこと。
    少し考え込まないと理解はしにくいが、「相手の可能性ごと信頼する」という人付き合いの本質のようなものを感じることができた。
    読みやすくて、考えると深い物語だった。

著者プロフィール

1981年大分県生まれ。2012年、第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『ミニッツ ~一分間の絶対時間~』(電撃文庫)でデビュー。初の一般文芸作品『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともにハヤカワ文庫JA)を同時刊行して、大きなヒット作となる。ほかに『ラテラル ~水平思考推理の天使~』(電撃文庫)、『正解するマド』(ハヤカワ文庫JA)など、トリッキーなアイデアを武器とした作品を得意とする。

「2021年 『アイの歌声を聴かせて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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