- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163735108
感想・レビュー・書評
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口語体で読みやすく、解説も分かりやすい。
歴史で言われてることが事実とは違っていた話は
へ~ってとても興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1945年8月15日をいかにして日本人は迎えたのか、というルポルタージュ。
しかしそれはともかくとして、わたしは、この「語りかけ口調」の文章にどうしてもなじめない。
頭からするすると情報が抜け落ちていくのだ。
小難しい、日本語になってない日本語に付き合う専門書を読みかじったせいなのか?
難しいとどうしてこういう文章なのか何度も読み直すんですよね、わたしの場合。
それがこうやすやすと語りかけられると、自分で立ち止まって考えることがないから、右から左に抜け落ちていく。
学校の授業でもこんなことあったなー。わかりやすいと人気の先生よりはわかりにくくても難しいことを難しいままはなしてくれるほうが、なんじゃそりゃと怒り心頭自分で考えてしまう・・・。
著者のほかの本もいくつか読んだんですがそういう理由で、なんじゃそりゃ状態です。エッセイとかなら許せるのかも。 -
文体が語り口調で読みやすい。
戦争に至った経緯、「歴史とは」…、考えさせられるところが多く、アンダーラインも多く引いた。 -
●:引用 →:感想
●この後昭和15年から16年にかけて、米英が日本に対して行なった、実に不愉快な出来事を挙げていきます。(略)12月2日には、せっかく日本が一生懸命に和平のためにつくった汪兆銘政権を「あんなことは認めない」と言って不承認にした。
●昭和天皇は祖父君である明治天皇を深く尊崇し、天皇としてのあり方を常に見習おうとしていたはずです。それなのに、政治と軍事、とくに軍事において世界情勢と国の政策がうまく作動せず、天皇の意思に反して、あらぬ方向へと国家は走っていった。「昭和史」を学べば学ぶほど、昭和天皇の孤独感、憂慮、苦悩のあまりの深さに、こっちが押し潰されそうになってしまうんですね。
→すべてではないのだが、このような半藤の文章(語り口)には違和感を覚える。臣(臣民、小市民)・半藤の視点、半藤史観(浪花節、義理・人情)といったところか。
●飯沢匡「異史 明治天皇伝」(新潮社)
●陸軍中央通信調査部というのが調布にありまして、日本にやってくるB29を丹念に観察しているんですよ。昭和20年の7月の時点でB29はマリアナ諸ええ島に六百機いて、サイパン島にいるのはみんな四百番台の番号をつけている。(略)グアム島が五百番台で、テニアン島は七百番台の飛行機だと、一覧表を作っていました。(略)ところが、(略)六百番台の新しい航空隊がちょくちょく日本に来ると。(略)どうもあの航空隊は怪しい、おかしい、と思っていたそうですが、まさか、それが原爆部隊とは思わなかったと・・・。
→NHKスペシャル「原爆投下活(い)かされなかった極秘情報」 -
本書は作家・歴史家である半藤一利氏によるものであるが、オール読み物に掲載されたものをもとに長時間しゃべったものをまとめたものだという。そのためか、読みやすくわかりやすく面白いものとなっていると感じた。
当たり前のことかもしれないが、とにかく著者は、歴史に詳しい。しかも、通り一遍の歴史的事実だけではなく、その背景や周辺事情に精通していると感じた。本書は興味深いポイントをとことん追及している本で、他の歴史書とはだいぶ趣が違う。分厚い本ではあるが、一気に読み終えてしまった。
幕末史から昭和の戦争までの様々な出来事を本書で読んでみると、日本人の文化的特性が浮かび上がってくる。著者が語る「日本人は言葉が作った流れに熱狂しやすいところがある」という事実が繰り返しおきていると感じた。
著者の「おしゃべり」は、とても面白かったという事は、日本の歴史はまだまだいろいろな視点で議論することができるということではないだろうか。「あの戦争」への国民的評価は、まだ確定していないことを感じるものである。著者の他の本も是非読みたくなる良書であると評価したい。 -
歴史探偵・半藤一利さんの三部作『昭和史』『幕末史』に続く最新作。位置付けとしては一連の戦争史の決定版となっている。各章ごとにテーマが分かれているので興味ある内容から読み進めることができる。文章は読書目線で相変わらず読みやすい。
本書の骨子は第一章「幕末史と日本人」で挙げられている内容に尽きる。
以下、第一章から印象に残った文章の抜粋。
