クール革命―貧困・教育・独裁を解決する「ソーシャル・キュア」

  • 早川書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092663

感想・レビュー・書評

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  • 社会心理の知見をとてもよく参考にしている。タバコの消費の減少、若者への禁煙にはピアプレッシャー(仲間からの圧力)の大きさの説明があった。

  • ノンフィクション作家さんの本。原題のJoin the Clud How Peer Pressure Can Transform the world のほうがしっくりくる。コミュニティ力、ソーシャルの力のよる変革の様々な事例(HIV、喫煙、貧困、革命、宗教)を紹介している。
    コミュニティ、ソーシャル化を容易にする、Facebook等のインフラが整って着ているので、こういう事例は今後も増えていくのだろうなー。

  • 【読書その25】ピューリッツァー賞を受賞したことのあるノンフィクション作家であり、ジャーナリストのティナ・ローゼンバーグ氏の本。日経の書評を読んで気になって手に取る。非常にオススメの本。以前読んだ「ソーシャルキャピタル入門」とかなり主張が重なる本。
    著者のいうソーシャル・キュアとは何か。非常に困難な問題(アルコール依存、エイズ予防、マイノリティのテロ参加防止等々)を個人ではなく、仲間をうまく巻き込み、仲間と寄り添い、切磋琢磨することで問題を解決するといものである。
    例えば、未成年への禁煙運動。健康のためにタバコを吸う人はいない。未成年ももちろんタバコが体に悪いなんて皆わかっている。それでも、タバコを吸ってしまうのは、それがカッコいいと思うから。
    本書で取り上げているソーシャル・キュアでは、ピアプレッシャー(仲間からの圧力)により、自発的に行動を改めさせる。タバコを吸わないライフスタイルはクールだという印象を強調し、仲間に入るためにはタバコなんてやめてもかまわないと思わせる。
    また、次の例は、大学の微積分の授業。成績上位に中国人留学生、最下位に黒人学生が多いという。それを不思議に思った研究者の分析結果。前者はグループ学習、後者は独学が多く、理解不足の悩みを一人で抱え込んでいた。グループで悩みを共有して切磋琢磨する中国人留学生の学習方法を黒人学生にも適用したところ、飛躍的に学力が上がったらしい。
    この本を読んでいて、男性の育児の参加も同様だと思った。男も育児に参加すべきと上から指示されても、結局は長続きしない。やはり、男の育児はクールでカッコいいと思わせる必要がある。そういう意味では、非常にイクメンプロジェクトは意義深い社会運動だと思った。

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