あなたを見てます大好きです (ハヤカワ・ミステリ文庫 シ 14-1)

  • 早川書房
3.08
  • (0)
  • (6)
  • (2)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151838514

作品紹介・あらすじ

近所の幸せな女優一家に憧れる不幸な女性。その生活を覗き見て妄想にふける彼女はやがて破滅的な事態へ……心理スリラーミステリ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • とにかくまずタイトルがいい。

    見ただけで「うおう」と声を上げ、その不穏さに読むと決めた。すぐさま読んだ。
    読みながら"うおう"と、声なき声を何度あげたかしれない。

    英語のタイトルは 『Looker』。
    これまた素晴らしいタイトルだ。
    あとがきによると、これは「見るもの」であると同時に「見映えのする者」の意味があるという。(244頁)
    言葉の選択が、なんともいい。

    作者ローラ・シムズはこれが小説デビュー作ではあるが、詩集は4冊出しているという。
    ワシントン大学で詩創作の芸術学修士号を取得し、栃木の中学で教員の経験もあり、現在は教授として、ニューヨーク大学で文学と創作を教えているという。

    なるほど、納得できるというものだ。

    エミリー・ディキンソン、シルヴィア・プラス、ウォルト・ホイットマン、与謝蕪村・・・・・・
    具体的に名を挙げ、彼らの詩について語られるところがいくつも出てくる。
    私は詩についてはとんと疎く、読んでもピンともツンともこないのだが、そんな私にもこの部分は面白かった。
    感性の側から、技術の側から、詩というものはこのように読み説くのかと、いい勉強になったのだ。

    見れば1段落ごとが詩のようで、物語そのものが一つの詩のようである。

    いっぽう、頭のいい女性の率直な日記ブログのようでもあるので、私はこれを女性におすすめしたい。

  • 店頭で見掛けて気になっていた1冊。
    『余り幸福ではない人生を送る主人公が破滅するまでの物語』と、言ってしまえばそれまでなのだが、主人公の言動や、徐々に正常な判断力を失っていく様子には迫力があった。終盤、破滅に向かう姿は哀れを誘う。
    所謂『イヤミス』に近いものではあるが、悲哀に満ちているのは珍しい。

  • 初読 ★2.5

    タイトル&ジャケ買い、
    楽しみにしてたのだけど。
    うーーーーーーーーん
    「女優」的な存在に憧れて、それが時に過剰になる、というのは
    今の時代、特によくある事、だと思うし
    自分自身にも覚えがある故読みたいテーマなのだけど、
    単純に可哀想じゃない?この「わたし」。
    こういう風に女がおかしくなっていく物語を
    読みたいと思ってるわけじゃないんだよなぁ…

    原題「LOOKER」が「見る者」と共に「見栄えがする者」
    という意味がある、というのは興味深かった。

  • いわゆる信頼できない語り手もの。ストーリーがどうとかじゃなくてストーカーの心理ってこんなんなんかなと思う。
    謝辞にある与謝蕪村の俳句の見事な翻訳とやらが気になる。

全5件中 1 - 5件を表示

ローラ・シムズの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×