ハウ・トゥー:バカバカしくて役に立たない暮らしの科学

  • 早川書房
3.03
  • (4)
  • (14)
  • (33)
  • (8)
  • (6)
本棚登録 : 450
感想 : 33
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152099099

作品紹介・あらすじ

「どれもご家庭で試さないでください」と謳う暮らしのアドバイス本がかつてあったでしょうか? 引越しの方法から自撮りのコツ、はては友だちの作り方まで、「試してはいけない」日常の科学とお馴染み棒人間マンガ満載の、思わず笑えて心ときめくサイエンス読み物

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前作『ホワット・イフ』が面白かったので、2作目も手に取りました。

    扱っているテーマや大筋は前作とほとんど同じで、実際には「ありえない」と思えるような過程を科学的に検証し、「実現するためにはどうしたらいいか」を考えるものです。
    もちろん、「物理学的に」可能であったとしても、現実問題としては実現不可能なことばかりなわけで、そのギャップを楽しむ本になっています。

    イメージとしては『空想科学読本』のシリーズに近いと思いますが、特定の作品から題材をとっているわけではないので、そういった意味では予備知識なく読むこともできますし、難しい数式などもほとんどありませんから、文系の人間でも安心して読むことができます。
    棒人間によるイラスト解説もわかりやすく、味があります。

    とはいえ、分量が多いことと、アメリカの「社会常識」をモチーフにしたネタも少なくなかったため、読み切るにあたり、後半は少し息切れしてしまいました。

  • サイエンスと雑学の中間に位置する本。空想科学読本ほどでもないし、エスプリが効いていて、個人的には前著に引き続き好みでした。
    本当にどうでもいいし、バカバカしいことが中心ですが、ほっこりする挿絵とともに、まったりした時間を過ごすのにいいでしょう。巣ごもりにも打ってつけ。

  • ○○するには・・・できるだけ突拍子もない手段にまでアイデアを広げ、それを物理学的に検討する。読んでいて単純に気持ちよく楽しい。
    全部で28の○○するには・・が書いてあるのだが、とくに凝りすぎてないシンプルな目的(「穴を掘るには」「物を投げるには」など)のほうが内容的には面白い。
    固まった思考をほぐし、発想力を高めることができる。気がする。

    この著者の本を初めて読んだが、文章は軽妙でウィットに富み、自ら書く挿絵は、ヒトはみんな顔のない棒人間なのにやけに動物や無生物は細かく書き込まれていて愉快。挿絵の中のセリフやコメントは、まるで最初からそうであったかのように全く違和感なく日本語に置き換えられていて、絶妙のバランスで配置されている。
    訳者と早川書房ブックデザイン室の力量がすごいなと思った。(ついでながらいまブクログに登録しようとして検索したら原書の表紙も並んで出てきたが、邦訳版のほうがいいと思った)

    P15 棒高跳びの要は、ポールのしなやかさではなく、選手が走る速さだ。ポールは単に、その速さの向きを効率的に上へと変える手段でしかない。(ものすごく高くジャンプするには)

    P177 天気は”それほど”速くは変化しない。もし今雨が降っているなら30秒後にも降っている可能性は高い。今現在の天気を確認すると、それがあなたの予報になる。これは「持続予報」と呼ばれている。
    ごく短期間の予測なら、持続予報のほうが平均値に基づく予報よりもうまくいき、長期間の予測なら、平均値に基づく予報のほうがうまくいく。天気のパターンが一度に数日間にわたって持続するような地域では持続予報のほうが役に立つ。いっぽう、ある日の天気が次の日がどんな天気になるかにほとんど何の関係もないような地域もある。そのようなところでは、平均値に基づく予報のほうが役に立つ。(天気を予報するには)


    P265 ストレージデバイスを人間が持ち歩くのは、情報伝達の方法として驚くほど伝送速度が速い。(ファイルを送るには)

    P378 破壊不可能性を調べる非破壊検査はないのだ。(この本を処分するには)

  • 「川を渡る」「穴を掘る」「ジャンプする」「溶岩の堀を作る」「スキーをする」といった物事の様々な突拍子もないやり方を通して科学の楽しさを伝える本。
    例えばスキーでは人工雪の話から目の前に人工雪を降らし続ける装置にうつり、その装置をどんどん効率化していくと足を中心に縦に回転する雪の円ができる。結局これはローラーの再発明になる、などオチが素晴らしい。
    前作ホワット・イフよりも面白さはだいぶ落ちている。あちらは問題設定自体に興味深いところがあったがこちらは問題を本人が考えていてそこから面白い解決策を出している仕組み上、解決策が無理やりな感がある。

