ちょいな人々

著者 :
  • 文藝春秋
3.40
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163275505

感想・レビュー・書評

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  • 軽ーいタッチの短編7編
    「ちょいな人々」「ガーデンウォーズ」「占い師の悪運』
    「いじめ電話相談」「犬猫語完全翻訳機」「正直メール」
    「くたばれ、タイガース」
    帯には『おっちょこちょいだけど愛すべき人たちの破天荒なユーモアワールド』とある
    荻原さんの本は、そこかしこに笑いがちりばめてある。この本もご多分に漏れず、笑い満載!
    そんなバカなと笑いたくなるんだけど、憎めなくて、ちょっとかわいそうな人たち(かわいそうなんて言ってごめんなさい) が主人公の話だった

    我が家には2頭の愛犬がいる。常々このワンコたちが喋れたらどんなに楽しいだろうと思っていた
    そんな私の気持ちを見透かしたような話が「犬猫語完全翻訳機」
    鳴き声だけでなく、耳、尻尾周辺の筋肉を感知するセンサーも組み込まれた犬、猫用のポディスーツ。

    ポディスーツを着た犬や猫が発した言葉は?
    赤ちゃん言葉で話しかけていた飼い主を裏切るもの・・・
    ああ、恐ろしや、恐ろしや
    ワンコは、喋らない今のままがいいと思った次第

    もう一つ、笑えるんだけど、空恐ろしい話 「正直メール」
    高齢化社会に向けて、メールがめんどくさい文字入力ではなく、音声入力で、送信できるという機能
    (今ではこんなこと当たり前だが、初出誌されたのが2007年なので)
    この機能の特記すべき点は、音声から感情も読み取り、勝手に漢字や文脈変換してしまうという点

    「まいったよ。今日もお得意の接待。家、帰れない」
    「まいったよ。今日もお得意の接体。イェーイ、帰れない♡」
    「今、どこ? どこにいるの? どなたと一緒?」
    「今、怒こ? 怒こにいるの? 怒なたと一緒?」

    わあ、怖っ、怖っ! こんなのができたら、世の中大混乱
    クワバラ、クワバラ

    まさに破天荒で大爆笑のユーモアワールドでした


  • どの登場人物もどこか残念で、でも面白くて憎めない。特にガーデンウォーズが面白かった。

  • 短編ですが、どのお話しも全部好き。
    リズムがあって、少しダークなテーマをコミカルに仕上げていて、楽しかったです。

  • 短編集。軽いタッチでどんどん読める。特に犬猫語翻訳機の話しは愉快。

  • 図書館で飾られていて、帯を読んで手に取りました。短編で読みやすく、ぷぷぷと笑える感じが良かった。完全な短編かと思いきや、「犬猫翻訳」と「正直メール」は連作な感じで、一気に引き込まれました。読後に明るさを感じられ、前向きになれる一冊に出会えました。

  • おっちょこちょいだけど笑える愛すべき短編集。社内の女性社員の言葉に妄想膨らますサラリーマンやお隣さんとの庭木の関係でバトル勃発したり、最後はなんかホッとする人間模様。「犬猫語完全翻訳機」と「くたばれ、タイガース」が特に面白かった。

  • 荻原ワールド全開の短編集。
    理不尽なことや、自業自得な失敗だらけの世界で生きている人々の日常。

    個人的にはいじめ相談室の話や、占い師の話が好きだ。

  • 荻原浩の短編集
    「ちょいな人々」
    井上課長の会社のクールビズをめぐる狂騒曲
    「ガーデンウォーズ」
    ガーデニングに情熱を燃やす主婦の小谷邦子と隣家で俳句に精を出す老人の丸山康次のお話し
    「占い師の悪運」
    脱サラしたインチキ占い師と女子高生の物語
    「いじめ電話相談室」
    市のいじめ電話相談室の相談員の山沢聡子がいじめの相談にのっているうちに自身も成長する
    「犬猫語完全翻訳機」「正直メール」は連作
    ワンニャンボイスを装着したペットの本音が分かる話とその技術を応用して感情で文章作成する音声認識エンジンを搭載したメーラー付き携帯電話フィンガレスフォンの喜劇
    「くたばれタイガース」
    彼女の家に結婚の申し込みに行ったトラキチの関本の彼女の父親は熱烈なジャイアンツファンだった

  • いやぁ、マンガでなく、本で、久しぶりに声を出して笑った。癒されました。ありがとうございました。タイトル作品のちょいな人々が最高。

  • 2022.1.5-476

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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