- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152090171
作品紹介・あらすじ
1930年代初頭、アメリカの銀行取り付け騒ぎ。1980年代末、日本の不動産バブル崩壊。1990年代後半、アジア通貨危機、そして日本が陥った「流動性の罠」-。すべての「総和」である、目下の世界大不況を突破する術とは?世界が注目するノーベル賞経済学者が、今回の危機を予言した1999年の快著『世界大不況への警告』に、2000年以降の最新情勢について大幅に加筆。克明な検証を加えて放つ、待望の改訂増補版。
感想・レビュー・書評
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昔読んだ『世界大不況への警告』の改訂増補版。
経済の難しい話を、分かりやすいコラムにしてくれるクルーグマンは好き。
経済の動きを大胆に予測するのも。リベラルで民主党よりなのも良い。
猛烈な反ブッシュだったクルーグマンは特に大好きだった。
でも、日本の金融政策、経済政策に口出ししてくるクルーグマンは信用できない。何の権利があって、日本の経済を操ろうとする?
日本にはクルーグマンの信者がいっぱいいるから、彼が何か言うたび、大きく影響を受けてしまう。
内政干渉すんなよ!やめてほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は、アメリカのノーベル賞学者により、2008年のリーマン危機の直後に書かれた経済書であるが、実にわかりやすく説得力がある。
これが「リフレ派」というものなのか。この内容を2008年のリーマン危機の直後にすかさず上梓できるとはすごいというべきか、それともこの主張がだんだんと世の中に波及して、日本において現在の自民党・安倍晋三の「日銀の金融緩和催促」という経済政策につながっているものなのか、どちらなのだろうかと思った。
1990年代の日本が、「爛熟期」から一転して「失われた20年」となったことは周知の事実だが、それがどのようにして起きたのかを本書は「日本がはまった罠」でわかりやすく明らかにしている。
その解決策の「ベビーシッター協同組合のクーポンをより多く発行すること」とは、日銀がもっとお札を刷ることなのだろうが、この体系的な主張を読むと、「自民党・安倍晋三」の主張の背景がよくわかる。
しかし、この政策で本当に日本は「失われた20年」から脱却できるのだろうか。
現在行われている衆議院選挙で「自民党・安倍晋三」は政権を取りそうだから、本書の見解と主張が正しいものかどうかは、現実に検証出来るのかもしれない。
しかし、アメリカの一流の経済学者とはすごいものだ。日本においてもこのような切れ味が鋭く、誰にもわかりやすく説得力があるエコノミストは出てこないのだろうか。
本書は、4年前の発行にもかかわらず、現在の日本の置かれた経済状況をよく理解できるすぐれた経済書として高く評価したい。 -
面白いのでクルーグマンを連続一気読みです。
この本は格差は作られたの直後に、
以前出された本を改定する形で出版されました。
しかし内容的にはかなり加えられ、
リーマン・ショック問題を、
過去の歴史を紐解きながら説明もされており、
非常に勉強になる1冊となりました。
ためになります!! -
これまでの経済の浮き沈みや今の終わらない不況の中で、
経済学なんて事実の後からの解釈で役に立たないと思っていたが、
この人の本を読むと経済学もちゃんと使えば役に立つのかなと思う。
平易な言葉で書いているが、全体のつながりがきちんと分かる。
本質をとらえているからこそ、シンプルに説明できるのだろう。 -
邦題は「世界大不況からの脱出 なぜ恐慌型経済は広がったのか」。クルーグマンは1999年の時点でこの前の世界大不況を予言していた、ていう本。確かに、おても説得力があった。そうか、これを1999年の時点で、見通していたか、と。でも、僕が思うに、経済ってのは定期的にいつかは壊れる、そういうコワレモノっていう部分が常にあると思う。だから、ここから立ち直っても、また何年かしたらどこかで経済はおかしくなって、で、世界はまたおかしくなって、てことにきっとなるんだろうな、て思う。たぶんね。だって、結局、経済に一番影響を与えるのは、人間の心理の揺れの部分なのだから。(11/6/15)
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2012/03/30:
日本をダメだダメだと言っていたが、
世界が日本と同じになってしまった。
大恐慌は米国ではもう発生しないと、
米国の学者・経済人は考えたが、
やはり恐慌は発生してしまった。
優秀なIMFが、アジアの危機を増幅させた。
何を今さら....という本だが、わかりやすい。
あとで、読み直して見たい本。 -
調整インフレ論を学ぶ入門書として最適ではないか。近代経済史の読み物としても軽く読めていい。
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調整インフレ論の話。
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非常に読みたい。優先度高い。
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【山形浩生】