- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150412357
作品紹介・あらすじ
"シブミ"とは、ありふれた外見の裏に潜む洗練、日本的精神の至高の境地をさす。少年期に日本人の岸川将軍から"シブミ"の思想を学び、青年期に大竹七段から囲碁の手ほどきを受けたニコライ・ヘルは、いまや世界屈指の暗殺者となっていた。ハンナを護る決意をしたヘルだが、"マザー・カンパニイ"はCIAや警察をも支配下に置き、包囲網をせばめてゆく…美しく華麗な自然描写と凄絶なアクションが融合した冒険巨篇。
感想・レビュー・書評
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シブミを体得したヘルは、西欧文化に毒されてしまった日本に見切りをつけ、バスク地方に隠居中(なんでバスク?)。
その中にミュンヘン・ファイブの生き残りのハンナが厄介事を持ち込み、ヘルは引っ張り出されてしまう。
テロリストとの戦いを描いてはいますが、単にそれだけだったら古びてしまったことでしょう。
背景に文化の衝突を描いているところが物語の厚みを増しています。もうこれは冒険小説の体裁の日本文化論ですね。
碁を打ちたくなってくるなぁ。
アイガー・サンクションも探して読んでみよう。
戦後東京拘置所から開放されるところから始まる前日譚を、ドン・ウィンズロウが続編として書いているのも興味深いです。
ウィンズロウで大丈夫なのだろうか?恐る恐る続編へ・・・-
ウィンズロウの「サトリ」すごーく面白かったですよ!わたしとしては「シブミ」より好みだなあと思いました。ウィンズロウらしいドキドキ感があります...ウィンズロウの「サトリ」すごーく面白かったですよ!わたしとしては「シブミ」より好みだなあと思いました。ウィンズロウらしいドキドキ感があります。
「シブミ」も読み直さなければ。2015/02/16
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後半になっても、ニコライの精神性を表すケイビング描写などが長く退屈。
読み応えある文章は魅力的だし、陰影のあるキャラはそれなりに魅力的なので、もう少しストーリーが走れば面白くなったのでは? -
(上下巻共通。)
日本を舞台にした第二次世界大戦秘話と洞窟探検と暗殺者の三題噺。
どのパートも楽しく読めました。
解説とかを見ると、間違った日本観を楽しむ本なのかと考えてしまいますが、日本文化についてもかなり正しく描かれています。
叙情的なところも好印象。 -
ニコライ・ヘルが何故、ニコライ・ヘルなのか、それを完全に書いてる。多分、現代が舞台の小説の暗殺者の中で最強はこの人やろう。会えるなら会うてみたい、彼の中の日本人と。
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これはやはりトレヴァニアンならではの重層的な小説。
ハードボイルドでもないし、まして冒険小説でもない。
サトリから読んでしまったのは大失敗。ウィンズロウも勿論シブミを読んでいる前提でサトリを書いたんだと思う。
しかし両作品のベクトルは全く違うものでした。
シブミが 高度に含蓄のある演劇だとすると
サトリは 失礼だが、平均的米国大衆が求めるB級スパイ映画。
かな、、、サトリもそれなりに面白かったので悪口書きたくないですが。
いずれにせよ シブミは 随所に彼独特の(主に米国流に対する)冷笑的な警句にあふれているし、いくつかの異なる色相をもった断片(主人公の日本における青春的パートとか)から構成されていて、非常にオリジナルな印象をもった作品でした。 -
『サトリ』を先に読んでいたので比較になってしまうけど、ストーリーの重厚さ、人物設定等『シブミ』に軍配。
こっち先に読んでたらウィンズロウは薄い上に軽かったやろな~