月と蟹

著者 : 道尾秀介

• 文藝春秋 (2010年9月14日発売)

感想・レビュー・書評

[hibo5855さんの感想 · 2018年10月19日]

蟹は食べてもガニ食うな

[takahirokazamaさんの感想 · 2018年10月9日]

直木賞受賞作．子供の心理描写が絶妙．鎌倉近郊が舞台となっており，なじみ深い．過去読んだ道尾秀介では一番．おすすめ．

[ありんこゆういちさんの感想 · 2018年10月7日]

内容（「BOOK」データベースより）
「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも」やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、不穏なハサミを振り上げる―やさしくも哀しい祈りが胸を衝く

この人小学生なんじゃないか？と思うくらい、子供のやるせない気持ち、黒い心をがむっちりと書かれています。純粋なんかじゃない、薄暗く、自信がなく、自分なんて必要ないんじゃないかと思う気持ち。
翻って、大人も親でだけではいられない、男女としての悩ましい懊悩もふつふつと書かれていて、生臭く生温い液体がしとしと滴っています。

[doidoidoidoiさんの感想 · 2018年10月6日]

「おとなになるのって大変」なんてこどもはいわないよッ！！（子供みたいな感想）

[natsuki813さんの感想 · 2018年7月23日]

世界は大きくて理不尽だから、僕たちは
神様を創ることにした…。海辺の町、
秘密の場所で子どもたちが見つけた
「ヤドカミ様」の正体とは。やさしくも
哀しい祈りが胸を衝く長篇小説。

[sankakusikakuさんの感想 · 2018年7月18日]

残酷なお話だと思います。


主人公となるのが小さな子供ということもあって、その残酷さがより一層強まっています。最初はしろばんばのようなほっこりする話かと思っていたので足をすくわれた思いでした。


最後まで本当にドキドキしながら読むことができました。主人公はたぶん小学の高学年だと思います。


もっと上の年齢にしちゃうとただの変質者になってしまいますね。狂った友情・・・いや友情ではないなぁ。助け合い？隣人？友達？一言で言えばそんな内容でした。


ヤドカリが何匹も殺されるんですけど、最初はその残酷さに目をそむけたくなったのですが、読んでいくうちにそれが儀式のように思えてきました。


蛍川の蟹を思い出します。その影響もあってタイトルに蟹がついているのかもしれません。


ヤドカリはいけにえですね。いけにえってどうでもよいものをささげてもダメなんですよね。何日も放置したにも関わらず生き残った特別なもの・・・。


ものがたりの終盤には次の儀式はいつなんだろうと待ち望んでしまうような展開でした。


主人公が心の中の黒い塊を少しずつふくらまして行く様子もすごく良く伝わってきました。おすすめしたい作品です。

[ペコリエンヌさんの感想 · 2018年5月14日]

直木賞受賞作。
良くできているお話なのだろうけど、だいぶ暗いです。
子供が主役で、すべてその子の目線で進んで行くのは「龍神の雨」もそうだったと思うけど
あれも、これも、ずーんと気持ちが沈みました。特にヤドカニ様の儀式でいやぁな気持ちに…。
子供ならではの残酷さって怖い。

[ゆうみんさんの感想 · 2018年1月9日]

「月と蟹」
道尾秀介著

父親を癌で亡くし、母と祖父三人で暮らす慎一・家庭内暴力を受けている春也・幼いときに母を亡くした鳴海の３人の物語。

親は子供を思う。子供にとったら親はやはりかけがえのない存在。けれど、お互いの心がうまく通じ会えないもどかしさ。
心の中から沸き上がってくる衝動を昇華させようと、ヤドカリを捕まえては火で炙ったり、秘密の場所を作ったりするけれど、現実は厳しい。
大人に成らなくちゃと頑張るけれど、やっぱり大人になるのは難しい。

一生懸命生きている３人を抱き締めたくなった。

[torokokoさんの感想 · 2017年11月27日]

子供の心の叫びが伝わってきて、とってもせつなくどうしようもなく、そしてあらぬことを読みなが想像してこわくなった。最後はあっさり感じだけど。それでよかった！！！本当によかった。

[kooさんの感想 · 2017年8月26日]

子供だけの何も起こらない描写が長く退屈で、読み進められず。序盤と最後の数ページのみ読んだ。

→2019/4/23 再読→4
子供同士でもずっといつこわれるのかと危うく思える緊張感がいい

著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。