熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ル 6-2)

  • 早川書房
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感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・本 (570ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151821523

感想・レビュー・書評

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  • 分かってても,『黄金を抱いて跳べ』みたいに終わって欲しいよ,と思いながら読み進めた。全体的に漂う,寒い張り詰めた感じがすごく心地よかった。訳の巧さなのかな。
    しかし,ヨン・ブロンクスがフィクションなら,恋愛ネタは要らんかったと思うけどな。映画にするときはあった方がいいんだろうけど。

  • 犯罪小説の決まり事をさらりとかわしている感じ。
    意外と父親に感情移入してしまう。

    緊迫感のあるストーリー、読みやすい文章。でも、やっぱり犯罪小説は嫌いだー。

  • 本文中、家族は固く結束するものだからこそ、そこで起こる暴力はより鮮烈で残酷である。とあり、それを言うのが父親の死が元で家族から目を背けているヨン警部だというのが、暴力に抗うことで強まったドゥヴニヤック兄弟の絆を際立たせるようで印象深い。そして父と違う家族像を形作ろうとするレオが結局は兄弟と袂を分かってしまうのが哀しく。そこで暴力にのみ込まれ死という破滅へ向かうレオを引き戻したのが父親というのがなんとも。次作で事件のその後が描かれるようなので待ち遠しい。ヨン警部側のエピソードを掘り下げて描いて欲しい。

  • 重ねられる犯行の手口が大胆になっていくなか、仲間内の意見の食い違いから事態は思わぬ方向へ進んでいく。迫力ある犯罪描写がサスペンスを高め、見えない血の絆に自縄自縛となっていく犯罪者の姿が哀しい。

  • CL 2017.1.8-2017.1.13

  • 映画を見ているようなストーリーでした。

  • 下巻に入ったら,相変わらずものすごいのだけど精神的にしんどくなり,ペースが落ちてしまいました。。

    3兄弟とヤスペル,アンネリーによる銀行強盗は一度も致命的なミスを犯すことなく続けられるが,長男レオは知らず強盗にのめりこみ,歯止めが利かなくなっていく。その間にも3兄弟とヤスペル,アンネリーの間に生じた軋轢は次第に大きくなり,取り返しのつかない亀裂を生んでしまう。
    そして,銀行強盗でも武器の処分でも,思うような利益をあげられなかったレオは,長年遠ざけてきた父イヴァンを仲間に引き込んで大きな「仕事」をしようと計画する。
    しかしそれは,3兄弟と父の間にあった過去の「事件」を双方に思いださせる結果となり・・・。

    自分はイヴァンとは違う,暴力をうまく制御して,誰も傷つけずに強盗を成功させている,と思っているレオと,実際に多くの人が暴力による被害を受けて苦しんでいる様子との対比が印象的。
    そして「家族は団結する」という呪いのような縛りの中にいるドヴニヤック一家とその絆に翻弄されるヤスペル,アンネリー。
    「家族は信頼し合わねばならない」という呪いはやがて破滅に向かう推進力になっているのに,同時に,最後の最後にレオの命を救うところも象徴的です。

    「だが実際には,弟たちは生きていて,いまだに兄を愛しているのだーレオが弟たちを愛しているのと同じように」(p.375)

    レオとフェリックスとヴィンセント,イヴァンとマリー=ブリット,イヴァンと3兄弟,それぞれが愛憎半ばする思いを抱えてどこに行きつくのか?
    読んでて苦しかったです・・・。

    そしてあとがきと解説を読むともう1つの衝撃が待っているという。
    確かに,史実に基づいていると冒頭に書いてあるのですが,そういう意味とは思いませんでした!

    最初から最後まで大変にすばらしかったのですが,ブロンクス警部の過去がやや中途半端なのは残念。もしかして続編があるかも,とのことなので期待です。

    どうやらハリウッドで映画化の話があるようなのですが,この凍てつくスウェーデンの大地,空気感が映像化されるのかと思うと楽しみでもあり心配でもあり。。
    上巻の感想にも書いたけど,強盗の場面はまるで自分がそこにいるかのような緊迫感だし,クライマックスはもちろんだけど,その前にフェリックスとヴィンセントが何もできずに逃走するレオたちのニュースを追い続けるシーンは圧巻。
    本当に映画化するなら,見てみたいです。

  • 広がりはそんなにないけど、奥深さは凄い。

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著者プロフィール

アンデシュ・ルースルンド 1961年生まれ。作家・ジャーナリスト。ヘルストレムとの共著『制裁』で最優秀北欧犯罪小説賞を受賞。

「2013年 『三秒間の死角 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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