禅とオートバイ修理技術 上: 価値の探求 (ハヤカワ文庫 NF 332)
- 早川書房 (2008年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150503321
作品紹介・あらすじ
かつて大学講師であった著者は失われた記憶を求め、心を閉ざす息子とともに大陸横断の旅へと繰り出す。道中自らのために行なう思考の「講義」もまた、バイクの修理に端を発して、禅の教えからギリシャ哲学まであらゆる思想体系に挑みつつ、以前彼が探求していた"クオリティ"の核心へと近づいていく。だが辿り着いた記憶の深淵で彼を待っていたのはあまりにも残酷な真実だった…。知性の鋭さゆえに胸をえぐられる魂の物語。
感想・レビュー・書評
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菊次郎の夏に、「オートバイ」と「真理の探究」の要素を追加した内容だと思います。
単なる親子のツーリング話ではなく、テクノロジー論、現代文明論、親子論、バイク分析論と、
著者の思索は、留まることを知りません。
著者は精神を病んだ経験の持ち主です。
また、その息子は、神経症を患っています。
小学生ぐらいでしょうが、彼は成人後、強盗に襲われ、不幸にも射殺されます。
一体、この著作は何なんだと思います。
哲学書というには、あまり纏まりがあるとは思えませんし、
息子との思い出日記にしては、哲学的考察が冴えわたっています。
恐らく、一読しただけでは、何を言っているのか、さっぱりわかりませんが、
読むタイミングと環境がマッチすれば、
「暖かい本」で何度も読み直したくなる本になると思います。
つまり、価値とは、一体何なのかということです詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難しい。でもバイクと旅と、筆者の過去が並行して書き進められる様子はおもしろい。
考えていることの次元が違う…
とりあえず下巻に進むぞ。 -
バイクに乗ったことが無くても、車の運転中や通勤電車の中でも、流れる景色と振動を感じながら、一人で思索に耽る経験はあるだろう。
本書は、技術ライターの男が11歳の息子とバイクの二人旅をしながら、ひたすら思索に耽る物語だ。
男は過去に別の仕事をしていて、神経症になり入院した過去を持ち、息子は感情が昂りやすい性質。最初は友人夫婦と一緒の旅であるが、色々気を遣わせ、それでもこの男は、周りの人々を他人事のように観察し、思索に耽る。
一体この旅の目的は何か?男の過去に何があったのか?ゴールに何か待っているのか?
という上巻。
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バイク好きなのでジャケ買い笑
まさにロードムービー!
洋書って説明が多いから読みにくいのかなぁ。
演繹と帰納、オートバイの要素分解のところは面白かった。下もすぐ読むぞー -
くだらんとこと素晴らしいとこが同じくらいある不思議な本、上巻読了
・何事に関しても常に科学的であり、幽霊も科学の法則も信じないことだ
・形はすべて、人間の精神によってもたらされるものなのだ
・自然が提供してくれるのは、(科学の知識ではなく)実験データだけである。
・月世界探検なんて()コロンブスのやったことに枝葉をつけただけだ -
wired・カウンターカルチャー・5位
mmsn01-
【要約】
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【ノート】
(wired)
失われた記憶を探して息子と旅に出た大学教授による哲学的エッセイ/旅日記。バイク修理に禅の思想などを重ね、新たな形而上学を追い求める知への旅。
◆ユーザーからのコメント
5回くらい買いなおしてます!/この本は捨てられない/バイク屋で占星術からの形而上学を少々で曹洞宗な私にド真ん中! 書評は的外れ多し、実読するべし!!/元祖自分探しの旅
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シャトーカ(哲学講義)の箇所を抜きにしても、表現が抽象的過ぎたり、逆に冗長過ぎたりしていて、話にまとまりがなく…終始読むのが苦痛に感じた。。
部分的に面白い内容もあったので、★2つ。 -
バイクの旅と哲学的な思考が交互に語られる不思議な本です。
最初は本の進む先がよくわからず、読み進むのが苦痛でしたが、著者が心を病んだこと、その治療のために電気ショック療法を受けたことが原因で過去の記憶を失ってしまったこと、などが明らかになったあたりから面白くなりました。 -
作中に幾度となくでてくる、キーワードであるシャトーカとは?を考えながら読むのが楽しい。