ピルグリム〔3〕 遠くの敵 (ハヤカワ文庫 NV ヘ 18-3)

  • 早川書房
4.30
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本棚登録 : 332
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150413132

感想・レビュー・書評

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  • 物語はあの9.11同時多発テロが発端となっています

    主人公『ピルグリム』は、「最高の諜報員」と評されいましたが、アメリカ本土への大規模テロを防げなかったことを諜報機関の完全なる敗北と捉え30代の初めにも関わらず引退を決意します

    一方彼のパートナーとなる、50代のニューヨーク市警の警部補ベンは、いち早く現場に駆けつけ大いなる勇気を持って人命救助のためにビルに飛び込み、車椅子の避難者を救助しますが、ビルの倒壊により自らも重傷となり、また救えなかった人々を思い大きなトラウマを抱えることになります
    しかし妻マーシーの支えにより立ち直った彼は再び災厄が訪れたときに、より多くの命を救うために、警察官たちが専門的な知識や技術を身につけるセミナーを立ち上げます

    そして、9.11をきっかけに終わらせた男と、9.11から始めた男が出会い、世界を終わらせようとするテロリストと対峙するのです

    いやー面白かった
    終わり方も良かった
    そしてこの闘いや終わらせ方が、「わたし」がベンの影響を受けまくった結果なのかなと思えてすごく良かったんよ
    もう★5じゃ足りない傑作でした!

    スパイ小説のハラハラもあって、クライマックスは手に汗握る!言うことなし
    やっぱ「愛」よな〜

    そしてわいもベンのような人になる!と思うのでした

    • 1Q84O1さん
      ベンのような人ですか〜
      ひま師匠、昨日はインリン・オブ・ジョイトイって言ってたじゃないですかw
      ベンのような人ですか〜
      ひま師匠、昨日はインリン・オブ・ジョイトイって言ってたじゃないですかw
      2023/06/10
    • ひまわりめろんさん
      インリンみたいな人になりたいとは言ってないわ!
      どっちか言うたら好みでもないわ!
      インリンみたいな人になりたいとは言ってないわ!
      どっちか言うたら好みでもないわ!
      2023/06/10
    • 1Q84O1さん
      ありゃ、私の勘違いw
      てっきり、インリン・オブ・ヒマワリかと思ってました!
      ありゃ、私の勘違いw
      てっきり、インリン・オブ・ヒマワリかと思ってました!
      2023/06/10
  • ピルグリム最終巻。

    スピード感がぐっと増し、まさに手に汗握る展開。
    無理か?無理なのか⁈とハラハラさせておいて
    ギリギリのところでつながりホッとしたり、
    痛い痛い、もうやめてー!と叫んだりと、
    忙しい最終巻。
    映像にしたらさぞかし映えるだろうなぁ。

    緊迫した中でも愛嬌を感じるバトルボイや
    ダウン症のサラセンの息子に癒された。
    彼らや彼らを取り巻く人々に幸あれと願う。

    サラセンとの対決の場面で、
    自分の名を「ピルグリム…」と伝えるシーンは胸熱。
    第1巻の最初の事件もきれいに回収され、
    余韻の残るフィナーレにも満足。

    そして訳者あとがきで、この物語、
    まだ続くのだと知り、さらに楽しみが広がった。

  • いやー面白かった。スピード感、直接対決の迫力、怒涛の伏線回収、登場人物の背景とエピソード、どれもお見事。
    愛は強さであり弱点でもある。

  • 後半の、サラセンが綿密に計画を進める部分、ピルグリムが徐々にサラセンの影を追うところが印象に残った。三部作の第一部が、このピルグリムだという。続編が楽しみ。

  • 最終巻。訳者あとがきにも記載されているように「『ドラゴン・タトゥーの女』の次はこれだ」。本当に大傑作『ミレニアム』に匹敵する面白さの作品だった。読み終わるのが、これほど残念に思った作品は少ない。しかし、訳者あとがきによると『ピルグリム』は全三部作の構想で、やっと第一部が完結したとのこと。まだまだ楽しみが続きそうだ。さらには、この第一部は映画化も決定しているようだ。

    僅かな手掛かりから少しずつ『サラセン』に近付く『ピルグリム』…ついに二人の放浪者が対峙し、驚愕の結末を迎える。身を挺してアメリカを守るたもに奮闘する『ピルグリム』…終盤は泣けてきた。

  • なんて壮大なスケールなんだろう!読み終わった今〈ピルグリム〉に心から感謝している。もう少し余韻に浸っていたい。優れた本て、こういうこと。読後の余韻が心を満たし、元気にさせる。息つく間もない展開に、心臓は早鐘のようにドキドキしっぱなしだったけど、読者としての旅は終わった。お疲れ様〈ピルグリム〉。あなたが背負わされたもの、あなたが奪われた〝当たり前の生活〟。あなたが犠牲にしてきたものの数々が、まぎれもなく世界を救っているのだということ。そして現実の世界にいる〈ピルグリム〉達に敬意を表して。私達は見えない所でこういう人に救われていたんだ。ありがとう!ピルグリム。

