アルモニカ・ディアボリカ (ミステリ・ワールド)

著者 :
  • 早川書房
4.06
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本棚登録 : 745
感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094223

作品紹介・あらすじ

十八世紀英国で起きた解剖教室をめぐる事件から五年後、教室の元弟子たちと盲目の判事は、天使のような死体に記された暗号の謎を追う。本格ミステリ大賞受賞作『開かせていただき光栄です』続篇

感想・レビュー・書評

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  • 大好きなシリーズです!
    失踪したエドたちが絡む殺人事件。
    様々な人の思惑が重なり展開するストーリー。
    やや複雑で一気読みするには事件の真相は私には難解でしたが、時代背景が丁寧に描写され、引き込まれます。

  • 前作をさらに奥深くした結末、法律ってこういうもんなんだなと思う。

  • 前作以上に真実に行き着くまでの壁が幾重にも張り巡らされているように感じた。また、前作の登場人物プラスαになるのは仕方ないが、かつ外国の名前というのもあって、読み進めるのに頭が疲れました。
    ナイジェルの手記の最後の文を読んで、涙が出そうになりました。

  • 法律があってないようなもので、公の警察もいない…イギリスにもすごい時代があったんだと、当時の人達は怖かっただろうなと思った。前作からの登場人物に加え、今作での事件が合わさり謎が謎を呼ぶ内容だった。そんなところとそんなところであの人とその人が繋がっているのかい…と頭がこんがらがるし、完全にハッピーなエンドではなく何となくモヤッとする感じに、この本らしさが現れているなぁと思いました。

  • 切なく、悲しく、美しいストーリー。

  • 続編は肩透かしも多いけど、前作越え!
    ナイジェルは死んだと見せかけて、本当は生きてるんじゃないかとおもったけど、そこは深読みしすぎた。が、出自を知るにつけ、彼には強かに生きてほしかった。ここでまたポーの一族に頭シフトさせると、アランポジションだから?!
    事件のピースの繋がりかたが、現実はそんなにうまくいかないよね、とは思うけど、謎の開陳がスムーズで気持ちよくて、次をどんどん読みたくなる。
    人物が生き生きとしていて、読んでいて物語にうんと惹き込まれる。
    改めて、研究馬鹿のダニエル先生好きだな〜!
    アルの大活躍も、ネイサンの成長もニマニマしながら読める!

  • 『開かせていただき光栄です』の続編。またあのみんなに会えるという期待で読み始めた。その中身はあまりにも哀しくてつらい、ナイジェルの半生を辿る物語だった。
    知っているようで全然知らない。ベドラム出身であることが判明した瞬間は鳥肌が立った。その内外で起きた非人道的な仕打ちに言葉を失う。目を背けたくなる描写の一つ一つに息を止めて嘆く。
    美しいと感じたのはグラス・ハープ。この音色の表現が、私の記憶の中の音と符合して、耳に聞こえてくるようでうっとりとした。
    腐敗を少し正し、殺人の罪を自ら負い、カップルは再出発、ベドラムからの解放、判事も元の通り仕事をする。ハッピーエンドだけれど失ったものは大きい。純粋に弟子たちのやり取りを楽しむ日々がもう訪れないことは確かだ。
    ナイジェルは死者の世界で満足を得ただろうか。

  • 陰鬱な展開が18世紀ロンドンの雰囲気と絶妙なアルモニカ。大作すぎて登場人物が覚えきれなかったのと、前作『開かせて〜』がネタバレで2作目から読んでしまって勿体なかったのが心残り。他も探してみようかな。

  • 開かせていただき光栄です。続編。
    生い立ちやら、どうにもできない流れやらにのまれた哀しさ、やりきれなさ。

  • 続編ということだが、登場人物は重なるものの連続性はあまり感じられない。今作は非常に辛い展開であり、ラストも希望というよりさらなる悲劇への序章に感じられてしまう。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
1930年旧朝鮮京城市生まれ。東京女子大学英文科中退。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁 旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞を、『恋紅』で第95回直木賞を、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞を、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞を、『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。2013年にはその功績を認められ、第16回日本ミステリー文学大賞に輝き、2015年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。

「2023年 『天涯図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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