- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150773021
感想・レビュー・書評
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好きなセリフがある。
「かきまわしてやるだけでうまくいくこともある。生きのびられるだけタフで、結果が浮かび上がってきたときしっかりみきわめられるように両目をぱっちりあけてさえいればね」
ハードボイルドの真骨頂であり、チャンドラー、村上春樹にまでつながるエッセンスだと感じた。ハードボイルドにおいては、身体と頭をフルに使い、泥をかぶりながら飛び回ることが重要らしい。
動機や犯行状況が人間臭くて好きだった。誰と誰が対立し、手を組み、誰が嘘を言っているのかを整理するのにちょっと時間がかかったけど、最後に全ての伏線、一言一句までが無駄なくきれーに解決するエンタメミステリーよりわたしは好み!とはいえ読み終えるとカタルシスはあるのでご安心を。私の読後感を一言で言うと…あれだけワルが跋扈してたのに、終わってみるとその熱量がちょっと懐かしい。
雄弁さと、はったりのうまさと、腕っぷしがものをいういちかばちかの駆け引きで、主人公は危険な男たちの間を行ったり来たり、互いの利害を弄びながらサバイブ。膿のたまりきった鉱山街をトゲのないバラの温床に変えるまでの不毛な奮闘。手の込んだトリックやありそうもないダイイングメッセージとは無縁の、肉体派ミステリー! -
登場人物、死にすぎ
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モンタナ州のとある鉱山町。街の浄化を地元の実力者から頼まれたサンフランシスコの探偵。裏社会のメンバー間の抗争を煽って共倒れを画策していく。一体何人死ぬの?と思うほどの暴力と遺体の山。人が死に過ぎて全体像が把握しにくい。元祖ハードボイルドと謳われた心情描写を排した行動の世界は非情そのもの。
本作は黒澤明の「用心棒」のモデルとなった。有名な話。
読後に思ったのが、やっぱりチャンドラーのマーロウやマクドナルドのアーチャーに親しんだ身としては、何か物足りなさを感じてしまう。プロットは面白いんだけれど。 -
私がハードボイルド慣れしてないせいもあると思うけど、全然古さを感じず面白かった。男のロマンみたいなものも含めて撫で切りにする容赦の無さが好き。無法が過ぎてしっちゃかめっちゃかなわりに、ミステリ面はちゃんと論理的に解決されるところも良かった。
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そうなのか。こう言うのがハードボイルドの原点なのか。
描写に乾いた文体、あたかも事実がありましたと、
何事もなかったように感じさせる言うか・・・
でもわっち阿呆やでよく解らんちんで拗ねん -
コンチネンタル探偵社の調査員の「私」は利権の欲にまみれた町の実力者から雇われたが、その雇い主ももちろん汚れた人間。
警察署長から、町の汚れた実力者まで巻き込んで共倒れさせようと画策するハードボイルド。なんだか黒澤映画「用心棒」を彷彿とさせます。
周りはみんな信用ならない敵。このアウェー感あふれる環境で仕事をやりぬく姿は、ブラックすれすれで働くサラリーマンの心の支えとなるであろう!
いや、凄い。やっぱりタフでなくては戦えないな。 -
なんというか、どう読めばいいのかわからなかった。ハメットはどうも合わないようだ。
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町から悪人を追い出すが、依頼人のことを気にしないところがいい。