- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152084101
感想・レビュー・書評
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ゲーム、熊、アメフラシ、火星、異星人、戦争、田宮麻美、上方語……無軌道なモチーフが入れ替わり立ち替わりして、統一設定のあるようなないようなの記憶をつなぎ合わせていく連作短編。
この物語には何人もの「おれ」が出てくると考えた方がよい。その一とその十のおれ、その二とその五とその七とその八のおれ、その九のおれ、その四のおれ、その六とその十のぼく……この区分が正しいのかもわからない。そしてこれらが多分同じおれを構成している。記憶が混線しているのだが、そのもつれが紐解かれることはない。一番現実らしい戦争の話が現れるその九でこういうことかと思いきや、その十ではまたまた違う話になる。そこら辺はひょっとしたらもっと読み込めば解けるのかもしれないけれど、多大な労力が必要そうだ。
もっと頑張って読めばもっと楽しいのだろうが、この抒情的な無軌道さを楽しむのも十分に心地よいと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
父をデパートの屋上で待つおれ、電気で動く熊に乗って倉庫で作業するおれ、異星で戦うおれ、田宮さんに恋していたおれ。
おれの思い出には何かが多くて何かが足りない。
もう一度読んで確認しなきゃ。
何となく答えをつかみかけたけど、ふわふわってしてるんで。
そういう感じで、各話が少しづつかすったり重なったりしたお話でした。 -
ほんとにひさしぶりの北野勇作。読んでるうちに何か思い出しちゃいそうなせつない感があいかわらずいいなあ。
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構造の分からない物語は苦手だ。SFはその手のものが多いのが難点だと思う。