- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152084118
作品紹介・あらすじ
西暦2006年、突如として水星の地表から噴き上げられた鉱物資源は、やがて、太陽をとりまく直径8000万キロのリングを形成しはじめた。日照量の激減により破滅の危機に瀕する人類。いったい何者が、何の目的でリングを創造したのか?-異星文明への憧れと人類救済という使命の狭間で葛藤する科学者・白石亜紀は、宇宙艦ファランクスによる破壊ミッションへと旅立つが…。星雲賞・SFマガジン読者賞受賞の傑作短篇、待望の長篇化。
感想・レビュー・書評
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テンポよく話が進むファーストコンタクトものSF。
人間とは異なる社会性を高度に発展させた異星人の設定が好み。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・水星の異変に最初に気づいた一人である白石亜紀はその生涯のほとんどをそのことを発端とした一連のできごとに費やすこととなった。
・水星の異変は宇宙を渡る知的生命体がとある目的のためになしたと予測されたが彼らはなぜか地球からの働きかけを完全に無視しているようだった。
・アリやミツバチとか植物とかが進化して群れ全体が一個の生物、あるいは脳となった知的生命体と果たしてコミュニケーションとれるのかとかはずっと考えてた。「マクロス・フロンティア」のバジュラとか「ガンダム00」のELSとか。そんな感じの話かなあ。 -
#日本SF読者クラブ 「SFが読みたい! 2003年版」国内篇ベスト1。短編版(2000)と長編版(2003)の双方で星雲賞を受賞。地球から日射を奪う謎のリング。誰が何の目的で構築したのか。その謎に主人公白石亜紀が人生をかけて挑む。
SFマガジン掲載中から注目して読んでいた。その掲載作を加筆し長編化した作品だが、4Hの先を尖らせた鉛筆で書いたような味わいがある。泣かせる場面もあり、野尻氏の作品では一番好きかも。 -
ベストSF2002年1位
【要約】
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【ノート】
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ハードなSFで痺れました。生命体の描写は好みが分かれるところかもしれません。それに至るまでのリアルな、もしくはリアルっぽい宇宙科学の描写からの流れですんなり受け入れられるかどうか。
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水星の異変に気づく冒頭から、どんどん話に引き込まれていく。ラストに至るまで全く飽きさせない。
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これぞ日本SFなんだなあ、と思います。「かめ探偵K」読んだあとだったからより衝撃を受けたww実に面白い。
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何年か前、突然SFを読みたくなった。それも、堀晃のようなハードSFが。そこで買ってきたのがこの本だった。
SFという分野はとても幅が広い。完全に異世界を描いた作品もあれば、いわゆる「すこし不思議」なSFもある。
この『太陽の簒奪者』をとても面白く読んだのは、おそらくとても現実感あふれる高校の天文部の活動を描写した冒頭に始まり、それが水星上の不可思議な建造物の謎を経て地球外生命体とのコンタクトにまでつながっていくという、なんだか自分の足元から遠い宇宙空間まであたかも地続きであるような感覚を抱いたからではないかな。