オレたち花のバブル組

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163267005

作品紹介・あらすじ

巨額損失を出した老舗ホテルの再建、金融庁"最強のボスキャラ"との対決、出向先の執拗ないびり…"絶対負けられない男たち"の戦いの結末は!?すべての働く人へエールをおくる長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  •  かっこいいー!!東京中央銀行営業第二部、半沢次長。
     
     今回は、巨額損失を出した老舗ホテルの再建を軸に、金融庁検査のためにやってくるイヤーなボスキャラお姉との対決、加えて半沢さんの同期で、タミヤ電機に出向になった近藤さんが、会社の粉飾と転貸を暴く豪華二本立てでお送りされておりました。

     しかし、悪いやつらばっか。情報を隠蔽し、他人に責任を押し付けて、自分たちだけいい目をすればそれでいいと考える奴らばっか。
     現実に、企業も銀行も、こんなやつらばっかだったらどうしよう・・・
     まあ、それを半沢さんがぶった切ることに、この作品の醍醐味があるのでよしとする。


     今回も半沢さんの毒舌が光る光る。常務であろうが、業務統括部長であろうが、監督庁の役人であろうが、おかまいなし。

     基本は性善説。しかし、やられたら、倍返し。それが、半沢直紀の流儀。はあー、かっこいい。

     理不尽な人事にも、凛とした態度を崩さなかった半沢次長。やはり、かっこいい。かっこいいって、書きすぎですね。私。
     
     サラリーマンは、全体の一部でしかなくて、コマとか、歯車でしかないのかもしれないけれど、そんな一つの歯車にも、矜持がある。サラリーマンにも、失っていけない大切なものがあるんだ。

     勤め人ならば、ついつい涙を流して読んでしまいかねない作品でした。

  • 半沢直樹シリーズ第2弾。この続編も先に読んで、ドラマも見て、そして今になって、原作・・・ドラマのイメージが強すぎて、オリジナルの世界が霞んでしまったように思える。いつもより、窮地の場面も少なく、池井戸作品も本来はこんなものだったのだろうか・・・

  • 半沢2作目。情報を集めて表と裏を見る。それを擦り合わせて本当の所は何かを探っていく。主役の勧善懲悪の様に見えて反半沢サイドから見たら同じ様に汚い手を使ってる。良いも悪しきも自分の手で掴み取るもの、という強いメッセージがある。

  • テレビドラマ半沢直樹の後半、東京編の話。
    テレビは基本的なストーリーはだいたい本の通り同じだが、細かなところでテレビはいろいろ変更したり脚色しているのがわかる。テレビの最後の見せ場だった役員会での大和田常務の土下座はなかった。

    テレビはさておき、半沢の胸のすく行動、言動、信条は読んで理屈なくおもしろい。次のロスジェネが楽しみ。

    ただ、この作者は本のタイトルの付け方がイマイチだ。

  • 「オレたちバブル入行組」よりやや難しく感じたが、やはり面白かった。
    もちろん半沢もいいけれど、前作からいつも渡真利の強力な協力が有ってこそ。
    そして必ず半沢のことを好きになって協力してくれる人物が登場してくるのも嬉しい。
    半沢の妻の花の出番は原作程度が丁度良い(ドラマではちょっと多過ぎる)気がする。

  • 銀行員のフィクション
    イエスマンを否定した爽快な漫画チックな内容。イエスマンにもそれなりの理由があることを認め、落とし所をうまく見つける。正義も感じる。
    忘れかけていたことを思い出させる内容。
    今の自分にも当てはまると感じた。ビビらず、信じたとおり思い切ってやろうと決意。

  • 銀行内での隠蔽工作や不正融資を正義の理論で粉砕し、窮状からの大逆転は熱くなりスカッとします。前作よりスケールアップさせた多層な関係構図を配し、とても楽しく読めました。

    ババを引かされた主人公の半沢。良識の視点から見えてくる疑念や違和感へ、鋭く切り込む胆力が魅力。後半で同期の友人である近藤が懐柔されても、その対応がカッコイイ。そして手詰まりかと思いきや、僅かな隙を見つけ出してきっちりラスボスを切り崩す流れは非常に鮮やか。全篇において、半沢の職業人としての矜持が一貫していると感じた。またラストの半沢の処遇で、完全勝利とはならない展開に一抹の苦味が効いてて良かった。

  • 銀行員 半沢の活躍を描いたバブルシリーズ2作目の作品を一気に読了しました!この作品も相変わらずの半沢の銀行員としての正義を貫く姿勢のかっこ良さがいいですね!
    また、鼻につく銀行員のお偉方や金融庁の役人、不正を働く者など悪い奴らと物怖じせず、正面から対峙し、ぎゃふんとやっつけるところが本当に爽快です。
    しかし正義を貫くばかりではなく、心のおける同期を大切にするところも半沢のいいところです。
    続く「ロスジェネの逆襲」で、なぜ半沢が出向させられたのか?という理由も分かり、すっきりしました。
    また続編作って欲しいですね!

  • 読了後、久々にスカッとさせて頂きました。
    金融庁のオネエ系の黒崎と半沢さんとの対決には、痛快そのもの。

    組織、まして、銀行の合併に伴うと陰では、色々とあるんだなと思った。でも、同期の友情は厚い!
    登場人物は多かったけど、凄く楽しませてもらい素敵な1冊でした。

  • 面白かったぁ。やっぱり金融内部はこの方へオマカセだ。近藤が最後には家族を第一に考えたのが現実的でよかった。半沢のような銀行員は全体の何百分の一か?それとも何千分の一か???

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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