- Amazon.co.jp ・本 (650ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151785016
感想・レビュー・書評
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弁護士でSF作家のエヴァンは甥のルークと一緒に生活をしていた。ルークの父ブライアンは空軍で戦闘機を操縦しており、もうじき帰還予定だった。そんな中、ブライアンの元妻タビサが自身が信仰するカルトの仲間とルークを奪いに来る。すんでの所で間に合ったブライアンとエヴァンはルークを守ることが出来たが、次第にカルトとの争いに巻き込まれていくことになる。そして、ブライアンの自宅でカルトの主催者ピーターが殺害される事件が起こる。
ブライアンの無実を晴らすために捜査を始めたエヴァンであったが、次第にカルトの動きの背後にただならぬ計画があるのではないかと疑いを抱くようになる。
中盤まだ淡々と話が進む感じで、後半から急にアクションシーンが中心となり話が急展開する。
ただ、医学的考察を含め、伏線がすべて寸足らずで、なるほど、そう来たかと思わせるないようではない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公の元義理の姉が新興宗教の狂信者集団に入信し、子供を奪おうとするのだが、主人公たちが集団と戦って子供を守る話。主人公の女性が無謀すぎると思った。アメリカ探偵作家クラブ賞受賞だそうだが、最後の結末があっけない感じだった。
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デビュー作。
にしては、厚みのある描写でスリリング。
ヒロインのエヴァン・ディレイニーは、SF作家として売り出し中。
元は弁護士で、今も少しは仕事をしている。
舞台はカリフォルニア州サンタバーバラ。
一人暮らしだったが、兄の妻が出て行き、8ヶ月前に兄が太平洋勤務に出てからは、幼い甥ルークの面倒を見ている。
弁護士仲間だったジェシー・ブラックバーンが恋人。ハンサムで長身で、今も水泳で鍛え上げられた身体。交通事故で2年のリハビリを経て、松葉杖で立つことは出来るが脚の感覚がほとんど無い。車椅子をあやつり移動して仕事もしている。
兄ブライアンは海軍中佐で戦闘機パイロット、二人の父親も軍人。
エヴァンもボーイッシュで、兄を誇りに思っているが、銃は嫌い。
ブライアンは肉体的にあまりに優位なため、車椅子のジェシーを見てうろたえ、ヘマな発言をして、元々皮肉屋のジェシーにやり返されて険悪になる一幕も。
家を出た妻タビサが街に戻ってきて、しかもカルト的な集団レムナント<生き残りし者>に所属していた。
親友の母の葬儀に押しかけて、エイズ死を汚れていると非難するプラカードを掲げる彼らとケンカになるエヴァン。
周辺で見え隠れする不気味な動き。
何か起こそうとしているらしい彼らの意図は?
なぜかルークに執着している様子が見える…
脅しはどこまで本当なのか?
6歳のルークを守ろうと奔走するエヴァン。
チャイナ・レイク基地に勤務する兄の家で集団の指導者が殺されているのが発見され、兄は容疑者に…
ジェシーの家に移り住むが、そこにも魔の手が!
体当たりの果敢なヒロイン。
SF作家だというので、狂気の集団が起こそうとしているテロの意図を警察に説明しても、想像が過ぎるのではと本気にされなかったりするという。
銃なしでその場にある物で応戦。
これほどの危機を乗り切れるのなら、何にだって勝てそう。
読み応えがありました。
作者は1957年生まれ、サンタバーバラ育ち。ロースクールを出ている。
イギリス人と結婚して、夫と子供3人とイギリスに住む。
2002年にイギリスで本書を発表。
アメリカではイギリス人が書いた物と思われて発行されなかったが、スティーブン・キングに見いだされて刊行。
2009年のMWA最優秀ペーパーバック賞受賞。 -
めちゃくちゃ面白い。狂犬病と軍人と弁護士とフェレットと終末論と細菌テロと殺人とカルト教団と山火事とイラストと車椅子の美貌の彼氏と離婚と太っ腹なママ達とミサイルと音楽とエスエフと作家…なんかすごい。デビュー作がこれってすごい。
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親友の母の葬儀に狂信者集団“レムナント”のデモ隊が押しかけてきたのが最初だった。弁護士にしてSF作家のエヴァンは彼らと対決する。だが敵の本当の狙いはエヴァンの六歳の甥ルークだった。兄ブライアンの離婚した妻が“レムナント”に入信していたのだ。執拗な嫌がらせ、ルークに対する誘拐の試み。その背後には、陰謀が…カルト教団と対決するヒロインの活躍を描き、アメリカ探偵作家クラブ賞に輝いたサスペンス というのが梗概。 アクションに次ぐアクション。弁護士にしてSF作家というの設定がそれほど生かされているとは思えませんが、甥を、兄を、そして恋人を守ろうとするヒロインの孤軍奮闘ぶりは読ませます。2作目が違う文庫から出ました。次も読みたいと思います。
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6歳の甥をカルト教団の魔の手から守るべく戦うエヴァンの話。
主人公のエヴァンが弁護士であり、かつSF作家であると言う設定がイマイチ生かしきれていないような印象。
車椅子生活のシニカルな弁護士である恋人、一本気な空軍パイロットの兄、頼りになる友人、特種に命をかける記者…とキャラクタが典型的な造詣だっただけに、主人公にもう少し個性があってもよかったんじゃないかな。
話も面白くない訳ではないのに先が読めてしまい意外性に乏しかった。
それでも650ページにあれやこれやが詰まっていて、読み応えはあった。
ただいくつか出てくる聖書をベースとしたやり取りをあまり身近に感じられなくて、この辺は宗教観の違いとは言え作品の根っこに触れることが出来てないんじゃないかと思う。
この辺がわかると話に対するアプローチも違ってきて、また面白さも変わってくるんじゃないかな。
カルト教団の中心人物が何故そうなってしまったのかが今のままでは伝わってきにくいので、その辺がわかっていたら違うんじゃないかと思ったのだけど。 -
女性作家、
カルト教団レムナントに現実味がある。 -
宗教、軍、裁判などをテーマに盛り込み、アクションとサスペンスを融合した米国らしい作品。
スピード感が感じられ、楽しんで読むことができたが、一方であまり印象に残るものは少ないように思う。映画で例えると、ハリウッド映画のようなもの。