グッドラック戦闘妖精・雪風

著者 :
  • 早川書房
4.00
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本棚登録 : 141
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152082237

作品紹介・あらすじ

南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。地球防衛機構を設立した人類は、超空間通路の彼方に存在するフェアリイ星に、実戦組織「FAF」を派遣。その特殊戦第五飛行戦隊に所属する深井零中尉もまた、戦術戦闘電子偵察機「雪風」とともに、ジャムとの熾烈な戦闘の日々をおくっていた。やがてFAFは、膠着した戦況を打開するため、新型無人戦闘機の導入を決定するが、その矢先、作戦行動中に被弾した雪風は、まるでジャムとの戦いに人間は必要ないと判断したかのように、パイロットの零を機外へと射出、自己のデータを無人機へと転送した。-それから三カ月。昏睡状態の零を残して出撃した無人機・雪風は、みずからの意志により味方前線基地への攻撃を開始する。ジャムはそこにいる、という謎めいたメッセージとともに…。はたして、雪風の真意とは?未知の存在に対峙する人間と機械の関係を極限まで追究し、星雲賞に輝いた前作『戦闘妖精・雪風』から十五年、神林長平が満を持して放つSFファン待望のシリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 戦闘妖精 雪風シリーズ第二弾。まずこの世界観が20年以上前に描かれたことに衝撃を受ける。コンピューター、今風に言えばAIとなるのかもだけが、ジャムなる未知な存在と戦闘知性体との関わりから、人間の存在とは何かが突きつけられる。ゆえに内容的には会話がほぼ哲学談義のようになっていて、恐ろしく回りくどく感じる場面があるが、そういう時は適当に気になった字面だけつまみ読んで雰囲気を感じるだけでも楽しめると思う。

  • <長>
    なんとごく普通のハードカバー単行本だと思いつつページを開いて唖然とした。めちゃ小さな字でしかも二段組み。こりゃ最後まで読み通せるかどうかが まづもって僕(63歳)の課題いやモンダイだなぁ。
    面白い云々はその先での結果となる。全く稀にだけれど僕の様な年寄りもこの 雪風 を読む事があるんだ,ということを出版社はちょびっとでいいから考えてみて欲しい。ああ,しかしめっちゃ字が小さい。物理的に読めないかもしれない。憂鬱になって来た。せっかく入手したけど潔く捨てようか(北道便では 投げようか)。

    ところがところがである。これが思いがけづ(っこは「つ」にテンテンか「す」にテンテンかで迷うところ。そういう場合テンテン付けずに読んでそれらしい方を僕は選ぶ。それがたいていは間違っているw)面白いのだ。どちらかというと字の小さなことなど忘れて読みふけってしまう。例によってどこがどう面白いかはネタバレになるので書かないが、まいったねこりゃ。

    しかし残念ながら明確なエビデンスはないが、本書が文庫化されない理由は明確だなとも僕は思った。どうしてSFという書物はこうなってしまうのだろう。隠れSFファンの僕としては誠に残念であるが本書を読む限りで云うとそれらの原因は、読者を一番と考えなど居ない今現在のSF作家達にあると思う。この一言に尽きる。「だめだこりゃ!」By いかりや長介w。

  • ベストSF90年代年9位

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    【要約】


    【ノート】

  • 相変わらず面白い。前作で良かった戦闘機のマニューバ描写は少なめになって、FAF内のコンピュータと人間と人間の関係描写がメインというかんじ。エディス・フォスがこんなに重要人物になるとは。

  • 面白かった。長い本でもすんなり読めるものだなあ。

  • 「戦闘妖精・雪風(改)」と「グッドラック―戦闘妖精・雪風」をまとめて読みました。

    おもしろかった!
    好き嫌い分かれそうな内容だと思いますが、私は楽しく読めました。
    哲学色がとても強いハードSFです。
    言葉を受け止めつつ、考えながら読める。無駄のない展開にハッとします。

    私は先にOVAを見た派です。
    OVAの、わけがわからないスピード展開、それでいて超絶に美しい映像のインパクト。原作読まなきゃ!と。(笑)
    うわさどおりOVAとは違うラストでした。でも共通のラストイメージを持てる展開でした。
    考えればこの話そのものがアレなんだな!(言葉は濁しておく。)
    ははぁんなるほど、それでOVAはアレで終わったんだな、と納得したのでした。

    雪風シリーズはこの2作のほかに「アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風」が既刊です。

  • ランクを4にしたのは文庫が出てるから。
    自分的には単行本大好きなのですが
    やっぱり読みやすさとしては文庫が勝るからね。

  • この表紙を四条通りからジュンクの玄関の面出しで見たときの心のトキメキったらねぇ。思えば前作(84年!)にめぐりあってから、「有機物と無機物の交感」好きというサガ(笑)を植えつけられた気がしてならない。感情はつねに無差別なんである。
    神林長平の作品に繰り返しでてくるテーマに機械モノと言葉モノがあって、つまりどちらもコミュニケーションの話だ。
    機械も言葉もヒトから生まれたのに、それ自体の生理で動き出し、ヒトから離れ、かつヒトの手を離れない。
    二十年の月日を経ての大恋愛大成就(ええ、零と雪風の)が歴代私的ナンバー1『太陽の涙』を抜くかも、なのはでもこっちも二十年経ってるからかしらん。

  • 2007.08.14
    アニメでいいたかったことがようやくわかった。

  • 意識があるということの必要条件のひとつに、他者にとって予想外の振舞いをすること、というのがあるのかなあとか思った。この定義だと、ある程度複雑なシステムにならないと意識は生まれない。単純だと容易に予測可能だから。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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