奇妙な論理 1 (ハヤカワ文庫 NF 272)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150502720

感想・レビュー・書評

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  •  上下2巻、一気に読んだと言いたいところだけど、実は読むのに少し時間がかかった。書かれた時代が少し前で、現代の感覚と合わないところもあったのだと思うけれど、それ以上に作者の語り口がもうひとつ肌に合わなかった。

     以前「ト学会」の本を楽しんでいた。まさに「奇妙な論理」を振り回すおかしな本たちを「トンデモ本」と呼び、それらの書評をする本を何冊か出していて、僕も「とんでもないな」と思いながら、笑いながら読んでいた。この「奇妙な論理」という本は、そういう読書の中から知った本で、読むのを楽しみにしていたものである。が、実際読んでみたらもうひとつ肌に合わなかった。

     理由はたぶん簡単なことで、「ト学会」の人たちは楽しんでいたけれど、作者ガードナーは怒っているのである。数学者のガードナーにとって、論理に合わないことを振りかざしている輩は許すまじ存在なのかもしれない。あるいは、そういう不可思議な論理を振り回すことで詐欺同然に大もうけをしたり他人を迷わすことが許せないのかもしれない。その怒りには共感できる。

     が、同時代の新聞記事を読んでいるわけではない僕にとって、その怒りは共感こそすれ、好んで読みたいものではなかった。正直、現代の日本には、こういう形ではないにしても、もっともらしい論理を振りかざし他社の利益を損ない自己の利益を求めるものがいくらもいるからだ。

     実際のところ、作者は、僕のような読者を対象に本を書いているのではないはずだ。この本が書かれた時代・場所の中では、大いに怒り論破する理由があったのは、本を読めばわかる。同時代で読んでいれば、溜飲が下がる思いがしたかもしれない。

     いい本だと思うけど、ちょっと期待が高くて少しずれていた僕の勝手な事情で、思ったほど楽しめなかったのである。

  • 東大教授おすすめ
    超自然現象、超能力がいかにして人々の中に浸透していき、ブームが際限なく繰り返されるかを分析

  • トンデモ本の古典。

  • 奇妙な論理を列挙している。どんな論理があるかを知ることが目的なら良いが、すべてに詳しい反証がついているわけではないのでいまひとつ。

  • 地球は丸くない、人間は神が創造した、云々。

    科学そのものが、常識なだけで一般人には確かめようがない事もたくさんある。くだらない「証拠」にしがみついて世に逆らっている人々は滑稽に見えるかもしれないけど一見納得してしまうし今の科学的常識も千年後はどうなっているか分からないと思う。

  • 平らな大地、中空な地球、進化論や相対論の否定など、トンデモ科学が多く紹介されている。紹介されるトンデモ理論は、内容的には至ってバカバカしいものが多いが、こうした理論を考えつくある種の「想像力」には感心してしまう。

    似非科学者が、根拠がない理論(あるいは、すでに完全に否定された理論)に基づく「単なる偏執的狂者」であれば、それ自体取るに足らないかもしれない。しかし、トンデモ理論を主張する人間の雄弁性、社会に対する不満の助長などによって、一定の支持層を得る可能性がある。そして、トンデモ理論を信じる一種のカルト集団へと転換していく危険性がある。

  • 原著者のまえがき
    第1~3,7,11,13,16,18,21,25章
    訳者あとがき
    解説 「人生を決めた古典的名著」 (山本弘)

    『奇妙な論理 だまされやすさの研究』 1980.9 社会思想社刊 文庫化
    『In the Name of Science』 1952 G. P. Putnam's Sons 原著

    カバーイラスト 七戸優
    カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
    印刷 亨有堂印刷所
    製本 川島製本所

  • 1-1-2 科学技術社会論

  • 60年代に書かれた結構古い本。
    目次見るだけでワクワクするようないわゆるオルタナティブサイエンス、トンデモ、インチキ科学を紹介、批判した内容。

    原文もきっとユーモアのきいた文章だっただろうと思わせる翻訳。
    ちょっと古すぎる情報なので興味が今ひとつ。

    しかしこういうのって次から次にいろいろ出て来てなくならないものなのだ。

  • う〜ん、入り込めなかった。

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著者プロフィール

1914年アメリカ・オクラホマ生まれ。批評家、数学者、サイエンス・ライター。ルイス・キャロルその人と作品に関する世界有数の専門家。これまで100冊以上の著書を持ち、『サイエンティフィック・アメリカン』誌上では1956~1981年まで25年に渡って人気コラム「数学ゲーム」を連載した。『ゲーテル、エッシャ、バッハ』のダグラス・ホフスタッターからも「20世紀アメリカの生んだ偉大な知性」と評されている。邦訳書に『マーチン・ガードナーの数学ゲーム』(全3巻、日経サイエンス)、『ルイス・キャロル――遊びの宇宙』(白揚社)、『奇妙な論理』(全2巻、ハヤカワ文庫)など多数。

「2019年 『詳注アリス 完全決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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