- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150412463
感想・レビュー・書評
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GATACAと同じく大学時代に読んだ本。
この次作、GATACAから戻る形でシンドロームEに手を出したのですが、
正直GATACAが面白すぎたので、前作だしそこそこだったりして……
と思っていたらとんでもありませんでした←
GATACAとはまた違った怖さがあり、ほどよい恐怖と先が気になる好奇心に駆り立てられながらページをめくり続けていました。
個人的にサブリミナル効果というものに興味を持っていたので、
(次作のGATACA同様興味を持ったテーマっだったこともあり)、
一気に読み進めました。
映画に隠されたもう一つの映画。
暴力性が、今作、次作に通じる一つのテーマなんでしょうか。
とても面白いです。
ただのサイコホラーや、クリミナル物とは違うのがこの著者の特徴でしょう。
確かにS・キングも好きですが、彼の作品の怖さとはまた別にある。
答えのない怖さではなく、答えがあるからこその怖さ。
張り巡らされた伏線をこの下巻でいかに回収するのか。
上巻を読み終わったら下巻に手を出すのはすぐです(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奇怪な映画を観たコレクターが失明した事件を探るリューシー警部補。一方、脳髄と眼球が抜き取られた5体もの死体が発見された事件を追うシャルコ警視。2つの事件を結ぶ糸は…?
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恐怖の短編映画に秘められた謎。リューシーとパリ司法警察局の行動分析官シャルコが謎を追う。
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怖い!(というかまず表紙にビビるんですけど…)
初っ端の映画のシーンから、まず衝撃でした…。
急死した映画コレクターの、コレクションの中に眠っていた謎の短編映画。
その奇妙な映画を観た男性は、映画が終わる前に失明してしまう。
一方、工事現場で見つかった五つの死体は、
脳髄と眼球が抜き取られているという、異様な状態だった。
この二つが、下巻でどう結びついてくるのか??
面白いですし、中だるみなく進むのだけれど、何しろ「痛い」。
あまりにもリアルで、読んでいるだけで心臓に悪い~(笑) -
警部補に昇進したばかりのリューシーのもとに、かつてのボーイフレンドから一本の電話が入る。
熱心な映画マニアである彼は、ベルギーのコレクターから入手した短編映画を自宅で観ていた最中、目が全く見えなくなってしまったのだという。
その短編映画の秘密を探る彼女だったが、その行く手に何者かが立ちふさがる。1955年に作成されたストーリーのない不気味なシークエンスがただ連なるだけの短編映画。このフィルムには恐るべき秘密が隠されていた。
同じ頃、シャルコ警視はフランス北部のパイプラインの工事現場で発見された5体の遺体の捜査を担当を命じられる。遺体は全て頭蓋骨が切り取られ脳と眼球が摘出されており、手首から先は荒っぽく切断され歯も抜き取られていることから身元は分からない。
八方ふさがりの状態の中、インターポールから送られてきた一通の電報によって事件は大きく動き出す。一見なんの関係もなさそうな短編映画と工事現場に埋められていた5つの遺体の事件は、意外な繋がりを持ち始める・・・。
冒頭からストーリーに引きずり込まれ、次々に起こるバラバラの謎の終点は、一体どう収まるのかという好奇心を抑えることができない。舞台はフランスを離れてカイロからモントリオールへと意外な展開をみせる。ケベックの暗黒の歴史、洗脳実験などディテールもしっかりしていて読み応えも充分だ。
ティリエは終始「心の闇」をモチーフに描いてきた作家だが、単に「心の闇」、誰にもわからない、では終わらせない。その根の本質を明らかにしようとする試みには好感が持てる。
暴力的な映像は子供たちの従順な脳にただならぬ影響を与えている、というのはよく聞く話だ。激しい暴力シーンのある映画には、R指定をして制限をかけることも義務づけられてもいるし、一定の規制もあることにはある。しかし、今日私たちは意識しているとしていないとに関わらず様々な形で映像を目にし、無意識にそれに支配されている。
「あなた、疲れたときはどうしています?家に帰ってディスプレイの前でくつろいでいるのでは?映像の前で脳を全開にさせてうとうととまどろみながら意識を朦朧とさせて。それが一番狙われやすいときです。こちらで望んだ通りのものを、あなたの頭に注入できるんです。」
著者が画像診断学の専門家に言わせるこの言葉は恐ろしい。
この内容を考えると、日本語版の装丁はもう気の毒なくらいのダサい。見た目で三流ホラーだと勘違いされるのは、本当にもったいないと思う。
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