夢の播種: 幻想小説集

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152033000

感想・レビュー・書評

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  • 短編9編。
    私が知るはずのない戦前戦後の日本の風景風俗が、日影の巧みな筆で取り上げられるとやたらに懐かしく思えます。
    ただそれだけならメランコリックなだけですがそこにある看過できない怪奇が美しい日本語で描かれるため、どうにも堪えられない面白さです。
    特に「ひこばえ」は三津田信三の怖い家シリーズに大人の落ち着きをまぶした以上の名作。何度読んでも面白いです。
    ゴム人間というSFチックな短編もありましたが日影は日常を舞台にしてこそ良いので私的にイマイチ。
    戦後台湾を出した2編では、やるせなさ漂うゾンビ物「魂魄記」が出色。

  • かなり重複するのもあったものの、表題作が読みたかったのだから仕方がない。そして期待に外れず、夢が夢を介して夢物語、のような何とも言えず深い味わい。鳩のような胸の奥にぐっとくるものはないが、面白いことは確約。

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著者プロフィール

日影 丈吉(ひかげ・じょうきち):1908年、東京都生まれ。小説家、翻訳家、料理研究家。アテネ・フランセ卒業。フランス語教師および料理研究・指導者等を経験したのち、49年『かむなぎうた』で作家デビュー。56年『狐の鶏』で日本探偵作家クラブ賞、90年『泥汽車』で泉鏡花文学賞を受賞。91年没。

「2024年 『ミステリー食事学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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