Arc アーク ベスト・オブ・ケン・リュウ

  • 早川書房
3.78
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本棚登録 : 206
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152100337

感想・レビュー・書評

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  • まだ、表題作の、Arcしか読んでないですが、日本で言う、星新一的なポジション?
    もっともっと膨らませて描いてくれたらいいのになぁと思いました。
    その分、モヤモヤの余韻がココロに残るけど、物足りなさもある。翻訳ゆえのところも否めない。

  • ――


     それは誰もが持つ魔法だ。

     誰にも奪えない、
     自分だけの、魔法。

     それが、君には届くと、
     そう思ったとき、魔法は終わる。


     そして――が、
     始まる。

       >>>>

     厳選されたベスト・オブ・ベスト、って感じで、私みたいな不真面目な読書家には丁度いいんじゃないかしら。
     そのぶん短編集のびっくり箱的お楽しみは無いけど、ケン・リュウという作家の、云うなればベースラインをなぞるには良いと思います。
     収録作はすべて、ハヤカワのケン・リュウ短編集にも入っているので(というか、短編集1~5集の中から選りすぐりをまとめたような形なので、まさにベスト・オブ・ベスト)、真面目な読書家のかたはそちらをどうぞ。より深みにはまること間違いなし。
     それでも、「紙の動物園」と「もののあはれ」と「草を結びて環を銜えん」と「良い狩りを」を一冊で読めるのは本当に贅沢。

     特に「紙の動物園」は間違いなくケン・リュウの名刺代わりだと思うので、未読の方は是非。ひとは人生に一本は小説を書けると云うけれど、こういうのがそれなんだと思う。彼の場合、それは始まりに過ぎないわけだけれど。
     誰もが持っている、ルーツについて。

     今回は映画との関連でArcを表題としてるのですが、正直その影響で思わず購入しました。芳根京子さん好きなんですよ。うーん好きというか、つい見てしまうというか。むしろすげぇ見られてる感じがする(あっちょっとやばめのファンみたい)。そういう眼をしている。怖い。音楽室のベートーベンみたいな。いや褒めてるの、褒めてるんよ?
     吸い込まれそうな瞳、というにも種類があって、キラキラしていて目が離せないタイプ(西畑大吾を代表とします)と、光すら抜け出せないような吸引力に視線が奪われてしまうダークマター系の瞳。芳根さんは後者のイメージですね。褒めてるってば(笑
     ほんとの意味で、目が離せない役者です。

     と、話が逸れましたが。
     短編集としては、ベスト過ぎるかな、というところもあるので☆は控えめに3.5。天邪鬼め。

  • 作者名買いしちゃったが、まだ記憶に
    新しい既読作品ばかりで残念

  • 空想によって構築された小説世界に、叙情が沁み渡る
    家族への想いだったり、触れ合った関係の想いだったり
    様々な語りに息づいている

  • 中国生まれ米国在住。『三体』の解説文で知ったSF作家の短編集です。SFの硬質感がなく、どちらかというとマジックリアリズム的な雰囲気を感じました。心に染み入る物語で切ない余韻をもつ作品が多くその世界観は表紙にも現れています。早瀬耕に似てると思いました。

  • 紙の動物園、母の記憶に、草を結びて環を銜えん。が好きです。特に、母の記憶に。これぞ短編。

  • 中国系SF作家ケン・リュウの短編集。
    同じ著者の作品を別のSF短編集で読んだことがある気がするが、自分には本書のほうが良かった。

    science色強めの話、伝奇色強めの話など味わいは色々だ。だが共通しているのは、異なる文化の重なる、その境界線上にある者の視点。アメリカが舞台の話でも、その舞台における異国人としての自分のルーツが抜きがたく意識されている。
    いまアメリカと書いたが、出てくるのは国としてのアメリカというより、一般的なグローバル化、現代化の象徴という方が適切かもしれない。「紙の動物園」や「良い狩りを」は、その狭間で淘汰されていく古い文化への哀惜。「結縄」「ランニング・シューズ」では、必ずしも中国ではないが、やはりグローバル化によって追いやられる弱い立場への視線がある。
    「草を結びて環を銜えん」は漢族と満州族との戦争に巻き込まれる女性の話。中国国内の民族同士の争いをテーマとして描こうとすると、やはり近い時代ではなく、時代劇にせざるを得ないのだろうか。

    「もののあはれ」は日本人が主人公。日本人である自分の感性と照らして、主人公の行動や考え方が自然に思われる部分もあり、逆に日本人の著者ならこうは描かないだろうと思われる部分もある。カズオ・イシグロの描く日本人像のように。そういったずれを通して、自分の感覚の輪郭を知るのも外国作品の良いところ。

  • アーク
    紙の動物園

  • 2021.08.07 図書館

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