スイート・ホーム殺人事件〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 2-9)

  • 早川書房
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150715595

感想・レビュー・書評

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  • お隣のサンフォード家の奥さんが射殺された! その銃声を聞いたカーステアズ家の子供たちは、ミステリー作家のお母さんを有名にするため、事件解決に乗り出すが・・・。

    ど、どうしよう、面白くなかった・・・。
    いろんな人がこの「スイート・ホーム」に言及するのを読んで、さぞ面白い本なのだろうと期待していたのに・・・。しくしく。
    カーステアズ家の子供たちや、事件に関わる刑事など、個性的な面々の交わす会話がユーモラスで面白い、はず、なのだが、私はどうも入り込めず、いちいち気にかかってしょうがなかった。
    そのユーモラス、なはず、(←しつこい)の会話も、地の文章も、うまくかみ合っていないかのような印象にしか受け取れなかったのである。テンポに乗り切れなかったというか。ときどき何が書いてあるのかわからなくなることもあったくらいで、これは翻訳が悪いのだろうか・・・なんて思ったりもしたほどだ。

    ときどき翻訳本を読んでいるとこういうことがあって、私は非常に不安になってしまう。その作者や作品について、事前に何も情報を持っていなければ「なんだ、はずれか」みたいに思うこともできるけれど、この作品のようにいろんな人の感想を読んだあとに読んだり、作者が有名な作家だったりすると、自分の読み方が拙いせいだろうか・・・と心配してしまうのである。
    実際のところ、どうなんだろうなぁ。単純に相性の問題なのかなぁ。

  • アメリカの作家「クレイグ・ライス」の長篇ミステリ作品『スイート・ホーム殺人事件〔新訳版〕(原題:Home Sweet Homicide)』を読みました。

    『セントラル・パーク事件〔新訳版〕』に続き、「クレイグ・ライス」作品です。

    -----story-------------
    「カーステアズ家」の子どもたち、14歳の「ダイナ」、12歳の「エイプリル」、10歳の「アーチー」は、勇んで探偵に乗り出した。
    お隣りの「サンフォード家」の奥さんが射殺されたのだ。
    でもおかしい。
    銃声は二発聞こえたのに、被害者が撃たれたのは一発だけ。
    そして「サンフォードさん」の旦那さんも姿を消して……ミステリ作家のお母さんを有名にするために、子どもたちの大活躍が始まった!  
    ほのぼのユーモアたっぷりの本格ミステリ、新訳で登場
    -----------------------

    1944年(昭和19年)に刊行されたノンシリーズ物… 『東西ミステリーベスト100』では、海外篇の89位にランクインしている作品です。


    女手一つで3人の子どもを育てる忙しい流行推理小説作家の「マリアン・カーステアズ」… そんなある日、子供達はお隣りの奥さん「フローラ・サンフォード」の射殺事件に遭遇する、、、

    「カーステアズ家」の子供たちの頭に浮かんだのは、ママのことであった… もしも女流作家であるママが事件の謎を解いて犯人を見つけたら本も売れるに違いない!

    ところが肝心のママは新作の執筆にかかりっきり… こうして、3人姉弟「ダイナ」、「エイプリル」、「アーチー」の、おてんば娘、わんぱく小僧の活躍が始まる、、、

    被害に遭った「サンフォード家」周辺に出没する曰くありげな人物たち… 銃声は2発だったのに被害者に撃ち込まれた銃弾は1発だけだったのはなぜか? なぜ被害者の夫「ウォーリー」は失踪したのか? いったい犯人は誰?

    3人は、事件の核心へと近づきながら、その一方では独身で孤独な「ビル・スミス警部補」とママをくっつけようとさえ画策する… 謎解きをほのぼのとしたユーモアとペーソスでくるみ、本格推理とユーモアとが渾然となって仕上がった作品でした。


    素性の怪しい人物たちが、名前を変えて生活していることが徐々に判明するのですが… 複数の人物が偽名を使っており、さらに同じ人物が偽名を複数使っている場合もあり、この人物が、実はこの人物でというのが混乱して、やや人物相関がわかりにくかったですね、、、

    子供たちの行動、捜査は思い付きレベルのことが多く精緻さなどなく、むしろ警察よりも先に事件を解決しようと捜査を撹乱するばかりで、お粗末な状況なのですが… 母親のためと必死になる子供たちは健気で憎めないし、好人物の刑事と母親をくっつけようと画策して、それに翻弄される大人たちの純情ぶりも愉しめる展開でしたね。

