これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150503765

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしい

  • 自分の正義(信念)は一体なんなのか。人それぞれの想う正義があり、それを信じて生きている。
    全て正義である。自分の正義は自分で決める。とても考えさせられる本でした。ぜひぜひ読んで欲しい本です。

  • 一貫した主義を持つこと、全員の正義感が一致することの不可能を痛感する本。
    本作では数々の例を挙げ、多角的な視点から各々の意見が述べられる。それらに目を通すうちに己の主義は何なのかと迷走を始めた。
    誰しもが納得のいく政治、経営の難しさが身に染みる一冊となった。

    一点疑問だったのは、アリストテレスの奴隷擁護論で、当時の政府への忖度があったのではないかと疑うほどの脆弱性を感じた。
    ソクラテスの最期を知ってかどうかはわからないが。

  • なかなか読むのに苦労した。
    歴史を重ねることでより、議論が難しいテーマなのではないかと思った。
    善い生について考えることは大切だろう。

  • 超絶読むのに時間が掛かったし、パワーも相当割いた。
    池上彰的な奴かと思ったら哲学書で驚いた。
    初の哲学書ということだけあって、読み慣れない物を読むのは疲れる。
    ミルとかカント、アリストテレスとか偉人が出てきたのは頭がよくなった気がしてモチベ保てそうでよいね。
    カントの主張はスーパー厳しいものだが、自分の所有者は自分ではない、という考えは素晴らしいかもしれない。この考えがないからこそ、甘えや倦怠感、誘惑というものに屈してしまうのだろう。
    ただ、厳格過ぎて引くか笑うしかない。
    最後の締めに、公共のサービスを拡充して、富裕層も楽しめないと、富裕層と貧困層の格差は広がり続けてしまうという考えで、自由主義と功利主義ではなく、善を追求する方法を作者が選んだのは面白いかも。
    経済、政治のとこは結構ヘビーで、リベラルという言葉がいつ出てきたのか分からなかったけども、多分自分もコレに属してる。
    カントとアリストテレスの本はいつか読みたい。んで、またこの本を読みたい。

    正義とは各々の立場によって感覚的なものだと判断していたが、その感覚の根元を追求しないことには、真の正義は見つからないだろう、というありふれたものだが、この旅は有意義なものであったと信じたい。

  • リバタリアニズム・功利主義・美徳重視という 3 方向からのアプローチに、追証・反証それぞれ具体的で身近な事例があり解かりやすい。正義も善き生も難しいということがよくわかった。

  • 買っておいて気が引けてずっと積読だった。
    ようやく手を伸ばして読んだが、(体調不良とか睡眠不足を加味してもなお)時間がかかってしまった。

    翻訳文独特の読み難さもさることながら、さらに読み進めるのを苦しめたのは二つの側面–すなわち、構成と背景にある文化であった。

    構成という面で言えば、「正義」についてより深く語るべく、これまで語られた様々な哲学から「正義」を考察するわけだが、考察のための提示が長く込み入っていて、その提示が著者マイケル・サンデルの主張にとってどう位置するのかが判然としない。結局最後まで、サンデル教授が支持する「正義」と提示されたこれまでの「正義」がどう関連するのか、完全には理解できないまま終わってしまった。

    そして、背景にある文化的側面の差異–アメリカと日本における–が、根本的に立ちはだかったという感覚は否めない。
    すなわち、キリスト教信仰を基にした道徳観念が良くも悪くも多数派にして根強いアメリカと、宗教的混沌を是として身近な関係の中から良くも悪くも道徳観念を築いている日本の違いである。

    故に、サンデル教授の語る「正義」に真っ直ぐ首肯できない感覚が拭えなかった。

    そもそも、本著語られている「正義」と、私個人が求めたい「正義」が、その方向性が違うのだろう。

    もしかしたら、(英語力は棚に上げるとして)講義として聞いたら全く違う感想になるかもしれない。

    だが、とりあえず本著を読了した今、「正義」についてきちんと自分の考えをもちたいと思わされたという点において、意義はあったのだろう。

  • 第3章と第7章をかいつまんで読んだ。

    リバタリアンと彼らに対する応答、アファーマティブアクションという聴き慣れない言葉による問題の議論。

    どちらも、一筋縄にならない議論で、サンデル先生が客観的立場で示唆に富む回答をしてくれる。

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40157648

  • 哲学という観点ならいいと思います。
    現実には矛盾はたくさんあり、必ずしも正しいことが行なわれてるとは限りません。
    そうしないと成り立たない時もある。
    まあ、そういうことを考える本かなと思いました。

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著者プロフィール

1953年、アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス生まれ。アメリカ合衆国の哲学者、政治学者、倫理学者。ハーバード大学教授。

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