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- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151201059
作品紹介・あらすじ
白人の庇護のもと育った娘と、黒人に囲まれて育った青年。カリブ海の島で出会った黒人男女の激しい恋のゆくえ──。名作を文庫化
感想・レビュー・書評
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女性ノーベル賞作家の四作目。
白人の庇護を受けて育った娘と、黒人だけに囲まれて育った青年。男女の心の葛藤が良く表現されている恋物語…などという単純なものではなかったです。
文化的に異なる環境で育ったが故に、娘は相手を辛辣な言葉で非難したり蔑んだりしてしまいます。相手にも育ってきた環境や世界観があるなかで、白人世界で育ってきた価値観を振りかざし、ただ自分に迎合させようとするのは、いかがなものかと考えてしまう。そういった相手を尊重しない文化的な軋轢を男女関係を使ってよく表していると思います。しかも、それを白人と黒人ではなく、黒人同士で描き切っているのですから。
ただ、この小説は読書初心者や海外文学に不慣れな人は、読まない方がいいでしょう。いきなり人名が出てきて「この人誰?」となったり、延々と名前のわからない誰のことを言っているのだろうと思っていると、100ページ近くも読み進めてから、やっとその人の人名が書かれていたりします。集中して読書に没頭する時間が確保できないと、頭が浦島さんになってしまうかもしれません。エンディングもはっきりしないので、その辺りが気になる人には向かないかもしれないですね。
自分は、ハッとするような言葉もあり、読んで良かったと思っていますが、540ページもある本なので、注意点として書き記して置きます。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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