デザイン思考が世界を変える: イノベーションを導く新しい考え方 (ハヤカワ新書juice 12)
- 早川書房 (2010年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784153200128
感想・レビュー・書評
-
本書は、いわゆる「思考術」のような、何らかの手法を体系化して紹介する類いの本ではない。
デザイン思考は何たるか、そしてどんな様式であるか。
この点の説明はされているが、では具体的に「個人の行動」に落とし込むのはどうすればいいのか、には触れていない。「ノート術」や「思考術」に憧れてこの本を手に取るのであれば、間違いとは言わないが、一冊目に選ぶ本としては正しいとは言えない。(なぜなら、「思考」や「術」というキーワードに反応して取る人は、自分自身が具体的に行動として身につけるべきものを模索しているからだ。だから逆に、行動に起こせるような人、つまり自分自身で解釈の出来る人はこの本からでも一向に構わないと思う)
また、この手の本(思考・アイデア云々)に必ずと行っていいほど出てくる「拡散的思考」と「収束的思考」だが、デザイン思考はこれらも包括し、かつ「分析 (Analysis)」と「綜合 (Synthesis)」という二つの要素も取り入れ、これら4つのフロアを自由かつ目まぐるしく動き回ることを述べている。
最後に「デザイン思考」の特徴的なことを挙げると、やはりデザイン思考は従来の思考術と違って、『型にハマったやり方』が存在しないことだろう。グラフィカルにすることを推奨するか、状況に応じてフロー図やマトリクス図を使え、という具体的な指導はない。「デザイン思考にはこのような思考の世界・空間が存在する」というが、その世界や空間を渡り歩く順序もステップも無い。
一見すれば無作為に放たれた世界ではあるが、要は「あなたは既に知っている。後は気づくだけだ」ということなのだろうか。論理的な思考術やノート術ばかり漁っていた私にとっては、ややアウトローに感じる本だが、非常に面白く、興味深かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人類学・エスノグラフィーを学んでいる私にとって、とっても腹におちる、とてもいい本でした。
-
同じくIDEO本。根源的かつ見えないな社会のニーズを探る。
どうでもいいけどP&Gの「謎のシャンプー」もIDEOなのかな。P&Gも日本の会社があるなら違うだろうけど。 -
最近やたら話を聞くようになったIDEOのCEOによる著書。大体聞いたことはある話ばかりではあるが、どこまで実践出来ているかといわれると。。。デザイン思考がはじめての人にはおすすめかも知れません。
そして編集部からちゃんと東大i.schoolの本に関する宣伝も入っていると言う。。。どんなのになるんだろうな。名前がちょっとアレだけど。。。 -
デザインからデザイン思考へ。デザイン思考はリサーチが肝だと思う
-
IDEO社CEOティム・ブラウンの著。
この記事を読んだらこの本もよみたくなった。
「地下鉄の自販機の売り上げをアップさせた、IDEOのユニークな行動観察調査手法」
http://www.fallinstar.org/2010/04/ideo.html