- Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163756806
作品紹介・あらすじ
「週刊文春」連載中の人気コラム「言霊USA」、待望のペーパーバック化です。新聞、テレビ、ウェブでは分からない超大国アメリカの素顔を、現地在住の著者がレポートしています。登場するのは、イスラム教徒扱いをされるオバマ、トンデモ発言でおなじみのペイリン、上場が落胆に終わったフェイスブック、過激なティーパーティ勢力、ウォール街のプレイヤー、民主主義を主張するレディ・ガガ、ギャル語を話すアメリカの女子高生など。本書のポイントは、「日本人の知らないアメリカ語」を引きつつ解説しているところです。Frenemy (フレネミー)=友だちぶった敵、Chinamerica (チナメリカ)=中国とアメリカの運命共同体、Greater Fool Theory(グレーター・フール・セオリー)=もっとバカがいる理論、Nothing,,, (ナッシング)=別に……など。アメリカ国内を騒がせたこれらの名言、失言、流行語を通して、政治や経済の仕組みから、キリスト教原理主義、ネット業界の最新動向、陰謀論の真偽、今のアメリカを知ることができます。ちなみに映画監督クリンスト・イーストウッドの「アメリカは今、ハーフタイムなんだ」という言葉に、自信を失ったアメリカ国民はみな涙を流したとか。連載でタッグを組んでいる漫画家・澤井健さんによる、ギャグセンスあふれる爆笑イラストも収録しました。まさに町山ワールド全開!一級のアメリカ批評本です。
感想・レビュー・書評
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週刊文春でのコラムをまとめたUSA語録第1弾。2010年から2012年ぐらいのまとめです。
2019年2月の今読むと懐かしくなるような事柄ばかりであり、もう10年近く前のことがよくわかります(おそすぎる!)
町山智浩さんのコラムはアメリカの政治あり、事件あり、エンターテイメントありと様々なジャンルについての話題なのでアキずに、そしてためになることが書かれている印象です。
あと、フランクな文体が非常にとっつきやすく、政治など一見複雑な話題に関してもすぐに頭に入ってくる感覚。
昔のコラム集を読み返すのも良いですが、現在進行系で読んでいきたい著作です。英語の勉強にもどうぞ(役立つかは別の話ですが!)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「週刊文春」のコラムを一冊にまとめた本。アメリカのコミックブックのような装丁。コミック感覚でサラッと面白く読める。海外のニュースというものは正規ルート(新聞やテレビのニュース)で知る以外、なかなか当事国の内情や実際そこに生活しているアメリカ人はどのように感じているか、また裏事情は?というところまでは伝わってこない。町山氏は在USA15年あまりの体験と生活者の目線でホットな時事ネタ、流行りのスラングなどを解説している。折しも大統領選が近づいており、前回オバマ大統領誕生までのあれやこれやの話題、そして今回の大統領選にも触れている。私など「外国」と言われる国の中で一番よく知っていると思っていた「USA」だが、それでもそこに生活する人々の感情まではなかなか知ることはむつかしいものだと、この本を読んで感じた。
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この本は「2009年6月から週刊文春に連載してきた言霊USAを集めたものです。言霊USAはカリフォルニア州バークレーに住む自分が、日常生活やテレビやラジオで耳にした新しい言葉、流行り言葉、バカげた言葉などを毎週していたコラム」です。
School Lockdown という言葉がある。訳は(学校閉鎖)だ。pcの画面に「学校は閉鎖されました」。というメッセージだけ届いたらしい。外部の人間が一切中に入れない状態だ。緊急事態だ。銃を持って男子生徒が侵入したらしい。
町山氏の娘さんの心配だ、たまらない思いだろう。
こういう熟語が416まある。これの解説を読んでいると、アメリカのスケールの大きさと不気味な怖い中身がみえてくる。元々英語というのはドイツ語とフランス語が合体してできた言葉らしい。だからドンドン自由に新語ができて変わっていくらしい。
町山智浩さん映画の紹介だけじゃなかったんですね。 -
2010~2012年頃のアメリカの政治と世相、
そこで使われる英語がよくわかり面白い。 -
『週刊文春』にいまも連載中の、アメリカの時事ネタを綴るコラム「言霊USA」の単行本化。
政治・経済ネタ、芸能ネタ、専門の映画ネタなど、多彩な話題を取り上げるコラムらしいコラムだ。毎回一つの言葉にスポットを当て、そこから話を広げていくスタイルなので、米語スラングの勉強にもなる。
マンガ家の澤井健が担当しているイラスト(てゆーか、カートゥーン=1コママンガ)も、じつによい。人物の似顔絵がバツグンのうまさだし。
町山の『〈映画の見方〉が変わる本』や『トラウマ映画館』が再読三読に堪える深みのある本なのに対し、本書は元が週刊誌コラムだけに軽い内容で、一回読めばもういいかな、という感じ。
それでも、何本かのコラムは強く心に残った。
たとえば、「9・11」から10年を経たころ、米メディアで盛んに投げかけられていたという一つの問いかけ――「けっきょく、アメリカは対テロ戦争に勝ったの? 負けたの?」についてのコラム。
米国海軍大学で軍事戦略を教えているマイケル・ヴラホスという教授は、こう言ったという。
《「敗北感があれば負けだ。これは感情的判断。もうひとつは客観的判断。戦争前に比べて状況が悪くなっていれば負けだ。この両方において、アメリカは負けたのだ」》
また、アカデミー賞を選ぶ「アカデミー会員」の偏り(会員の94%が白人で、77%が男性、平均年齢は62歳)が賞自体の偏向につながっていると指摘したコラムには、さすがの深みがある。
あえてアメリカン・ペーパーバックを模したチープな装丁にし、400ページ超のボリュームなのに低価格にしてある点も好ましい。一気に読めて、しかも満腹感が味わえるコラム集だ。 -
2012年ぐらい。「週刊文春」連載をまとめたもの。いわゆるペーパーバック型というか、分厚いのだが内部の活字が大きくて大変読みやすい。
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2012年の出版なので若干古い情報だが、現時点でも話題になるトピックスも多くアメリカの世相を理解する上で参考になった。
著者はアメリカに在住の映画評論家であり、アメリカの世相を(アメリカ人的に)的確に、且つ(日本人的な視点で)面白い切り口で捉えている。文章もウイットを織り交ぜながらで読んでいて楽しい。
雑学ではありながらも、芸能、社会、政治と幅広い話題に接することでアメリカの実像を知ることもできるし、このような情報の接し方も必要なのだろう。
病めるアメリカは8年間のオバマ政権で変わったのか?
共和党が支配する議会の下、思った以上変わっていないのだとしたら、次政権に期待するしかないのか。 -
読み易く面白かった。
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アメリカ在住の筆者が紹介する流行り言葉。