    でも、子供たちが主人公だったせいか、あまり感情移入できず、ミステリとしては期待していたほどの内容ではなかったですね… まっ、タイトルにもあるようにスイート・ホームな物語、ホームドラマだと思えば、こんなものかなー と思います。



    以下、主な登場人物です。

    「マリアン・カーステアズ」
     ミステリ作家

    「ダイナ」
     カーステアズ家の長女。14歳

    「エイプリル」
     カーステアズ家の次女。12歳

    「アーチー」
     カーステアズ家の長男。10歳

    「ウォーリー・サンフォード」
     カーステアズ家の隣人

    「フローラ」
     ウォーリーの妻

    「ポリー・ウォーカー」
     女優

    「ミセス・カールトン・チェリントン三世」
     近所に住む夫人

    「ヘンリー・ホルブルック」
     フローラ・サンフォードの弁護士

    「ピエール・デグランジュ」
     画家

    「フランキー・ライリー」
     三流ギャング

    「ルバート・ヴァン・デューゼン」
     謎の人物

    「ベティ・リモー」
     誘拐され、殺害された女優

    「ビル・スミス」
     警部補

    「オヘア」
      部長刑事

  • 面白くおしゃれなミステリー小説だった。ヒッチコックの映画を見ているような気分になる。

  • クレイグ・ライス自身と子供たちがモデルとされているホームコメディ的ミステリー。
    謎を解きたい子供たち vs 邪魔されたくない刑事。ママと警部をくっつけようとする子供たち vs 子供のたくらみはすぐ見破るママ。
    アメリカの家の庭って広いのねえ、隠れ放題。デザートのカロリー高そう。などなどスイートホームを想像しながら、楽しく読める。

  • 初めてのマローンシリーズ以外のライス作品。ユーモアに富んだハッピーな作風は相変わらずで楽しく読めたけれど、作品として面白かったかと言うとそうではなかったかな。主人公の子供たちのことを最後まであまり好きになれなかったのが正直なところ。
    終盤、ジェイクの名前が出て来るファンサービスには思わずニヤリとした。

  • 4

    なんて素敵。

  • リラックスして読めるミステリー。事件それ自体よりもキャラクターが魅力的であり、シリーズ物でないと知ったときには本当に残念な気持ちだった!彼らの話をもっと見たかった…

  • ストーリーはご都合主義なところに目を瞑れば まあまあ面白い。
    個々のキャラクターも立っている。
    ただ、三人姉弟の子ども達が 隣家で起こった殺人事件の独自捜査を始め、警察に事件発生時刻の嘘をついたり、架空の人物をでっちあげてありもしないことを証言したり、容疑者を匿ったり、重要な手掛かりを盗み出して隠したり・・・
    いくらなんでもちょっと行き過ぎです。
    しかもその理由が『警察ではなく自分達の母親(ミステリー作家のシングルマザー)が事件を解決すれば、有名になって小説が売れるから』という私利私欲のためだから質が悪い。
    頑張って捜査している警察を攪乱している様子がどうにも解せなくて、ストーリーを楽しめませんでした。

  • 訳が悪いのか本当にこんな風にかかれているのか不明ですが子供の台詞が古い。
    え?そんな事言う?って何度も思いました。
    3人とも生意気だし、登場人物の設定もよく分からない。
    あとお母さんは結婚して仕事辞めるのが幸せ的な考えも受け入れられず終了。
    とりあえず最後までは読みました。

  • ミステリー作家マリアンのお隣で殺人事件が起こった。マリアンの長女、次女、長男は事件の2発の銃声を聞いた。車が2台走り去った。それから若い女性が隣家にためらいがちに入って行き被害者の酸フォード婦人を見つけて顔面蒼白になり、警察に電話した。//子供たちは、ミステリー作家の母親の名声を高めようと、殺人犯を自分たちで探し出そうとする。早熟で素直な子供たち同士の話し合い、子供たちと大人たち(警察や被疑者や母親)とのやりとりはユーモア溢れる。子供の心理を知って、言葉をうまく使っている。家族愛の強くてやさし過ぎる子供たちは少し現実離れしているが、楽しく読める。

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著者プロフィール

Craig Rice

「2006年 『ママ、死体を発見す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

クレイグ・ライスの作品

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