- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152078988
感想・レビュー・書評
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1ページ26字×21行の2段の357ページの長編である。老齢の身には「うわ、字が細かい。しかも、上下2段かよ」と言うしかないが、読み始めると細かい字はものとはせずページを次々に繰ってしまうほど読ませる。ただし、「法人経営の宗教家たちは今ではリゾート地にある贅沢な霊園から精進料理の高級料亭まで経営する実業家たちだった。墓場を墓地や墓所と言い換え、ついには霊園と称しても、人間の死を天秤の片っぽにのせた古めかしい商売であることにかわりはなかった。」という世の中を斜めに見たような言い草や「おまえには、あんな男の自由を奪うことだけのことで拳銃なんか見せびらかすような出来の悪い子分しかいないのか、と言っといてくれ。狙撃されて以来、臆病風に吹かれているんだろうが、今度こそ敵の拳銃か味方の拳銃か分からない弾丸で命を落とすだろう、と言っといてくれ」という投げ台詞のような調子が続く文体を、こりゃ面白いねえ、と思えるかどうかにかかっている。プロット自体はよく練られていると思うが、こういう事件は現実にありうるかなあとも思う。まあ、こちらが世間知らずなだけかな。ところで、ヤクザの橋爪の用心棒の相良が良い味を出しているんだよなあ。
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原先生ヲタなので、過大評価し過ぎかも、でふが。
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私立探偵 沢崎が、依頼者の義理の姉の11年前の自殺の真相を解いていく、ハードボイルド・ミステリー。
スピーディーでスリリングな展開、クールでくたびれた雰囲気の漂う沢崎のキャラの鋭い推理の数々に一期に引き込まれていく。面白かった。
他の沢崎探偵モノも読まなきゃ! -
3月25日読了。図書館。
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さらば長き眠り
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著者のシリーズ作品は、珍しく回を重ねる度に良くなっていくようです。素晴らしい作品でした。全く違和感のないプロット、的確な会話、流れ、読み応え十分です。目撃者3人の目撃談を崩していく箇所など興奮します。といってラストが甘くないのも良い。まさに人生の機微と偶然性を余すところなく描いています。浮浪者の建築家のそれからも気になりました。
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オールスターキャストの映画かドラマ向け原作のようだ。
ミスリードに導くキーパーソンと思えるようなのがわらわらと出てくるw -
2018.5.15
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探偵ものってのは不思議と同じ匂いがするね。俺にしても竹花にしても。後ろを向いた途端どこからか風が吹く、みたいな。共通点は優秀さだけどw
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前2冊より断然面白かった
推理小説としては楽しめないがテンポ良く読めたから合格点かな
沢崎探偵のパートナー渡辺氏の結末あり。
「でも、彼女たちにそういう苦痛や歎きを与えたのは誰です?」
「彼女たちの夫だろう。少なくとも、きみじゃない。悪いが、きみには彼女たちに対してそんな影響力はないよ」