機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094988

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は日本の近未来。機甲兵装(小型二足歩行兵器ロボ)を利用した凶悪な犯罪に対抗するため警視庁は龍機兵と呼ばれる新型機を導入し、傭兵や元テロリストなどを雇って特別組織SIPDを編成した。
    閉鎖的な警察組織内に大きな軋轢をもたらしたSIPDは、SATと激しく対立しながらも密造機甲兵装による立て篭もり事件の真相に迫っていく。

    アニメとかで観たことあるなあ・・・と既知感たっぷりの設定。
    パトレイバーと攻殻機動隊と新宿鮫を混ぜたようなお話でした。

    スピード感のあるリアルなアクションシーンや、緊張感あふれる警察内部の軋轢や駆け引きなど、要所要所に見せ場があるメリハリの利いた映画を観ているようでした。

    曲者ぞろいの登場人物たちのひょうひょうとした会話も楽しいし、骨太な警察小説としても魅力的。

    ただ、シリーズ化を前提としているのか、本書はまだ序章といった感じで、一つのエピソードは完結しているけどもこの本単体では話がまったく終わってません。

    「龍機兵」自体も謎だし、警察内部の巨悪や登場人物たちの秘められた過去も、匂わせるだけで終わっています。
    今後、どのようにキャラの過去を掘り下げ、話に絡めていくのか、読み進めていきたいです。

  • 名シリーズ機龍警察の第一弾。おなじみの面々がおなじみのキャラで登場する群像活劇。なるほど、すべての要素はこの1作目からすでに出来上がっていたのですね。
    正直、ここでクローズアップされる姿警部にあまり魅力を感じないせいもあってか、今回のエピソードとストーリー展開には惹き付けられなかった。あと、人物紹介的な側面が多いせいもあってか、各人に視点が散らばり過ぎて、まとまりが足りなかったように感じた。
    龍機兵の設定はやはり魅力的なのだが。

  • 2018.2.8

  • 近接戦闘兵器体系・機甲兵装、
    「龍機兵(ドラグーン)」と呼ばれる新型機を
    導入した警視庁特捜部は、
    その搭乗要員として3人の傭兵と契約した。
    閉鎖的な警察組織内に大きな軋轢をもたらした彼らは、
    密造機甲兵装による立て篭もり事件の現場で
    SATと激しく対立する。
    だが、事件の背後には想像を絶する
    巨大な闇が広がっていた…。

    終わりの方がインタビューなどだと気づかずに
    まだ話が続くと思って読んでいたので、
    謎が謎なままで終わってびっくりしました…
    そうか、このあとシリーズに続いていく
    感じなのですね…

    「龍機兵」に乗るのは警官ではなく、
    雇われた外部の人間。
    日本人傭兵・姿俊之、
    元ロシア民警、ユーリ・ミハイロヴィッチ・オズノフ、
    元テロリスト、ライザ・ラードナー。
    それゆえによそ者として警察からも仲間として
    扱われず風当たりも強い。

    この三人以外にも指令である沖津特捜部長も
    好みですし、技術主任の鈴石さんとか
    警察の警部補さんたちとか登場人物が魅力的。
    龍機兵登場要員3人の過去を
    少しずつ掘り下げている割に
    まだ謎の部分が多いのでシリーズを
    読み進めてみたいと思います。

    SFが苦手なので読むのに時間がかかりましたが
    パイプオルガンのあたりから
    一気に描写がドラマティックになったので
    引き込まれてとても楽しめました。
    アニメっぽい演出だなぁと思いましたが
    アニメの脚本家さんなんですね、納得。

    ロボットアニメをあまり観ないので
    龍機兵はエヴァンゲリオン+パトレイバー
    みたいなのを想像しながら読みました。
    警察内部の軋轢なども描かれているので
    警察小説としてもおすすめです。

    キャラが立ってますし絵的にも派手ですし
    アニメ化してないのが不思議ですね…

  • 2020.04.07

    読み終えるのに時間がかかった。
    シリーズが進む毎に面白くなるのだろうか。

    実写にしたら面白いと思う。

  • SFと聞いていたんですが、警察や犯罪者がロボット的な兵装を使っている以外はそんなにSFしてない、まあ近未来SFでした。
    その機甲兵装と呼ばれるロボット兵器による立てこもり事件があって、それを解決するために警察内でも孤立している特殊部隊が・・というなかなかに興味深いお話ではあったんですが。え?これで終わり??と。まったく知らずに読んだんですが、これはシリーズ第一巻なんですね。完全に「本当の戦いはこれからだ」くらいで終わっちゃってるからびっくりした。今巻はむしろ世界観とか設定とか登場人物の紹介って感じでしょうか。
    まあそれならそれで「一巻」みたいな通し番号打っといてほしかった。

  • リアルな警察小説でありながら登場する兵器が機甲兵装とかいうロボット? なSF小説。
    昔からガンダムとかスターウォーズの類が苦手な私にはこの小説の一つの見所である機甲兵装の戦闘シーンがなんともリアリティがなく想像も出来ず面白くない。登場人物の人間模様にはとても惹かれるものがあるので取り敢えず次作も読んでみたいとは思う

  • このミスで知り、ネットで調べた結果、この作品から始めるのが良いとわかった。現代モノが好きな自分には少し入りにくかったというのが正直なところ。ドンデン返しなどに期待せず淡々と読むのが良いか。

  • 正直、第一章で挫折しかけたけれど二章め入ったらあっという間でした。読み終えてから第一章を改めて読み直すとすんなり頭に入る。面白い!龍騎兵も気になりますが搭乗する傭兵や警察内部のドラマが気になります。
    取り敢えず名前とか立ち位置とか忘れないうちに続編を読まなければ。

  • 良くも悪くも、パッチワークな作品だな。

    どこかで聞いたような内容に、どこかで聞いたようなストーリー。
    本歌取りを楽しむのには、いいんだろうけど、新味に欠けた内容だった。

    続編があるので、続編を読んだら、評価が変わるのかも。

著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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