よその子―見放された子どもたちの物語 (トリイ・ヘイデン文庫)

  • 早川書房
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (575ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151102035

感想・レビュー・書評

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  • 自分がそこにいるように、辛い場面では自分も辛くなるようなリアルさがある。だから皆の成長が自分のことのように嬉しい。表面の行動ではなく、その奥の気持ちに答えているようにすると、人は変わるのかも。とても難しいけれど。

  • 感想
    生徒と教育者の協力。上からの教育は行われない。苦労を共有し乗り越える方法を考える。誰かと生活したことが無い子に。優しさをおすそ分け。

  • やっと読み終わった。「シーラ」「タイガー」の連作に比べると多少トピックが点々としていて、特に著者トリイ自身の精神的に不安定な側面がわりと赤裸々に語られてるのが印象的だった。

    客体としての子供を語るだけじゃなく、語り手である自分のことをも語る、というその姿勢がいいのか悪いのか。そして、自身がこんなに不安定でありながら、問題を抱えた子供たちと深く関わり続けるということ自体に、依存的な側面は本当にないんだろうか、とか多少の疑いも抱きながら読んでいった。

    でも、最終的に納得感はあって終わったな。もやもやした読後感を残すということはなかった。
    自身が不安定である。確固たる方法論はない。ただ常に飽かず模索している。私生活もしばしば迷走して、一喜一憂している。そんなトリイ・ヘイデンだからこそ、たぶん子供たちも心を開くことができるんだろうと思う。

    翻訳者によるあとがきも印象的だった。ピジネスパートナーとしてだけじゃなく、信じ合える友人同士としてつながり合えることの尊さ。ただひたすらにうらやましかった。

  • 障害児と教師の交流。子供が4人とも気の毒だ。深刻な虐待を受けてるわけではないのだけど。愛情だけでは解決できない問題だよな。トマソは何とか幸せになったようで、それだけは良かった。ロリも本当に良い子だから、どこかの時点で回復してほしい。クローディアは親と離れるべきだけど無理だよな…。ブーは、あれはもうしょうがないよな。いつかあーゆーのも治療できるようになるといいんだけど

  • よこちゃん

  • 初めから終わりまですごくひきこまれた。登場人物一人一人の ” その後 ” が気になる。傑作。

  •  よその子。だ。確かに。
     この本にはシーラは出てこない。努力したから報われるなんてこともない。けれども、そこには力強く生きている人がいる。

  • (推薦者コメント)
    『シーラという子』『タイガーと呼ばれた子』『檻のなかの子』などが所蔵されているのに、これは入っていなかったため推薦。教育現場の辛くとも優しいノンフィクション。教育学部の人には是非読んで欲しい、絶対に何か得るものがあると思う。

  • トリイ・ヘイデン集3作目

    やっぱりトリイの人間性がいい。悲しいことも多いけど、愛があるところだと少しずつでも人間は成長するんだなと改めてて思った。

  • 出てくる4人の子どもたちに、幸せになってほしいと思いました。

    ちいさな子どもなのに、私たちに想像もつかないほどの重荷と大きく深い傷を持っていたり、

    なのに、素直さを失っていない子どもたち。

    著者が、本の中で何度も彼らは「美しい」と言っている意味が少しだけ分かる気がしました。

    子どもの強さ、繊細さ、神秘的な部分を感じました。

    そして、

    大人が与えた子どもへの傷は、治ることも改善することも、ほぼ不可能なのではないかと、あきらめていた私には、

    著者の、その時、そのときを過ごしていく、っていう

    考え方や、彼女の行動力と忍耐強さに勇気を貰えました。

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