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・戦後の日本という国は、不可思議と言っていいぐらいに自国の歴史をしっかりと教えてはこなかった(p.10)
・後世が目にする文献や史料は、活字になるという時点ですでに取捨選択されてるわけ。すなわち、ほぼ勝者によって取捨選択された歴史が活字になるんです(p.12)
・日本人の思想とか主義とかは「心理的な祭り用の衣装」にすぎなかったらしい(p.16)
・戦争の焼け跡で強く感じた「絶対に正しいことなんてあり得ない」という思いが、歴史の見方とつながって、歴史に絶対はないと改めて認識したんです(p.19)
・やっぱり人間というものが歴史を作るんで、人間に対する理解がなければほんとの歴史はわからない(p.26)
・そういうもの(高度に洗練、大衆化された江戸文化)を一挙に、明治の革命によって大否定をして、西洋の文明を入れる・・・大きな大きな断絶がありました。その断絶に対して、明治の一人ひとりが真剣に向き合ったこと、それが明治の精神を形づくった(p.30)
・自制と謙虚の美しい昭和の精神(p.31)
・幕末・明治維新、太平洋戦争をよく見てまいりますと、国家が外圧に直面するときは、状況も人間のあり方も似ています。そしてハッキリしているのは、大きな断絶が目の前に近づくと、そこが日本人の特性というか、心情というか、往々にしてナショナリズムに行っちゃうんですよね(p.32)
・熱狂に流されないためにはどうしたらいいか、と問われれば、歴史を正しく学んで、自制と謙虚さをもつ歴史感覚を身につけることです(p.36)
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【明治について】
明治というのは、司馬さんの言葉を借りれば、「坂の上の雲」という一つの理想を求めた時代。日本人が、植民地にされないような強い独立国家を作ろうと真剣に努力を傾注した時代であった。
太平洋戦争のときのような、戦争はやってみなきゃわからないんだ、なんて判断は一切しない。勝つ方法と同時に、一番大事な問題として、どうやったら戦争を終わらせることができるかということを考えていた。
【日露戦争について】
軍隊のみならず、日本の組織は何かをやろうとするとき、一体何を目的とするのか、それを明確にしないでやってしまうことが多い。命令する方は、本当の意図はこれなんだと言うことを曖昧にして、かっこいいことを書く。旅順攻略戦から正しく学んでいたら、と思わずにはいられない。
連戦連勝の日露戦争も、実は幸運の連続でやっとこさっとこ乗り切った。陸海軍が作り上げたフィクション戦史から、神話的な話だけを講談として学んでしまった。日本人は、精神力と白兵戦で勝てる。日本近海での艦隊決戦は得意中の得意である。これが太平洋戦争での日本軍の精神になっていく。冷静な判断よりも精神の昂揚を重視する、ほめられない戦略が強調され、太平洋戦争は精神力を武器として戦われたのである。あえていえば、太平洋戦争の真の敗因は、日露戦争の勝利にあった(歴史の教訓からもっとも学ぶべきリアリズムが消えてしまう)
【日露戦争以降】
日露戦争を境にして、日本はそれまでと違う国家になってしまったのではないか、理性や常識的なものの見方ではなく、われわれは一等国民であるという情念によって日本人は動き始めた。脱亜入欧、アジアの国を下に見て、差別意識を持つことにつながる。
【日中戦争~太平洋戦争】
日独伊三国同盟の締結は、昭和史のもっとも阿呆な政策決定であり、これが対米英戦争のノーリターンポイントを越えたときであった。
「政治用の言語が、目的のための手段の一つにすぎないことを忘れてしまい、かえって固定した『名文句』を押しつけ、ゆきわたらせることに、政治の目的を発見したりする怪しげな事態が、しばしば起こっている」(『政治家の文章』) -
厚いけど読みやすかったです。
薄氷で勝利した日露戦争がその後に深くつながってます。
熱狂の怖さを知りました。 -
2011/07/29-2011/08/02
日本人の特性 ❶ポピュリズムに弱い ❷雁の飛行/先頭が回旋すればそれに盲目的に従う ❸勧善懲悪 ❹箱入り娘•滅菌室での育苗
との特性があると考えさせられる内容である。確かな歴史観に裏付けされた名著 -
同調圧力だらけの今の(昔も!)日本であるからこそ
老いも若きも 読んでほしい 一冊です。
何万部のベストセラー、ワールド何々のスポーツの大会
流行の何々、話題の何々、どのマスメディアを開いても
同じニュース
「熱狂するなかれ」
ほんまに その通りだと思います
「その時」の状況と「今」が どれほど違っているのでしょう
くわばら くわばら