太陽の黄金の林檎 (ハヤカワ文庫 NV フ 2-9)

  • 早川書房
3.67
  • (21)
  • (18)
  • (43)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 220
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150411077

作品紹介・あらすじ

冷えきった地球を救うために太陽から"火"をもち帰ろうとする宇宙船を描いた表題作「太陽の黄金の林檎」。灯台の霧笛の音を仲間の声だと思い、毎年海の底から現われる古代生物の悲哀をつづった「霧笛」。タイム・トラベルがはらむ危険性を鋭く衝いた「サウンド・オブ・サンダー(雷のような音)」など、SFの叙情詩人と呼ばれる巨匠の幻想と詩情にあふれる短篇集。ジョゼフ・ムニャーニによる幻想的なイラストも収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 霧笛;The Fog Horn(1953年?、米)。
    百万年の孤独。二度と帰らぬ者を待つということ。家族と共にあることが幸運だったと感じられるような物語。愛する者が傍にいる幸せを噛みしめる。別れは、いつか必ず訪れるからこそ。

  •  ハヤカワ文庫NVだから文句は言えないが、SFと言えるのは「霧笛」「歩行者」「荒野」「人殺し」「ぬいとり」「サウンド・オブ・サンダー」「ごみ屋」「太陽の黄金の林檎」ぐらい。他はファンタジーや寓話、アメリカ文学という気がした。
     ミステリやSFやホラーばかり読んでいる身で、アメリカ文学を語る任に耐えないけれど、パリッシュやワイエスの絵画に感じるアメリカの陰翳を「二度とみえない」「山のあなたに」「夜の出来事」に垣間みた。
     「四月の魔女」は、萩尾望都ならどうマンガ化するだろう、と構図やコマ割りを妄想しつつ楽しんだ。

  • 『華氏451度』よりは、文体が落ち着いていたような気がします。ミステリー的に軽くゾワっとさせる話が多く、サクサク読めました。
    「空飛ぶ機械」、「人殺し」、「サウンド・オブ・サンダー」が特に面白かったです。
    全体的には、他人と比べての自分とは何なのか?という問いが共通して根底にあり、様々なケースで描かれていたと解釈しました。

  • 2006/3/31
    3月公開の映画 「サウンド・オブ・サンダー」
    原作は私の好きなSF作家 レイ・ブラッドベリの 「太陽の黄金のりんご」
    の中の短編 「A Sound of Thunder 」 (『いかずちの音』)
    わずか20ページの短編が 映画ではどんな風に展開していくのか・・・

     ⇒ http://sea.ap.teacup.com/applet/pasobo/msgsearch?0str=%82%A0&skey=%83u%83%89%83b%83h%83x%83%8A&x=27&y=7&inside=1 〜 Myあれこれブログ:レイ・ブラッドベリ

    内容(「BOOK」データベースより)
    冷えきった地球を救うために太陽から“火”をもち帰ろうとする宇宙船を描いた表題作「太陽の黄金の林檎」。
    灯台の霧笛の音を仲間の声だと思い、毎年海の底から現われる古代生物の悲哀をつづった「霧笛」。
    タイム・トラベルがはらむ危険性を鋭く衝いた「サウンド・オブ・サンダー(雷のような音)」
    など、SFの叙情詩人と呼ばれる巨匠の幻想と詩情にあふれる短篇集。
    ジョゼフ・ムニャーニによる幻想的なイラストも収録。

  • 一日で読了。

    一つ一つのお話の余韻に浸っていたい。
    でも早く次のお話が読みたい。

    それの繰り返し。

    ずっと味わって、噛みしめていたい。
    無くなってしまうのが惜しい。
    フォアグラの様な濃厚な1冊。

  • 中学校の教科書にあった『霧笛』をもう一度読みたくて購入。
    当時も妙に心に残ったが、今読むとまた違った感動がある。

  • ロケット・サマーを薦めている書評があって、どんなものかなと思った。
    これ、自分ひとりで読んでいたら、その良さがわからなかったなあ。ロケット発射時の熱ってものすごいもので、化学物質と熱で、周囲数キロの植物は燃え、また汚染されるそうな。
    そうしたら、ロケットが飛び立つとき、街はその熱で、自分たちの興奮で、夏が来る。

    ブラッドベリの作品で、ロケットと訳される場合と、宇宙船と訳される場合がある。
    自分のイメージの違いがわかった。
    ロケットと言われると、先が尖った銀色の流線型のものを想像している。乗船可能なのは数名程度。尾部に羽根が四枚くらいついていて、赤で塗られていて、本体の下方には赤白のチェッカーが、先端は赤で塗られていると最高。
    宇宙船と言われると、多くの人が乗り込むもの。数十人から数百人は乗れる。寸胴型。銀色は少し鈍い。
    このイメージのおかげで、ちょっと作品ごとに、読み違いが生じていたわ。

  • ブラッドベリは好きすぎて感想が書けません。霧笛だけでも 充分です〜

  • ブラッドベリの短編の美しさはやはり尋常でないという感じ。「霧笛」や「太陽の金の林檎」を読みながら思い浮かべた情景は一生忘れないだろうな。

  • 巨匠の短編集 再び

     前回と比較すると駄作が満載の本作。

     メインは表題作「太陽の黄金の林檎」と「サウンド・オブ・サンダー」。後者は、あのB級映画の源作だ。

     全部で22ある短編はそれぞれがかなり短いので通勤電車にぴったり。

     その証拠に今回の文庫版はていねいな帯がついている。帯だけでも楽しい絵だね。


     作品は次の通り。

     霧笛、歩行者、四月の魔女、荒野、鉢の底の果物、目に見えぬ少年、空飛ぶ機械、人殺し、金の凧・銀の風、二度とみえない、ぬいとり、黒白対抗戦、サウンド・オブ・サンダー、山のあなたに、発電所、夜の出来事、日と影、草地、ごみ屋、大火事、歓迎と別離、太陽の黄金の林檎

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1920年、アメリカ、イリノイ州生まれ。少年時代から魔術や芝居、コミックの世界に夢中になる。のちに、SFや幻想的手法をつかった短篇を次々に発表し、世界中の読者を魅了する。米国ナショナルブックアウォード(2000年)ほか多くの栄誉ある文芸賞を受賞。2012年他界。主な作品に『火星年代記』『華氏451度』『たんぽぽのお酒』『何かが道をやってくる』など。

「2015年 『たんぽぽのお酒 戯曲版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

レイ・ブラッドベリの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
レイ ブラッドベ...
レイ・ブラッドベ...
スティーヴン キ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×