あなたの教室

  • 早川書房
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本棚登録 : 317
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152101648

感想・レビュー・書評

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  • 20年続けた教師を辞め、フランスから遠く離れたインドに来たレナ。そこは「女に勉強はいらない。家のために働き、嫁にいく」という文化。子どもたちが学べる教室をつくり、教育が世界を広げることを伝えようとレナはそこで出会った同志と奮闘する。『三つ編み』に続く物語。そうかラリタだったか。読んでいて感じるのはインドのカースト制や差別の恐ろしさ。なぜ?なんで?下の階級だから、女だから、子どもだから。大人の男だったら何なのか。なんて愚かしい。読んでいてあまりの不条理に悲しくなった。違うと思う。

  • 次から次へと苛酷なことが続く、インドの女の子たち。小説ながら、きっとしっかりした取材に基づくのだろう。引き込まれておもしろかったです

  • 『三つ編み』に出てくる少女が重要なカギとなる小説。
    主人公のレナはある理由でインドへ1ヵ月ほど滞在することになるが、その少女に助けられ、恩返しとして英語を教えることになる。そこから文化や言語の壁を乗り越えて仲間も集めて学校を立てることになるが、様々な試練が待ち受ける。
    三つ編みと同様女性に対する差別や格差について言及する描写が多く、インドでの状況を細かく知ることができる。主人公が女性を守る集団リーダーであるプリーティに会うことになるが、本当に存在するのであればインドも少し変わってきているのだなと思った。インドならではの風習で女性が若くして結婚させられたり、女性の教育は必要ないといった固定概念が強くあることがよくわかった。
    少し話の展開が遅かったが、とても読みやすい文章と描写が特徴だと感じる。
    違う文化の環境の中で、周りの人の固定概念を変えることの難しさや自分の決断によって巻き起こる事件に永遠に繰り返されてしまう負の連鎖にうんざりしてしまうことが多いのでないかと感じた。NGOやボランティアで全ての貧困や教育の問題が解決できないもどかしさがあるのでメンタルやモチベーションを維持するのはとても難しいと感じた。

  • フランスから来た元教師と、被差別階級の女性、少女、3人の交流から南インドの村に、学校ができる。
    エゴや自己満足ではないか、これが正しいのか常に選択を省みるレナ。異なる文化、立場へと関わる覚悟と、連帯の心強さがあたたかく描かれていた。

    前2作と同じく、社会問題から目を背けないのに、読み心地が軽やかに感じる文体…シナリオ寄りでセリフが少ないのに情景が浮かぶ。

    『三つ編み』読んでから、こちらも読んで本当に良かった。

    フェミニズム文学は、結末を明るく描いても課題が山積している現実を考えてしまうけど、目の前の問題に向き合い、乗り越えようとする登場人物を見ることで、物語と連帯できた気持ちになった。

  • 「三つ編み」が良かったので、レティシアさんの本を読んでみたいと思った。
    インドは世界最大の児童労働市場。
    他にも、不可触民のような階級の問題、女性差別、児童労働、児童婚など、問題が多数あるように感じる。
    フランス人は、衝撃を受けると思う。
    レナを応援したい。
    あとがきも良い。
    SDGsのコーナーに置きたい本。
    (たくさん含まれている)

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著者プロフィール

レティシア・コロンバニ(Lætitia Colombani)
1976年、フランス・ボルドー生まれの映画監督・脚本家・作家・役者。刊行前から16言語で翻訳権が売れて話題をあつめた初の著作『三つ編み』は、2017年春に刊行されベストセラーとなり、フランスで85万部を突破、32言語で翻訳され、邦訳もされた。2019年5月15日に2作目の小説"Les Victorieuses"を刊行し、こちらも翻訳が待たれる。

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