- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150700034
感想・レビュー・書評
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久々の再読。全然覚えていなかった。
病死した大富豪リチャードの葬儀のあと、「だってリチャードは殺されたんでしょう?」と言い放ったコーラが翌日死体となって発見される。ポアロが調査に乗り出すものの一族は怪しい人物ばかり。そして次の事件が…
序盤は一族の人々を把握するのにちょっと苦労したが(クリスティにありがち)、それを過ぎれば面白かった。しかし犯人の計画はなかなかにリスキーだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりのアガサ・クリスティー。
楽しめました。 -
クリスティの凄い所は傑作、良作が多い事だ。好きな作品を5つあげよと言われればある程度気分により候補が分かれるのだが、簡単にいえば90点以上の作品が物凄く多く、傑作をあげよと言われたら数十作程挙げられるのでは無いだろうか。
今作「葬儀を終えて」も紛れもなく傑作であり、導入部、少し風変わりなコーラという女性が兄の葬儀の場にて兄は殺されたのでしょ。と口走る。葬儀に参加していた人々はその言動を馬鹿にするが、心の中では疑惑を抱えている。そんな中、コーラが何者かに惨殺される。家族と昔から付き合いのある弁護士エントウイッスルは旧友であるエルキュール・ポアロに真相解明を依頼する。
イギリスの昔風の田舎の屋敷で起こるミステリーは現代の僕たちからしたら新鮮であり、優秀な執事、料理人やお手伝いさんを抱え、華やかなイメージだが、クリスティの時代背景にはそれらの栄光から消え掛かった、現代風の生活に変わってゆく過渡期が背景になる事が多い。今回の執事の嘆きにある様に、決して過去の栄光に戻る事はなく、そんな舞台が美しく抒情的に思てしまう。
今回はポアロ単独さくであり、ヘイスティングスもオリヴァも登場しないが、動機やトリックは秀逸であり魅力的な作品だ。少なからずクリスティ作品では、最も犯人と思えない人が犯人であり、最も犯人であるべき人がきちんと犯人になる。そのため、読了後作品に対して納得出来るし、幸せになるべき人物を幸せに描くためとても気持ちが良い。
僕は過去、この作品を初めて読んだ時(昔の文庫にはバーコードがついていない為、ブクログ登録が出来ないのが残念)動機とトリックにとても関心してしまった。現代であれば、科学的な見地から難しい部分が沢山あるのは事実だが、この時代であればアバネシー家を漂う数々の謎がミスリードになっており十分に読者を惑わせてくれる。
構成として、既に人が亡くなってからの、葬式から始まるという事がタイトルと相まって暗い印象を創っている。登場人物其々が叔父の死を喜んでおり、遺産によって救われる人達ばかりだ。
この時代背景も現代に通じる部分がおおく、読み進める負担がない理由だろう。
しかし面白い作品だ。探偵の登場が後半になる作品がいくつかあるがポアロの活躍を十分に見る事ができた。彼も既に歳を取っているが、灰色の脳細胞は健在であり、今回の事件のきっかけ(本筋の殺人の偽装)を見破った事は驚愕だ。
外国人としての偏見を理解し利用する様もかれの能力だと思う。 -
フラップジャックスをさがして再読し始めたクリスティー。
鳩の中の猫を読んでもフラップジャックスは出てこない。家にあるクリスティーをさらに読んで3作目。
これにはスコーンが出てきた。 -
意外な人が犯人で面白かった。
たった一言が墓穴を掘るのね。
ポワロ -
確かに意外な犯人ではある。
が、実際私が年老いて、何十年も前に世話した人を違和感もなく接する事が出来るだろうか。現場にいたら推理以前に看破したと思う。
小説ならでは。
現実ではこうも上手くいかない。 -
1953年発表
原題:After the Funeral -
ポアロ
叙述