マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉

著者 :
  • 早川書房
3.96
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本棚登録 : 739
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091536

感想・レビュー・書評

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  • 記憶に残った言葉
    運を右回りにする努力を怠ってはいけない

  • 今回の弾丸バンコクツアーの行き帰りの機内の時間つぶしに持っていったのが冲方丁(うぶかたとう)氏の『マルドゥック・スクランブル」だ。昨日帰国後のぼけぼけの頭で最後の十数ページを読み切り読了。この作品を知ったのはこの間読んだ「光圀伝」の最後のページにあった著者紹介で、そこでこの作品は日本SF大賞を授賞した作品と書いてあったので興味を持ち購入。

    本屋大賞などを取った『天地明察』、この間読んだ『光圀伝』で著者を知っていたのでてっきり歴史物が得意な作家だと思い込んでいたのだが、実は彼は日本SF作家クラブ会員でありSF小説分野でかなり有名な作家だったという事を今回はじめて知り少々びっくりした。

    作品は冲方丁版ブレードランナーとでも言うべきサイバーパンクジャンルにチャレンジしたもので、個人や集団がネットワークに完全に取り込まれてしまっている近未来の社会状況のなかで生まれたサイボーグである主人公パロットと同じく宇宙技術開発の中で産み落とされた怪物ボイルド(ブレードランナーのレプリカントのリーダーパティを彷彿とさせる描かれ方だ)との戦いが物語の軸となっている。

    一番面白かったのは犯罪の重要データが隠されているカジノの高額チップにアクセスするためにパティらがチャレンジするカジノのシーンで著者の巧さが感じられた。

    時分の価値を確立する事に気付いた少女サイボーグとすべてをないものにする虚無を愛する怪物との戦いの物語は好き嫌いが多い作品だとは思うが、時間のある人にはは是非お勧めしたい。

    そんな近未来での自分の価値とは何かという物を求めた少女の成長物語とも読めるSF作品を読むBGMに選んだのはANAの機内音楽サービスの洋楽部門で見つけたJeff Beckの”Loud Hailer"だ。おじさまギタリスト頑張ってます。
    https://www.youtube.com/watch?v=x2H_n7n9ngo

  • 114
    確かに設定には若干のジュニア感が漂っているんだけど、話の構成や世界観はとてもよく練られているし、文章は最後の最後までちゃんと統一された文体で書かれているし、説明も過不足がない。
    戦闘とかギャンブルとか、説明が難しいものについても丁寧に説明されている。
    結構好印象なアクションSFファンタジー。これはアニメ化しなくても十分に書き込んであると思う。
    しかし筆者、何度書き直すねん。

  • 2014.8.11~8.22

  • 天地明察、水戸光圀と歴史小説を最近ヒットさせてる冲方丁が十年ちょい前に書いた大作ラノベ。元は全三巻とな。高校生の頃なら面白かったのかもしれませんが、この年になると細かい戦闘シーンやブラックジャックの駆け引きの描写に萌えない。
    コバルトが直木賞作家を育てたように、ソノラマ系が良質なSFや歴史作家を育てたのを体感するために読んだようなところ。

  • 独自の世界で、アニメにしたらおもしろいだろうなと思った。中盤のカジノのシーンは長すぎて飽きてしまった。
    バロットとウフコックの思い合う心がよかった。

  • 死んだほうがいい。
    死にたくない。
    生き残る――


    “天国への階段”をシンボルとするマルドゥック市。
    ある夜、少女娼婦ルーン=バロットは、賭博師シェルの姦計により爆炎にのまれる。
    瀕死状態の彼女を救ったのは、委任事件担当官にしてネズミ型万能兵器のウフコックと、ドクター・イースターだった。
    その処置によって高度な電子干渉能力を得たバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵の事件担当官ボイルドが立ちはだかる。
    それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。
    壮絶な銃撃戦の果てバロットとウフコックは、シェルが運営するカジノで自己の有用性をかけた勝負に挑む。
    過去の自分と向き合い、生きる意味を考え始めたとき、バロットの最後の闘いが幕を切った――。

    なんだか壮大な物語。
    天地明察がすごく良かったので他作品も読んでみようと思ったら。
    まさかのSF。(笑)
    なかなか入り込めなかった。。。。
    SF、苦手かもーーー。

  • ボリュームがあって読むのに少し時間がかかりました。
    でも、設定は面白かったです。
    ただ、終わり方がここで終わっちゃうの!?っていうのが…(´・ω・`)

    カジノの場面はワクワクしましたね。

  • SFかつハードボイルド。カジノのルールはちょっと流し読みになってしまったのが辛いところだけど、バロットとディーラーのやりとりは、のめり込んで読めて面白かった。

  • 記憶の中のオリジナルと比較するとオリジナルの方が面白い。
    これが思い出補正というものか?
    オリジナルを再読しなくては。

著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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