  • 物理は得意でないので、細かい説明は詳しい人に聞きながら英語版で読んでみた。ちなみに英語そのものは難しくない。

    難しいのか簡単なのかわからないながらも、きちんとした科学的な根拠のある理屈ではこうなります云々的な話をいろいろした後に、「え、そこまで色々こねくり回して、解決法ってそっち行っちゃうの?(驚)」みたいなオチがついていて、物理が得意でなくても、安心して笑えます。

    あと所々に挟まっているイラストの棒人間がヘロヘローヘロヘロというよりは
    ヘロンヘロンなんだけどー、言動はシャキシャキ迷いなくて
    正々堂々アホをやらかす感じがたまらない。

    英語版で読む場合の難点ーとにかく横道に逸れるので時間がかかる。

    自分に英語の世界(多分、この場合はアメリカ)の一般常識がないので、いちいちネットで調べ物をして横にそれるので、読むのにとても時間がかかる。
    (参照:川を渡る話)

    あと、世界で一番たくさん音階のあるピアノの話。
    「タンタンの冒険」の中にマダム・フィオレンティーナ(名前が間違っていたらごめんなさい)というオペラ歌手の奥さんがいて、歌声でガラスを破るという強者なのですが、この人、いったい、あのピアノでいうとどの辺の音階で歌っているのだろうとか考え始めて、そのネタは「Mythbusterds」で見たかもとかで、色々ネットで検索を始めて深掘りしだすと横道に逸れるので、読むのに時間がかかる。

    あと日本語の辞書を引くと「Force」も「Power」も同じ訳語が付いてたりしてギョッとする。結局、それも、実はどういう意味なんだ?的なことをネットで調べるハメになり、横道にそれて、読むのに時間がかかる。

    日本語版が買える環境にいたら、迷わず、そっちを読むと思います....というかこの作者のブログがあるので、最初、そっちを見ていて気にはなっていた作家で、日本語訳があることを読み終わるまで知らなかった。

    日本の本屋さん行きたい。大きな本屋さん....

  • くだらなくて面白かった。
    基礎知識があって当たり前と思われる仕事だから
    インプットとアウトプットに追われている。
    たまにはこんな本も読まないと重めの知識の海で
    溺れそうになる。この本は浮き輪みたいな本。

  • 第82回アワヒニビブリオバトル「【往路】お正月だよ!ビブリオバトル2022」第4ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
    2022.01.02

  • 計算とか物理苦手なのでわかんなくて難しかった。
    でも内容的には面白かった!無謀で現実的には不可能なことだけど、物理学的視点のみで考えれば、人はいろいろなことは可能になることたくさんあるとわかった。

  • <目次>


    <内容>
    『ホワット・イフ?』などのくだらないけど、物事の本質を問う元ロボット研究者の本。物理学・化学・生物学・数学などの知識は、「こう使うのだ!」という本だ。数式などは読み飛ばしてもいいから、一つの疑問をつきつめていく姿勢、その道のプロに質問する勇気、もちろんそれを理解できる知識。無駄なことの方が役に立つということだろう。

  •  この本で書かれたいかなることも、ご家庭では試さないでください―そんな注意書きから突然始まるこの本…“HOW TO”なので、~をするには?と始まりその手法が説明されているのだが、これが悉く意表を突いてきて、面白い。“友だちをつくるには?”とページを捲ると物理学の概念「平均自由行程」の説明が始まり、“ピアノを弾くには?(すみからすみまで)”と見ると、88鍵の鍵盤が235鍵になっちゃった…何それ、どういうこと!?と思った人は是非、この本を手に取るべし。
     世の中にありふれた、なぜ?を追求することで私たち人間は多くを学び、そして新しい「なにか」を創造していくのです。

    京都外国語大学付属図書館所蔵情報
    資料ID:644671  請求記号:404||Mun

全33件中 1 - 10件を表示

ランドール・マンローの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マシュー・サイド
カルロ・ロヴェッ...
マシュー・サイド
スティーヴン・ワ...
エラ・フランシス...
J・モーティマー...
ヴィクトール・E...
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×