黒猫のいない夜のディストピア (ハヤカワ文庫 JA モ 5-9)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 167
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150314842

作品紹介・あらすじ

ドッペルゲンガー、謎の暗号、母の不審な行動……私の周りで一体何が? 相談相手の黒猫も不在のまま、付き人は謎を追うが……。

感想・レビュー・書評

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  • 灰島浩平〈ハイエナ〉とのテクスト解体もグロテスクや反美学と新しい単語が多くて苦戦したけど、やっぱり謎は恋愛関係。母と都市開発。途中の幕間の母からの愛がとてつもなく心打たれる。
    灰島の影響で読んでる時にドーナツ食べたくなった。

    なんとなく、竹取物語や印鑑から、え?もしかして??って思ってたけど、最後の最後にまさか婚姻届の話が出るなんて。知らぬ間に2人はお互いの親に婚姻の許しまで得ていたし。二人の距離が近くて遠くて近い。

    特典で濱松蒼が出てくるとは。

  • 今巻から黒猫シリーズ第2期が始まりました。読者としては嬉しいです。付き人が、自分と似ている女の人を街中で見かける所から、話が始まります。今回も黒猫との美学論議になるのかと思いきや、2人の関係には何か蟠りがるようです。黒猫に変わって、反美学研修者の灰島浩平が現れます。最後は、驚きの結果に繋がっていました。

  • 付き人とその母との関係にとても惹かれた。

  • 後悔しないためにはやっぱり黒猫に相談するのが一番な気がする回。不在だろうが喧嘩中だろうがおかまいなく困ったら相談しよう。
    そして、まだまだ二人の間に邪魔が入りそうですね。

  • 黒猫シリーズ、久しぶりに思い出して通読。一番最初以外初めて読んだと思ってたけど、ブクログ見返したら読んでた巻もあった。全く記憶になくて笑う。
    このディストピアが一番面白かったと思うし、味わって読めた。
    段々付き人達が大人になって自分年齢に近づいてきたからかな。巻が進むにつれ、母校が舞台だからか、自分の思い出やイメージと重なって、一層気持ちが入り込んでしまった。ああ、こんな日々を送りたかったな、という気持ちもあり、本筋とは関係ないけど、なんだか切なく、胸が締め付けられるような気がし、ページを繰る手がゆっくりに。
    灰島は、黒と白の混ざった色。黒に近いところもあるけど黒じゃない。
    付き人の名前には赤とかが入るのかな。満白ちゃんは、物語の設定もありながら、付き人と対になるように付けられたのかな。でも紅白ってのもなんだか変か。

    このシリーズはなかなかハッピーエンディング、大団円にはならない。いつもほろ苦さが残る。

  • この黒猫シリーズは、『美学』と言う“小難しいこと”(失礼)を研究している研究者が主人公なので、出てくる言葉も、まぁ“小難しい”(苦笑)訳ですが、それでもなぜだか面白いんですよね。いま放送中の朝ドラ『おかえりモネ』に出てくる菅波先生みたいです(w

    シリーズの全部を読んていたつもりですが、どこか欠けていたようです。いつの間にか、黒猫と私が、いつの間にか婚姻届けを出すところまで関係が進展していましたが、記憶に無いですからね。

    この作品では、新たな進展もある様です。続きに期待ですね。

  • ドッペルゲンガー、暗号、反美学。家族。頼りのない不安。黒猫と対比するように登場した灰島。謎ときで明かされる人間模様。読みごたえがある。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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