- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163552408
作品紹介・あらすじ
職業上のヒミツをこんなに明かしてもいいの?一日に2万回指揮棒を振る、指揮棒は一番安い「楽器」、指揮は目だけでもできる、カッコイイ燕尾服の作り方etc.。
感想・レビュー・書評
-
「週刊金曜日」に連載されたエッセイ的なものを単行本化したものである。
その中でなるほどなと思ったところを集めてみた。
今年の夏は、休暇を10日、5日、10日と3回に分けた(中略)
体中の不満を出させてやると、さあ、ゴルフ三昧である。音楽は嫌いだ。憎む。我ながらあきれる果てるほど亡国の玉遊びの毎日になる。連日10キロ以上、1万2. 3千歩は歩く。死ぬほどクタクタだ。音楽なんか聞くものか。楽譜なんぞみるものか。
休みの終わりの数日は、ゴルフを自粛する。だが、音楽、特にクラシックだけは、絶対に聞かない。
こうやっていると、頭の中で音楽が鳴るようになる。街を歩いているとき、ふとクラシックが聞こえてくると、うっとりしてしまう。休暇前は憎しみに憎んでいたくせに音楽大好きに戻っている自分に気が付く。指揮をしたくて、ムズムズしてくる。
こうなればしめたものだ。次の冬休みまでの何か月か、指揮者をやってゆく気力ができたわけである。
(指揮者は精力的にいつも活動しているがその源は何かいつも疑問だったがそれぞれ違うと思うが岩城さんはこのようにして気力を保っていたのだ。)
指揮台に立ってから、オーケストラと客席が静まるのを待つ。完全な静寂がくるまで、10秒も20秒もかかるかもしれないが、かまわず待つ。
(よくなかなか演奏が始ま
らない時があるが静寂になるのを参っていたのか。これから出来るだけ早く静かになるよう気を付けよう。)
指揮者は頭の中で自分の理想の音楽を鳴らしながら、オーケストラよりほんのちょっと先に進む。オーケストラは指揮者を見て、指揮者よりほんのちょっと後に音を出す。曲が始まったら両者が同時進行ということはあるが、オーケストラが指揮者より先に音楽を進めることは、あり得ない。
(指揮者とオーケストラの間に時差はあるのだろうが実際はどうなのだろうかと日頃疑問を持っていた。)
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20150127読了
P60 オケと意思疎通するとき不自由な外国語のほうがエッセンスをずばりと言える。母国語だとくどくどと説明してしまうので険悪な雰囲気になったりするから注意。かといって、日本語が険悪さを生むのではなくて、西洋音楽の演奏法や表情をあらわす表現は欧米のことばだと豊富にあるが、それに対応する日本語は少ない。能や狂言などで使うことばに対応する外国語がないのと同じなんだなと思った。●P137~ 「世界的な音楽家になるためにはユダヤの血とホモセクシャルの両方を持っていれば鬼に金棒」という一文でぱっと思い浮かんだのがホロヴィッツの名言。岩城さんがホロヴィッツの言葉を知っていたのかどうか分からないけど、同じ業界にいれば同じようなことを肌で感じるのは当然なのかも。 -
指揮棒がなぜ必要なのかわかったのが一番(?)の収穫。
職業病って辛いですよね。 -
未知なるクラシック関連本読書シリーズ?
指揮者、クラシックを知っていると味わい深い本なんだろう。門外漢の当方にはあまり面白味のない本ですかな、クスッとくるところがないんだなぁ、、、 -
図書館本。
たしかダヴィンチの書評に載ってたので。
魅力的な科学者や音楽家というのは文章も軽妙なんだよなぁ。 -
やっぱり読みやすい本だ。フィットネスセンターの自転車をこぎながら、読んでます。
-
職業上のヒミツをこんなに明かしてもいいの?一日に2万回指揮棒を振る、指揮棒は一番安い「楽器」、指揮は目だけでもできる、カッコイイ燕尾服の作り方etc.。