偉大なる失敗:天才科学者たちはどう間違えたか

  • 早川書房
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095183

感想・レビュー・書評

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  • ダーウィンの「パンゲン説」、ウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)の地球の年齢、ライナス・ボーリングのDNAの三本鎖モデル、ホイルの定常状態宇宙論、アインシュタインの宇宙項を偉大なる失敗と名付けて、その失敗を行った偉大なる科学者の偉業と失敗を巡るストーリーを順に紡いだもの。これらの「失敗」があまりにも偉大であるがゆえに一般化には向いていないので、「失敗」という観点でパッケージ化してみたものの思ったよりもエッジが立っていない印象を受けた。進化論、地球論、生命科学、宇宙論、といった現代科学の基礎を広くカバー(あとは量子論が足りないくらい)をしているところはいいところ。各科学理論に関する当時の論争に関する論証は丁寧。無理に「失敗」にこだわらなくても良かったかもと思う。

  • 偉大な科学者達も自分のミスに気付かずに見過ごすことがあった。或いは当時の考え方(科学的常識)に合わせて修正したり、事実とは相容れない自説に固執したり、科学的な発見の裏にはミスや失敗もあった。この本で、著者は彼らの業績と共に失敗の事例を紹介する。取り上げた事例として、ダーウィンと遺伝学、ケルヴィンと地球の年齢、ポーリングとDNA、ホイルと定常宇宙、アインシュタインと定常宇宙など。
    どれほど優秀な科学者でも間違いはあるということだが、彼らも充分検討した上での主張であって、後世の科学的視点で正誤を判断されるのは少し気の毒な感じもした。

  • 人によってはたいそう面白く読むのだろうが、私には素養が足りなかった。物理学や宇宙論の話が難しすぎた。
    と同時に、生涯ビッグバンを認めなかったホイルなる学者の、理論よりも心持ちに関心が行くあたり、自分は根っから「真理」より「人間」を好むタイプなのだなとわかった。

    2017/12/30〜2018/1/2読了

  • チャールズ・ダーウィンやケルヴィン卿、ライナス・ポーリング、フレッド・ホイル、アルベルト・アインシュタイン。偉大な科学者が犯した失敗を偉業とともに紹介している。失敗といっても寝坊して学会に遅刻したとか、そんなレベルではない。あくまでも仕事(研究)での失敗だ。高度な失敗であるため、科学に疎い人は、何が失敗なのか分からないと思う。それでも、種の起源のダーウィンから相対性理論のアインシュタインまで、異なる分野の科学者だと思っていたが、どんどん繋がっていく様は意外性を感じられる。一般人が楽しみで読む本ではないが、科学史に興味がある人は読んでおいて損はない。

  • チャールズ・ダーウィン、ウィリアム・トムソン、ライナス・ボーリング、フレッド・ホイル、アルベルト・アインシュタインという、天才科学者が犯したと思われる失敗を宇宙物理学者の著者が挙げた一冊です。失敗ではあるのですが、将来の人間たちに残された課題だと思えば、当時の人たち、そして私たち現代の人間にとって大きな業績を残した彼ら天才科学者の栄光は色あせることはないでしょう。

  • ダーウィン、ケルヴィン、ポーリング、ホイル、アインシュタインという、歴史上の偉大な科学者たちの「世紀の過ち」を取り上げ、なぜ彼らが間違いを犯したのか、なぜそれは修正されなかったのかについて検証されたもの。技術の未発達や宗教的なバイアスも大きな要因だが、それ以上に競争、間違いを認めたくないという感情、単純な見落とし、過剰な礼賛など、実に人間ぽいことが積み重なっての出来事なんだなあ。これ、企業経営にもかなり当てはまることだと思う。ただ、後の世から見れば結果的に間違いだったことでも、それを検証しようとする動きは科学の発展に大きく貢献している。実力がないと「世紀の過ち」も起こせないのである。

  • 天才科学者たちの偉大なる失敗のエピソードはどれも読み応えがありました。
    それにしても、私は相対性理論のことはな〜〜んにも知らなかった(他のこともだけど)ということが今さらですが、よくわかりました。

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-12016895244.html

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