私の男

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 5026
感想 : 1014
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163264301

作品紹介・あらすじ

優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る-。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。

感想・レビュー・書評

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  • めちゃすき

  • 内容は正直あまり好きではなかったが文章がとても上手だなという印象。表紙のカバーが印象的。

  • めちゃくちゃ歪んだ家族だけど、お互いを支え合うためには仕方ない形なのかもしれない。倫理観を他人の家族に押し付けるのは違うしな、

  • 血は濃ゆい

    ってな事で、桜庭一樹の『私の男』

    見えない世界には想像を絶する現実があると、わしは思ってる。

    本の中の話では無いのかも…

    こんな現実があっても不思議じゃないし、その人達にしか理解し得ない領域があると思う。

    幼い時に心に傷や負担を負った人、数奇な出来事にあった人にはある種特別と言うか、大多数の人とは違う感覚、思考が芽生えてるんじゃないかと思う事がある。

    人とは違った、ちょっと変わったって言う人には何かしらの心の闇みたいな感覚、思考があるんじゃないかと…

    その闇に本人も気が付かず、闇から生まれた感覚、思考は周りの人から理解されないって事であっても、本人からすれば通常であり、周りに理解してもらいたいと思う事があっても、難しい事と分かっているので諦め、ただ自分の領域を邪魔しないで欲しいと…

    凄ぇ内容じゃったよ。

    理解と言うか受け付けない人が多いんじゃないかな

    血が濃い歪んだ愛なんじゃろうか…

    お互いの心の闇の穴を、お互いに埋め合い満たされながらも、お互いに相手の新たな穴を掘り合って闇から抜け出せない様な…

    壮絶な親子愛

    映画も観てみたいな。

    2022年2冊目

  • 私はこの作品のことを忘れられないだろう。
    決して、するする読めたわけではなかった。特に序盤は、義理の娘だからギリギリ(自分の倫理観的に)セーフか?いやこれ絶対実の娘でしょ……うわ…………無理かも、とビクビクしていた。
    だがしかし、文章がうますぎる。どこがと言われると難しいが、ねっとり湿度を持った空気がじりじりと肌にまとわりつくような文章で、かといって癖が強いわけでもないのでするすると読めてしまう。
    後半にいくと、性愛は影を潜め本質的な愛の話になる(と見せかけて、の部分もあることは否めないが)。ここまでずっと花視点で話が進んでいたので、淳悟の本心と人物像が掴めてきたところで話が終わる。答え合わせができたようなできていないような感覚で、ピリオドを打つことができず最初から読み返してしまった。
    創作の中では愛の形は様々であり、歪と決めつけることすら傲慢であると感じる。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00376973

    狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で抉りだす著者の真骨頂(出版社HPより)

  • 震災で家族をなくし、たったひとりになった少女。その少女を養女とした独り者の男。現在から過去へと遡りながら、話は進んでいく。一応、最後まで読んだけど、異常な関係に嫌悪感でいっぱいになった。今、映画も公開されてるけど、絶対に観ないな。

  • 章が進むごとに過去に遡る形式が最後までモヤモヤした。未来には進まないので、ハッピーエンドにはならず、自分には合わなかった。

  • 図書館で借りた本。昔はとにかく人を愛するということは狂ったことだと思っていたため、愛情表現が異常であればあるほど共感していましたが、結局狂ったように愛した男と結婚して子どもが産まれたら自分の子どもが一番大事になって狂ってる場合じゃねぇな、って正気に戻ってしまったので今は共感は出来なくなってしまったのが残念。結婚する前に読んでおけば良かった一冊。お話が過去に遡っていく形式なので徐々にわかっていく感覚が楽しく、また最初に戻って読み直したくなりとても面白かったです。真実の多くを語らないところも余白を想像できて良いですね。

  • 面白かった。歪んだ愛情。登場人物の記憶を辿っているように読める。読んでいてすっきりするものではないが,人間の儚さが感じられる本。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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