日光浴者の日記 (ハヤカワ・ミステリ文庫 3-10)

  • 早川書房
3.20
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150702106

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  • 謎解き、探偵活動のスピード感、メイスン自身が窮地に陥るスリル、法廷でのハミルトン・バーガーとの対決、とメイスンシリーズの楽しさが詰まっている。

  • 裸の女性から助けを求める電話がかかってくるというインパクトのある設定ですが、これ、銀行強盗の手口が上手いです。
    それに犯人が意外でしたね。

  • 着ているものも含めてすべてを盗まれた全裸の若い女性が、太陽照りつけるゴルフ場から弁護士メイスンに助けを求めて電話をかけてくるところから、物語は始まる。とんでもない設定だけど、なかなか引きつけられる。その後、話は銀行からの現金紛失の話になり、殺人事件が起きてその若い女性が容疑者となる。ある意味、いつも通りの展開である。

    今回驚くのは、メイスン自身が容疑者というか、状況から見て、メイスンか彼女か、どちらかが犯人としか思えないってことだ。とんでもない立場にはまりこんでしまったメイスンなのだけど、わりあい落ち着いているあたりがにくい。このシリーズでは、3どちらかというと弁護してもらっている容疑者自身が嘘をついたり隠し事をしたりで、メイスンの足を引っ張ることが多いのだけれど、今回の容疑者はその点では「よい容疑者」である。まじめだし一生懸命だし、可憐だ。これなら、メイスンも心の奥から頑張りたくもなるだろうな、と思うのだけど、メイスンという人はあんまりそういうふうには考えないようで、そのあたりがまた憎らしい。

    さりげなく進んで行ってしまうけど、実は銀行の話というのは、エドワード・ホックばりの不可能犯罪の話なんじゃないかと密かに思う。まして種明かしが、ある意味チェスタートンの「見えない人」のバラエティだと言えなくもない。そういう点では、なかなかの本格ミステリだとも思う。当時としては、なかなか先端を行く科学技術をうまく物語に取り入れているあたりも、ポイントが高い。

    それほど有名な作品ではないけれど、メイスンものの魅力という意味ではなかなかわかりやすい作品なんじゃないかと思う。

  • 巨額窃盗事件犯を父に持つ女性からの電話で、事件に関わっていくペリー・メイスン。
    冒頭の「服を全て盗まれた女性からの電話」と言う一風変わったシチュエーションにまず引き込まれる。
    窃盗犯として収監されている父親の無実を信じる娘、その支援者、金の行方を掴もうと娘に張り付く警察。様々な謎が見事に絡み合っていく。
    作者にうまくミスリードされ、真実がメイスンの手で明らかにされると驚嘆してしまった。
    それほど犯人は以外だった。しかも作者はきちんと「怪しい」と言うことを提示しているのに、だ。
    さすがに訳文の古さは気になるけれど、それもまたペリー・メイスンらしく感じた。

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