  • ケチをつけたい点が少なくとも二つはある。そこはかなり気に入らない。ああ、しかし。面白いんだよねえ、これが。スパイものはさほど好きではないので、なかなか手が出なかったのだけど、いやあ、2巻目からはもう一気読み。久しぶりに夜更かししてしまった。

    これは良くも悪くも「ハリウッド映画」なのだと思う。実際に映画化も決まっているそうだし、作者は「マッドマックス2」の脚本家だとのこと。小難しいことは忘れて、スピード感あふれるアクションやサスペンスに身をゆだねたい気分の時には最高だろう。

    しかしまあ、我ながらへそ曲がりだとは思うが、あまりにもわかりやすいのでは? テロリスト<サラセン>についてもしっかり書き込んであって、比較的独善的な臭いが薄くはあるけれど、「アメリカ=普遍的な善」という基本的な構図を無前提で受け入れる気にはならない。ここが気にならないならこの上なく楽しめるだろうが。

    これもまた、近年の米小説では避けて通れない9.11テロが一つの要素になっているけれど、私はアメリカ人が9.11を語るのを聴くと(ごく一部を除いて)違和感を感じずにはいられない。確かにあれは未曾有の被害ではあったが、世界中のあちこちで無数の「9.11」をばらまいてきたのもアメリカだ。序盤で9.11のエピソードが思い入れたっぷりに語られていて、ここは鼻白む。「神を信仰する無数の市民が自分たちを殺すと言ったら、ただ彼らの声に耳を傾けることだ」なんて、いい言葉もあるんだけど。

    それから、どうしても気になってならないのが、次の展開を先取りするフレーズが頻発すること。「後で思えば○○に気がつくべきだった」というような言い方がしょっちゅうされて(もう本当に連発)、大方の場合ページをめくるとその意味がわかるようになっている。先へ先へ興味を繋ぐ書き方だが、これって読者を手玉にとってる感じがして好きになれない。品がないと思う。

    この二つの他にも、ん?と思うところはいくつかある。アメリカ史上最高の諜報員という設定の主人公が、なんだかあまりにも「いい人」だったり、<サラセン>の陥落がどうにもあっけなかったり。冒頭の殺人事件が本筋とからんでいないこととか、主人公の母の死について語られないのは、続篇への伏線か?そうじゃないならヘンだよね。

    わあ、あんなに面白く読んだのに、感想を書いてみたら文句ばっかり。これってほんと、私がハリウッド映画を観た時と同じだわ。スミマセン。

  • 近年読んだスパイ小説では最高かもしれない。特にこの3巻目の迫力は凄かった。このスピード感とリアリティを出すために、前2巻をあえて抑えた表現にとどめたのではないかと思えるほどだ。往年のスパイ小説好きには文句なしにお勧めだと思う。

  • <サラセン>の正体をつかんだと思ったのも束の間、彼は死んだことになっており、彼を追う手がかりは途絶えてしまいます。
    絶望に打ちひしがれる中で、<ピルグリム>が閃いた逆転の発想。そして訪れる対峙の時。彼は<サラセン>の悪魔的な計画を阻止できるのか。
    本当にハラハラしっぱなしでした。
    いくらアメリカ政府の最先端のテクノロジーと諜報網があっても、たった一人の前科のない孤高のテロリストを突き止めるのは、奇跡を通り越して荒唐無稽にすらなりかねません。
    しかし、そうは感じさせずに物語にぐんぐんと引き込まれる面白さでした。
    作者の構想では、この物語は三部作構想の一作目とのこと。
    続きが楽しみです。

  • たった今訳者のあとがきまで読み終わり 思いがけぬ発表にびっくりした気持ちもあるが 物語を読み終えた時はまさに"にっこり"という笑顔になれた
    作中の悲壮感に反して読後感は爽快で 心が最高の大冒険を終えた後のようだ
    とにかく多くの人に読んで欲しいし口を開けてテレビなんか見てる暇があるならこっちを読め!と言いたいくらいだ
    物語上に何一つとして無駄がなく なんでこんな時にこんな話するんや!と思ったらそのエピソードが核心を突いていたりして読んでいてまったく気が抜けなかった
    私の思う冷徹で感情の起伏はないに等しいという諜報員像とは全然違う、感受性豊かで愛の存在を確信する主人公の切迫した心境が一般人である私にもありありと伝わり手のひらは湿った
    たくさんの登場人物にはそれぞれの終着点がありもやもやするところは一切ない
    読み始め 次に読みたい本があるから早よ読み終わらな と思っていたのに2冊目に差し掛かるともうこんなに読んでしまった…!と焦るくらいに面白かった
    本当に、手放しで、面白かった
    というか色々ツッコミいれようと思ってたやろうけどいざ読み終われば面白いのでどうでもよくなった

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