- Amazon.co.jp ・本 (505ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150701529
作品紹介・あらすじ
ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。不可解な謎にエラリイが立ち向かう。
感想・レビュー・書評
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『十日間〜』の次作として予備知識無しに読んだら舞台がニューヨークで内容も全く違うので戸惑った。ミステリとしては『十日間〜』の方が面白かったが、パニックものとしてはデマから起こる狂騒や都市の雰囲気が現在とオーバーラップするのが興味深い。
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ライツヴィルシリーズの「十日間~」の次にエラリーが取り組んだ事件。いやあどこをとってもお見事。
ライツヴィルでの苦い挫折の経験を経て、探偵の真似事を辞めると宣言したエラリー。彼を再び事件の現場へと引き戻したのは、ニューヨークでの無差別連続殺人事件だった。
郊外の都市で起こったライツヴィルの事件とは異なり、大都会NYでの事件の描写、特に市民が自警団を編成してパニックから暴動へと至る流れが、ここ2年のコロナでのパニックを見ていると頷ける所が多くて面白い。そしてさらに、探偵の背負う「業」について、精神科医と語り合うところ、シビれました…。 -
うだるように暑い夏。「日中の外出は避けたほうがいい」という天気予報を盾に、コーヒーとエラリー・クイーンを片手にゴロゴロする週末。
登場人物表に被害者がずらりと並ぶ異色の展開。なかなか手がかりがなく、クイーン父子の苦境が続く前半。世論が形成され、暴発する様は現代にも通ずる肌ざわりでザワザワする。サイコサスペンスの様相をおびる後半。ただでは終わらない結末。
好みでいうと国名シリーズの頃の明るい感じのほうが好きだけれど、さすが、エラリー・クイーン。引きこもりのお供として安定感ある。 -
面白かった!!
表現が詩的なところもあり、皮肉たっぷりのところもあり、読み物としても楽しい。悩めるエラリィを応援したくなる。
犯人は途中でそうかなぁと思ったけれど、分かっても最後まで一気読みさせる。 -
エラリークイーンの国名シリーズを読み終えたので、他の作品もと読んでみた。連続殺人。混乱する市民。犯人を特定するにあたった推理。ミステリーファンにはたまらない作品だった。
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ニューヨークを舞台に連続絞殺事件が起こる。手がかりもなく、目撃者も容疑者もまったくいない。“猫”と呼ばれる犯人が残したものは死体とその首に巻きつけたタッサーシルクの紐だけだった。前の事件で自信を無くしたエラリーは、関わり合いになりたくないと思うが、周囲の勧めもあって調査に乗り出す。
エラリーの落ち込み具合がひどく、事件解明も遅々として進まずもどかしい。
次に誰が殺されるのか、被害者の共通点がわからずパニックを引き起こすような連続殺人事件。そして殺害動機。昔の作品なのに、古さを全然感じない。 -
エラリークイーン創作の秘密を読むために、本の中で言及される本書を読んだ。特別クイーンが好きってわけではないので作品自体の評価はうーんってかんじ。変にもったいぶらずに、もう少し周りと意見のすり合わせをすれば防げた事件もあったのではと思ってしまう。作家が自問自答しながら書いている印象を受けたので、創作の秘密を知るともっと評価が変わるのだろうか。