- Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152096258
感想・レビュー・書評
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行動経済学の発展を当事者の立場からたどる。たんなる行動経済学の紹介をする本とは違い、異端視されていた黎明期から、無視できない地位を築くまでの足跡をたどれるようになっている。とくに本書では、「エコン」(経済モデルが想定する合理的な人間像)の牙城と見られていたファイナンスの世界に、多くのボリュームが割かれているのが特徴だ。
自分が行動経済学に惹かれるのは、自分を含む「ヒューマン」がつい犯してしまいがちな罠を、あらかじめ知っておくことが有益だと考えるからだ。本書でも、実利のある知見はいろいろ得られる。たとえば(すくなくとも米国においては)株式投資のプレミアムは大きいということだとか、グロースよりバリューのほうが戦略としては正しいだとか。まぁ、でもそうした「実利」を求めるならもっとコンパクトにまとまったものがある。本書の価値は、ユーモアのある著者の語り口に乗せられつつ、たのしくこの分野の発展を理解できるということになるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
紹介されている本で興味を持った本。
◆アトゥール ガワンデ 『アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 重大な局面で"正しい決断"をする方法』(晋遊舎) http://amzn.to/2F3WY72 p488
◆リチャード・セイラー『実践 行動経済学』(日経BP社)
原題『Nudge(ナッジ)』
「リバタリアン・パターナリズム」
http://amzn.to/2F01YK2 pp445-450
◆D. A. ノーマン『誰のためのデザイン?』(新曜社)
http://amzn.to/2oAzr6Q p450
キーワード
「メンタル・アカウンティング」「セルフコントロール」「公正」「ナッジ」 -
知識ゼロでよんだので基本的な考え方のようなものはわかった。
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先ごろ、ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーによる書。行動経済学の発展を、自身の研究半生を振り返る形でまとめられている。誰と会い、どこから着想を得、どう行動したか、研究者の人生が垣間見える。500ページ近い大著だが、ちょいちょい笑わせてくれ、読みやすい。これで2800円はお得。
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簡単にできる様にする
科学的根拠が必要
基本原則を学んだ
1観察する ありのままに見る
2データを集める エピソードは強力だが例であるマークトエイン 知らないことが問題ではない知っていると思い込むことが問題 確証バイアス 自信過剰の陥らない
3主張する -
久しぶりに行動経済学の本を読んだ。満足。
第20章は組織論と個人(インデックス)投資家へ特にオススメ。
バリュー投資家には第23章がオススメ。 -
行動経済学の先駆者セイラー教授が、自らの学究の歩みを語ったもの。それは心理学と経済学の融合で生まれて成長した行動経済学の歴史そのもの。
教科書ではないので体系的に学べるわけではないが、本書で行動経済学のおさらいもできた。ファイナンスをテーマにして、合理的期待仮説、価格の合理性を題材にした部分はとりわけ興味深く読めた。
語り口はユーモアあふれ、激しくやりあったであろう伝統的な経済学者へも真摯な尊敬が伺え、読後感もさわやか。
翻訳書であることを忘れそうなくらい、訳もよかった。