- Amazon.co.jp ・本 (146ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163268804
作品紹介・あらすじ
芥川賞候補作!初の中国人作家登場。「王愛勤」ことワンちゃんは、名前のとおりの働きもの。女好きの前夫に愛想をつかし、見合いで四国の旦那のもとへ。姑の面倒をみながら、独身男たちを中国へ連れていき、お見合いツアーを仕切るのだ。各紙絶賛の文學界新人賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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再読。深層部分が描ききれていない感はあるが、軽妙なタッチで一気に読めた。
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ワンちゃんより老処女が面白かった。女とはかくあるべし。その呪いにかかっていない女性っているんだろうか。
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ワンちゃん
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2編が収められていた。日本で暮らす中国人女性の物語。中国の文化も垣間見られ面白く読んだが、どちらもアンハッピーな結末。30代、40代女性のお話だったが、他の著書も似たような設定なのだろうか。読んでみたい。2017/1/16
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ワンちゃんは成功者なのかしら。
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「ワンちゃん」はわかりにくい 日本文で 時折 つかえて 読みにくい。ただ、中国人女子のたくましさが 「ワンちゃん」には表現されていてその人物の 掘り下げ は 巧みだと思った。
私も 中国にいて 女子のたくましさは いろんな場面で見てきた。
いろんな状況でも へこたれず、ニコニコしている。
『ビンボーはたのしい』という 女子にも出会った。
それで、一生懸命働き 病気がちな父親に仕送りをする。
なんてたくましいのだろう。そして、家族思いなのだろうと思った。
ココに出てくる「ワンちゃん」は 王愛勤 という名前をもらことで
勉強は嫌いだが「勤=よく働く」という ニンゲン である。
兄は「愛軍」と名づけられ、高卒後 人民解放軍に入って
退役してから 市の商工局の課長になっている。
姉は「愛学」と名づけられ、大学を卒業して 大手銀行に入っている。そして 地元の支店長になっている。
ワンちゃんは 中学を出て 母親の働いていた工場で すぐに働き始めた。18歳のときに 洋服の露天の店をだして、仕事を順調に進めた。かっこいい 教師と結婚して 順調のように見えたが その男は仕事をやめ遊びだしてしまった。そのときには 子供が出来ていた。
ワンちゃんは 一生懸命働くが その男が お金をせびりに来る。
しまいには 店の女と一緒にベットにいるのを見つけて 別れる。
子供は 男のほうに 預けることになる。
(ここで、兄が 市の役人、姉が銀行の支店長ならば・・・
ワンちゃんは もっといい仕事は紹介してもらえたはずなのであるが・・物語は そうなっていない。
別れた男はワンちゃんが場所を変わって一生懸命働いてもお金をせびりに来る。
息子が 18歳となり 5年ぶりにあった。身長は180cmくらいになっていて、別れた男とそっくりの美少年になっていた。
息子は 髪を枯れ草のような黄色に染めてすっかり大人だった。
高校は とっくにやめていた。
『お母さんのDNAを受けついたので勉強が嫌いなんだよ』と息子は言う。
息子はさらに言う
『あのさ、お母さんは苦労したかもしれないけどさ、オヤジは結構楽しく遊んでいるよ。それも悪くないなぁとおもってさ・・・だってお母さんみたいに働きに働いて、何かよいことでもあった?オヤジって頭が結構よいよな。』と。
ワンちゃんは 黙ってしまった。
このような息子が 今の中国にはいっぱい いる。
親が役人でいい思いをしていると 親のお金を消費するだけの若者もいる。そういう姿をリアルに描いているのがいいと思う。
結局 ワンちゃんは 無口な日本人と結婚するのであるが、
その無口な男のおぞましさ。
そして 四国の松山のさらに奥の田舎で、
独身の男の中国人の女子との結婚斡旋業をやる。
そこにでてくる 日本人の男のものがさしさ。
中国へのしたたかな目は日本へも向けられている。
楊逸は問題意識が鮮明なので今後の作品が、期待できそうだ。